The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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48 巻, 2 号
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  • 1995 年 48 巻 2 号 p. 163-174
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 小林 宏行, 熊澤 浮一
    1995 年 48 巻 2 号 p. 175-182
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 宍戸 春美, 秋田 博伸
    1995 年 48 巻 2 号 p. 183-190
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 西村 忠史, 杉田 久美子, 青木 繁幸, 高木 道生
    1995 年 48 巻 2 号 p. 191-199
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    SY5555の小児細菌性感染症に対する細菌学的, 臨床的検討を行い, 下記の成績を得た。
    臨床的検討は咽頭炎4例, 化膿性扁桃炎10例, 狸紅熱4例, 伝染性膿痂疹8例, 亀頭炎1例, 蜂巣炎1例, 尿路感染症4例, 計32例について行った。SY5555は1回体重kgあたり3.3~10.0mg1日3回食後に投与した。評価可能であった31例における臨床効果は著効16例 (51.6%), 有効14例 (45.2%), やや有効1例で有効率は96.8%であった。
    細菌学的効果はStaphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenes, Enteroceccus faecalis, Haemophilus influenzae, Escherichia coli, Citrobacter freundiiなど計21株中, 消失17株 (消失率81.0%), 菌減少3株, 不変1株であった。
    副作用としては軟便1例で, 投与を中止することなく治療できた。臨床検査値異常は好酸球増多2例, 好酸球増多・GOT上昇・GPT上昇1例, 血小板増多1例であった。
  • 木野 稔, 東野 博彦, 小林 陽之助
    1995 年 48 巻 2 号 p. 200-204
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい非エステル型経口ペネム系抗生物質SY5555の小児科領域外来感染症における臨床的検討を, 咽頭炎4例, 扁桃炎7例, 伝染性膿痂疹2例, 尿路感染症1例の計14例について行った。臨床効果は, 2例が著効, 12例が有効で, 有効率は100%であった。一方細菌学的検索では, 起炎菌が判明し投薬前後で培養を行いえた4例 (Staphylococcus aums 2例, Streptococcus pyogenes2例) において, すべて消失した。
    副作用は, 本剤投与前後の臨床症状・所見および検査所見の異常について検討した。14例中4例に下痢 (1例) または軟便 (3例) を認めた。軟便の2例は無処置で消失し, 本剤投与は継続可能で臨床的にも問題はなかった。
    SY5555' はサントリー株式会社生物医学研究所で合成され, サントリー株式会社と山之内製薬株式会社により共同開発された, 新しい経口用ペネム系抗生物質である。本剤はペネム環上の2位をテトラヒドロフリル基に置換した構造を持ち, また非エステル型で原体で吸収されることが特徴である。本剤は緑膿菌を除く好気性ならびに嫌気性のグラム陽性菌・陰性菌に対して, 広範囲な抗菌スペクトルと強い抗菌力を示す1, 2)。成人領域における安全性, 有効性はすでに報告され, また幼若動物における毒性試験においても, 特記すべき所見は認められていない2)。この度, 小児科領域SY5555研究会が組織され, 我々はその一員として本剤の臨床的検討を行ったのでその成績を報告する。
  • 春田 恒和, 小林 裕
    1995 年 48 巻 2 号 p. 205-209
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるSY5555ドライシロップの臨床使用成績を検討し, 以下の結論を得た。
    1. 6例に投与した。対象疾患は咽頭炎, 扁桃炎, 腺窩性扁桃炎, 伝染性膿痂疹各1例, 狸紅熱2例であった。投与量は1日14.5~29.0mg/kgで, 3回に分割して投与した。臨床効果は著効5例, 有効1例で有効率は100%であった。
    2. 検出された菌はHaemophilus influenzae 3株, Streptococcus pyogenes 2株, Staphylococcus aums 1株であった。菌消失5株, 不変1株で, 消失率83.3%であった。
    3. 副作用は認められなかった。臨床検査値異常として好酸球の上昇が1例において認あられた。
    4. 服薬拒否はなかった。
    5. 以上の成績から, 本剤は小児科領域において有用な新経口抗生物質と考えられた。
  • 古川 正強, 岡田 隆慈
    1995 年 48 巻 2 号 p. 210-219
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ペネム系抗生物質SY5555を小児科領域細菌感染症に使用し, 臨床的検討を行った。
    1日投与量は体重1kg当り18.5mgから20.5mgで, 食後内服, 投与期間は4~11日間であった。
    臨床成績は気管支炎6例, 気管支肺炎2例, 百日咳1例, 狸紅熱3例, 扁桃炎5例, 尿路感染症3例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群2例, 膿痂疹1例, 化膿性リンパ節炎2例に使用し, 著効11例, 有効13例, 無効1例で, 有効率は96.0%であった。
    細菌学的効果では, Staphyloceccus aureusの3株, Streptococcus pneumoniaeの3株, Streptoceccus pyogenesの3株, Haemophilus influenzaeの1株, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalisの2株, Escherichia coliの2株が除菌され, 除菌率は15株中14株, 93.3%であった。
    SY5555は1985年にサントリー生物医学研究所において合成された, 新しい経口用ペネム系抗生物質であり, 化学構造はペニシリン, セフェム系と同様β-ラクタム系薬に属し, ペネム環上の2位が光学活性なテトラヒドロフリル基により置換されており, 水に溶けやすいことを特徴とする。
    本薬は, 広域抗菌スペクトラムを有し, Pseudomonas aeraginosaを除く, 好気性ならびに嫌気性菌に対して優れた抗菌力を示す。特に, 腸球菌を含むグラム陽性菌に対しては, 既存の経口抗生剤と比較し, 非常に優れた抗菌活性を示す。また, 各種β-lactamaseに対して安定であり, 酵素産生株にも強い抗菌活性を示す1)。
    本剤は, 経口投与により消化管から速やかに吸収され, また安全性に関しても, 高い安全性が確認されている1)。今回, 小児科領域SY5555共同研究班の一員として各種細菌感染症に対して, 本薬のドライシロップ剤を使用したのでその使用成績を報告する。
  • 関口 隆憲, 岡本 喬
    1995 年 48 巻 2 号 p. 220-228
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    SY5555ドライシロップまたは錠剤を急性咽頭炎4例, 急性扁桃炎5例, 急性気管支炎7例, 急性腸炎2例, 狸紅熱, 急性リンパ節炎, 尿路感染症各1例, 計21例に使用した。
    臨床効果は著効9例, 有効12例で有効率は100%であった。
    細菌学的効果ではHaemophilus influenzae 6株中3株除菌され, Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Escherichia coli各1株, Salmonella sp.2株はすべて除菌された。
    副作用については泥状便2例, 水様便1例がみられた。検査値異常として好酸球増多が1例にみられた。
    以上の成績から経口抗菌剤SY5555は各種の小児細菌感染症に対し有用な薬剤と考えられた。
  • 脇口 宏, 長尾 昭久, 渡辺 誠司, 岡田 泰助, 浜田 文彦, 倉繁 隆信
    1995 年 48 巻 2 号 p. 229-237
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    経口用ペネム系抗生物質のSY5555による各種小児感染症の治療および体内動態に関する検討を試み, 以下の結果を得た。
    生後8ヵ月から14歳までの小児20例に対してSY5555を12.8~30.5mg/kg/日, 3~18日間投与した. 疾患別臨床効果は急性気管支炎7例中6例が有効以上, 急性咽頭・扁桃炎5例全例が有効以上, 急性中耳炎3例全例が有効, 膀胱炎2例全例が有効以上, 伝染性膿痂疹3例全例が著効で, 全体としては19/20 (95.0%) であった. 細菌学的検討は8症例で可能であり, Staphylococcus aureus 3株, Haemophilus influenzae, Haemophilus parainfluenzae, Staphylococcus epidermidis, Coagulase-negative staphylococci, Serratia marcescensおよびStreptococcus pyogenes 1株が除菌された. 副作用については下痢が1例に見られた. また, 臨床検査値異常変動として好酸球増多とGPT上昇が各1例に観察された.
    2例についてSY55558.3mg/kg投与後の血中濃度と尿中排泄を検討したところ, 血漿中濃度のピーク値は1.38と2.44μg/mlで, 血中半減期はBioassay法で0.59と1.39時間であった. 2例とも尿量の測定が不正確であったため, 尿中排泄量は算定できなかったが, 尿中濃度は70.2 (2~4hrs.) と91.0 (0~5hrs.) μg/mlの高濃度が得られた.
    以上のことから, SY5555は各種小児細菌感染症の治療に有用かっ安全な抗生物質であると考えられる.
  • 本廣 孝, 半田 祥一, 山田 秀二, 沖眞 一郎, 吉永 陽一郎, 織田 慶子, 阪田 保隆, 加藤 裕久, 山下 文雄, 今井 昌一, ...
    1995 年 48 巻 2 号 p. 238-260
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい経口用Penem系抗生物質SY5555の製剤中主にドライシロップ剤を小児の細菌感染症に投与し, 臨床分離株と保存株であるBordetella pertussis, Campylobacter jejuniに対する抗菌力, 体内動態, 有効性及び安全性について検討したところ, 次のような成績が得られた。
    1. 薬剤感受性試験ではSY5555投与症例から分離された, 5菌種20株に対しSY5555とCla-vulanicacid/Amoxicillin (CVA/AMPC), Cefaclor (CCL), Cefotiam (CTM), Cefpodoxime (CPDX), Cefdinir (CFDN) の6薬剤, 保存株のB.pertussis 10株に対しては前述の6薬剤中CVA/AMPCとCFDNを除く4薬剤とAmpicillin (ABPC), Piperacillin (PIPC), Imipenem (IPM), Erythromycin (EM) の4薬剤, C.Jejuniに対してはB.pertussisに用いた8薬剤からPIPCを除きCFDNを加えた計8薬剤を用いて, 接種菌量106CFU/mlにおけるMICを測定した。SY5555のMICはグラム陽性球菌でStaphylococcus aureus (10株) 0.05~0.10μg/ml, Strepto-coccus pyogenes (1株) ≤0.025μg/ml, Streptococcus pneumoniae (4株) ≤0.025~0.39μg/mlを示し, 他の5薬剤のMICと同等以上であった。グラム陰性桿菌でHaemophilus influenzae (3株) は0.39μg/mlか6.25μg/mlを呈し, CPDXを除く4薬剤のMICと同等で, Escherichia coli (2株) はいずれも0.39μg/mlで, CVA/AMPC, CCLのMICと同等以上, CPDX, CFDNのMICと同じか類似あるいは大, CTMのMICより大であった。保存株のB.pertussis 10株に対するSY5555のMICは全株が0.78μg/mlで, CCL, CTM, CPDXのMICより小, IPMのMICと類似か大, PIPC, EMのMICより大であった。C.jejuniに対するSY5555のMICは≤0.025μg/mlか0.05μg/mlで, 他の7薬剤のMICと同等以上であった。
    2.SY5555ドライシロップ剤を5例中各2例に5.0mg/kgか10.0mg/kg, 1例に15.0mg/kg, 食後30分に経口投与してのSY5555の血漿中濃度は, いずれのCaseも投与1~3時間後の間に最高濃度を示し, 5.0mg/kg投与例では0.93, 1.21μg/ml, 10.0mg/kg投与例では2.85, 5.49μg/ml, 15.0mg/kg投与例は5.79μg/mlで, 10mg/kg投与例で高い血漿中濃度を呈した1例を除くと3投与量群間に用量依存性があり, 半減期は0.76~1.05時間であった。AUCでも血漿中濃度と同じく1例を除くと3投与量群間に用量依存性が認められた。
    3. 血漿中濃度を測定した同一症例における尿中濃度は1例が投与後0~2時間, 4例が投与後2~4時間に最も高い濃度で, 投与後6時間までの回収率は6.0~13.8%であった
    。4. 臨床効果は14疾患76症例中著効20例26.3%, 有効43例56.6%, やや有効9例11.8%, 無効4例5.3%で, 有効以上の有効率は82.9%であった。
    5. 細菌学的効果は6菌種33株中30株90.9%が消失し, 優れた成績であった。6. 副作用は臨床効果の判定できた76例と脱落6例, 計82症例について検討でき, 4例4.9%に下痢が出現した。
    7. 臨床検査値では末梢血の検査で, 好酸球増多が31例中1例3.2%に出現した。
  • 原田 豊, 松本 正, 辻 芳郎, 権藤 泉, 小林 伸雄, 林 克敏, 内田 哲也, 上原 豊, 木戸 利彦, 福田 友子
    1995 年 48 巻 2 号 p. 261-270
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるSY555510%ドライシロップの基礎的, 臨床的検討を行い以下の成績を収めることができた. 1. 基礎的検討SY555510%ドライシロップ5mg/kg, 10mg/kg, 15mg/kg食後30分の単回投与を行った. Cmaxは5mg/kg, 10mg/kg, 15mg/kgそれぞれ1.58±0.37μg/ml, 2.78±0.54μg/ml, 5.28μg/mlであった. Tmaxはいずれも投与後1時間であった. T1/2はそれぞれ0.94±0.05時間, 1.46±0.31時間, 0.88時間であった. 投与後6時間までの尿中排泄率はそれぞれ5.39±1.54%, 5.38±0.55%, 9.57%であった. 2. 臨床的検討咽頭炎1例, 扁桃炎1例, 気管支炎1例, 肺炎1例, 中耳炎5例, 尿路感染症5例, 皮膚感染症1例の計15例を対象とした. 臨床効果は著効4例, 有効8例, やや有効2例, 無効1例であり, 有効率は80.0%であった. 細菌学的効果は分離菌10株に対し, 消失8株, 不変2株で菌消失率は80.0%であった. 副作用, 臨床検査値異常はなく, 服薬拒否もなかった.
  • 澤田 博義, 笹田 昌孝, 田嶌 政郎, 山本 孝吉, 安田 典正, 大森 聖一, 湯本 義一, 石橋 孝文, 岡田 弘, 鈴木 孝世, 奥 ...
    1995 年 48 巻 2 号 p. 271-277
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    造血器腫瘍患者の顆粒球減少時 (500/mm3未満) に続発する細菌感染症に対するImipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) とG-CSF併用療法の有効性を, 37例の登録症例中, 除外例7例を除く30例で検討した。20例が有効以上の臨床効果を示し, 有効率は66.7%であった。感染症別では6例の敗血症は全例有効 (有効率100%), 化学療法後の発熱 (敗血症疑い) 15例では66.7%, 肺炎7例を含む呼吸器感染症8例は37.5%の有効率を示し, その他の1例 (舌膿瘍+咽喉頭炎) は有効と判定された。投与方法としては, G-CSF先行投与群5例, 同時投与群21例, IPM/CS先行投与群4例で, その有効率はそれぞれ60.0%, 66.7%, 75.0%と各群間に統計的有意差は認められなかった。IPM/CS以外の抗生剤併用なし群18例, 併用あり群12例の有効率はそれぞれ72.2%, 58.3%であり2群間に統計的有意差は認あられなかった。投与前後の顆粒球数別臨床効果では両者とも100/mm3未満で推移した10例でも60.0%の有効率が得られた。
    起炎菌としてグラム陽性菌10株, グラム陰性菌6株が検出され全例菌消失が得られたが, 3株菌交代を認めた。
    副作用として不安感が1例 (2.7%), 検査値異常として軽度の肝機能異常, 血清総蛋白量低下などが5例 (13.5%) に認あられたがIPM/CSの投与を中止した症例はなかった。G-CSFによると思われる副作用は認あなかった。
  • 冨山 道夫
    1995 年 48 巻 2 号 p. 278-283
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    咳を主訴とした小児急性咽喉頭炎症例のうち細菌感染の関与が証明された21名に対してMinocycline (MINO) を使用し, その有効性, 安全性を検討した。
    1. 臨床効果は著効9名 (43%), 有効8名 (38%) で81%の有効率であり, 特にHaemophilus influenzaeが起炎菌の症例にMINOは高い有効性を認あた。
    2. Streptoceccus pneumoniae 5株, Streptococcus pyogenes 2株, H.influenzae 16株, 計23株の病原菌が分離されたが, MINOは全株に80%以上の高い薬剤感受性率を示した。
    3. 症例別細菌学的効果は菌消失率71%で, 分離菌別ではH.influenzaeが88%と高い菌消失率を示したが, S.pneumoniaeは5名中3名が残存した。
    4. 副作用は腹痛1名, 口内炎1名で計2名 (10%) にみられたが, いずれも治療終了後改善した。
    5. 臨床効果と安全性を勘案して判定した有用性は非常に満足8名 (38%), 満足8名 (38%) で有用率76%であった。
    以上の結果より, MINOは咳を主訴とする小児急性咽喉頭炎のうちH.influenzaeが起炎菌の症例では, 高い有効性と安全性を有する薬剤であることが確認された。一方S.pneumoniaeS. pyogenesが起炎菌の症例における菌消失率はH. influenzae検出例に比べ低く, MINO使用後にS.pneumoniaeが検出された症例の中に急性扁桃炎や急性中耳炎を合併した例を認めたことより, S.pneumoniae, Spyogenes検出例に対してMINOは使用しにくい薬剤であると思われた。
  • 渡辺 忠洋, 閑野 麻紀子, 蘇武 建一, 高瀬 幸男, 吉田 隆
    1995 年 48 巻 2 号 p. 284-292
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Methicillin-resistanSt taphylococcus aureus (MRSA) に対するアルベカシン (ABK) とホスホマイシン (FOM) のSub-MICでの併用効果について臨床分離株であるMRSA 1936を用い殺菌作用, Postantibiotic effect (PAE), FOM作用除去後, ABKを作用させた場合, またはABK作用除去後, FOMを作用させた場合の殺菌効果, および電顕像による形態変化について検討し以下の成績を得た。
    1. ABKとFOMを同時併用した場合, 強い再増殖抑制効果が見られた。
    2. ABKとFOMを同時併用した場合, ABK単独作用に比しPAEの延長が認あられた。
    3. FOM作用, 除去後ABKを作用した場合, ABK単独作用に比し明らかな殺菌力の増強が見られたが, ABK作用, 除去後FOMを作用した場合, FOM単独作用に比し殺菌力の増強は見られなかった。
    4. FOM作用, 除去後ABKを作用した場合, FOMとABKの併用作用の影響とみられる異常箇所に肥厚した隔壁のある膨潤した細胞, および細胞内容物の流出した細胞の破壊像が透過電顕でみられた。
    以上の結果よりMRSAに対しABKとFOMを併用した場合強い再増殖抑制効果が見られ, FOM先行作用した場合強い短時間殺菌効果の増強が認められた。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次
    1995 年 48 巻 2 号 p. 293-298
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1989年, 1991年, そして1993年において, 当所に全国の耳鼻咽喉科臨床施設から送付されてきた中耳炎, 及び外耳炎患者採取材料から分離・同定した臨床分離株を対象にして, Fosfomycin (FOM) の経年的抗菌活性を知る目的にFOMと対照薬剤の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 以下の結果を得た。
    1. Staphylococcus aureus subsp. aumsに対するFOMのMIC90は, 1984年~1985年における耳用FOM開発試験時の検出株に比較して2管差 (4倍) に上昇していたが, この要因としては近年に増加しているMethicillin-resistant S.aums (MRSA) のFOM耐性株の反映が示唆された。
    2. Proteus groupPseudomonas amginosaに対するFOMのMIC分布には経年的な変動は認あられなかった。
    3. 近年に検出した中耳炎, 及び外耳炎由来臨床分離株に対するFOMの経年的な抗菌活性には大きな変動が認められないことから, 耳用FOMは1990年代の中期を迎えた今日においても臨床的に有用な耳用液の一つである。
  • 1995 年 48 巻 2 号 p. 299-301
    発行日: 1995/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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