The Japanese Journal of Antibiotics
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48 巻, 9 号
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  • Iraconazoleを中心として
    西川 武二, 渡辺 一功, 山口 英世
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1033-1050
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • Azithromycin小児科領域研究会
    藤井 良知, 阿部 敏明, 田島 剛, 小林 正明, 寺嶋 周, 目黒 英典, 砂川 慶介, 横田 隆夫, 秋田 博伸, 岩田 敏, 武内 ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1051-1073
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたアザライド系抗生物質Azithromycin (AZM) の10%細粒剤を小児感染症に対して10mg/kg (以下投与量は全て力価で表示) の標準用量で1日1回3~5日間投与 (全体の89.5%が3日間投与であった) し, 有効性及び安全性を検討した。
    また, 18例の血中濃度, 17例の尿中濃度を測定し, 体内動態の検討を行った。
    1. 吸収・排泄試験成績
    AZM10mg/kg投与16例及び20mg/kg投与2例のCmas [平均 (±標準偏差)] はそれぞれ0.29±0.24μg/ml, 0.75μg/ml, T1/2は42.0±11.8時間, 51.3時間, AUC0~coは10.72±5.00μg・hr/ml, 28.83μg・hr/mlであった。尿中濃度は10mg/kg投与14例では投与開始後48~72時間, 20mg/kg投与3例では24~48時間で最高濃度を示し, 投与後120時間までの累積尿中回収率は10mg/kg投与で9.1±2.6%, 20mg/kgで10.8±3.4%であった。
    2.臨床効果
    総症例数は619例で, 除外・脱落を除いた564例を臨床効果の解析対象とした。有効率 (「著効」+「有効」の割合) は原因菌判明例 (A群) 246例で94.3%であった。参考として原因菌不明例 (B群) 321例では90.7%であり, A群とB群に有意差をみなかったので両群を合わせると, 有効率は92.2%であった。
    3日間以上続けた先行化学療法が無効であった116例に対する有効率は94.0%であり, 先行化学療法で消失しなかった菌の消失率は86.8%であった。
    3.副作用・臨床検査値異常
    安全性解析対象596例のうち, 下痢, 軟便, 発疹, 嘔吐の症状が15例 (2.5%) に認められたが, 投与中止例4例を含め軽度又は中等度の一過性の症状であり, 全て回復した。
    臨床検査値の異常変動は, 白血球数の減少23件 (5.6%), 好酸球数の増多28件 (7.1%), 血小板数の増多2件 (0.5%), 血小板数の減少1件 (0.3%), GOTの上昇3件 (0.8%), GPTの上昇6件 (1.6%) が認められたが, 一過性のものであり特に留意すべき異常所見はなく, 異常値と関連すると思われる臨床症状を呈した症例はなかった。
    4. 服用性
    解析対象614例のうち「不明」14例を除き, 「非常に飲みやすい」47例 (7.8%), 「飲みやすい」312例 (52.0%) で「飲みやすい」以上が59.8%, 「普通」217例 (36.2%), 「飲みにくい」18例 (3.0%), 「飲めない」6例 (1.0%) であった。
    以上の成績から, 本剤は1口標準用量として1回10mg/kg, 1日1回, 3日間投与により, 小児市中適応感染症に対して有用な薬剤であると考えられる。
  • Azithromycin小児科領域研究会
    藤井 良知, 阿部 敏明, 田島 剛, 寺嶋 周, 目黒 英典, 砂川 慶介, 横田 隆夫, 秋田 博伸, 岩田 敏, 武内 可尚, 青山 ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1074-1092
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アザライド系抗生物質Azithromycin (AZM) の新しく開発された100mgのカプセル剤を, 小児感染症に対して10mg/kg (以下投与量は全て力価で表示) の標準用量で1日1回3-5日間投与 (全体の89.9%が3日間投与であった) し, 有効性及び安全性を検討した。
    また, 9例の血中濃度, 12例の尿中濃度を測定し, 体内動態の検討を行った。
    1. 吸収・排泄試験成績
    AZM 8.5-14.3mg/kg投与9例のCmax (平均±標準偏差) は0.45±0.28μg/ml, T1/2は52.7±20.2時間, AUC0-coは12.09±4.93μg・hr/mlであった。尿中濃度は8.5-14.7mg/kg投与12例で投与開始後48-72時間で最高濃度を示し, 投与後120時間までの累積尿中回収率は7.3±2.8%であった。
    2.臨床効果
    総症例数は139例で, 除外・脱落を除いた119例を臨床効果の解析対象とした。有効率 (著効+有効の割合) は原因菌判明例 (A群) 40例で100%, 原因菌不明例 (B群) 79例では97.5%であり, A群とB群に有意差をみなかったため参考として両群を合わせると, 有効率は98.3%であった。
    3日間以上続けた先行化学療法が無効であった31例に対する有効率は93.5%であった。
    3. 副作用・臨床検査値異常
    安全性解析対象130例のうち, 下痢, 発疹, 蕁麻疹, 嘔吐の症状が7例 (5.4%) に8件認められたが, 投与中止例2例を含め軽度又は中等度の一過性の症状であり, 全て回復した。
    臨床検査値の異常変動は, 白血球数の減少io件 (9.3%), 好酸球数の増多12件 (11.4%), 血小板数の増多1件 (1.0%), GOTの上昇3件 (3.1%), GPTの上昇6件 (6.2%), LDHの上昇1件 (1.1%) が認められたが, 一過性のものであり特に留意すべき異常所見はなく, 異常値と関連すると思われる臨床症状を呈した症例はなかった。
    4. 服用性
    解析対象134例のうち, 「非常に飲みやすい」9例 (6.7%), 「飲みやすい」75例 (56.0%) で「飲みやすい」以上が62.7%, 「普通」43例 (32.1%), 「飲みにくい」6例 (4.5%), 「飲めない」1例 (0.7%) であった。
    以上の成績から, 本剤は1日標準用量として1回10mg/kg, 1日1回, 3日間投与により, 小児市中適応感染症に対して有用な薬剤であると考えられる。
  • Tosufloxacin tosilateを対照とした二重盲検群間比較試験
    佐々木 次郎, 金子 明寛, 唐木田 一成, 椎木 一雄, 坂本 春生, 内藤 博之, 山根 伸夫, 富田 文貞, 加藤 久視, 吉田 廣, ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1093-1118
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    急性歯性感染症 (歯周組織炎, 歯冠周囲炎および顎炎) に対するAzithromycin (AZM) の有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, Tosufloxacin tosilate (TFLX) を対照として無作為化二重盲検比較試験を実施した。
    1. 委員会判定 (3日後統一判定) における有効率はAZM群85.9% (73例/85例), TFLX群78.9% (71例/90例) であり, 両群間に有意差は認められなかったが, 同等性は検証された (P=0.002)。
    2. 担当医判定 (最終観察日) における有効率はAZM群87.1% (74例/85例), TFLX群73.3% (66例/90例) であり, 両群間に有意差が認められた (p=0.006)。
    3. 菌消失率はAZM群975% (39例/40例), TFLX群85.7% (30例/35例) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
    4. 副作用発現率はAZM群125% (11例/88例), TFLX群5.6% (5例/90例), 臨床検査値の異常変動発現率はAZM群7.1% (6例/85例), TFLX群5.9% (5例/85例) であり, いずれも両群間に有意差は認められなかった。
    5. 安全性における「問題なし」の割合はAZM群84.1% (74例/88例), TFLX群90.0% (81例/90例) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
    6. 有用率 (「極めて有用」+「有用」の割合) はAZM群83.9% (73例/87例), TFLX群72.2% (65例/90例) であり, 両群間に有意差が認められた (p=0.025)。
    以上の成績から, AZMはTFLXと同様に急性歯性感染症に対し有用な薬剤であると考えられた。
  • 内野 卯津樹, 金山 明子, 長谷川 美幸, 小林 寅喆, 武藤 秀弥, 榎垣 一憲, 松永 敏幸, 小川 正俊, 丁 宗鉄, 児玉 和夫, ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1119-1130
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新マクロライド系抗生物質Azithromycin (AZM) のヒト糞便内細菌叢に及ぼす影響を, 健常成人男子被験者6名を用いて検討した。
    AZM 500mgを1日1回, 3日間連続して経口投与し, 投与前および投与終了翌日から28日まで計5回にわたり糞便の定量培養を行った。被験者により差は認められたが, 投与終了翌日から終了14日目まで好気性菌と嫌気性菌の一部に減少を認めた。特にBifidobacteriumは全例において投与終了翌日から消失し, 回復の遅れが認められた。6例中1例に, 投与終了28日目にClostridium difficileの出現がみられたが, 下痢症状などは, 観察されなかった。
  • その1. 感受性について
    熊本 悦明, 広瀬 崇興, 田仲 紀明, 引地 功侃, 茂田 士郎, 白岩 康夫, 亀岡 浩, 吉田 浩, 尾形 正裕, 田崎 寛, 入 久 ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1131-1160
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1989年6月から翌年5月までの間に全国10施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離された菌の内訳は, グラム陽性菌が30.8%であり, その多くはEnterococcus faecalisであった。グラム陰性菌は69.2%であり, その多くはEscherichia coliであった。
    Enterococcus faecalisに対してはImipenem (IPM) の抗菌力が最も強く, その他Ampicillin (ABPC), Vancomycin (VCM) 等が良好であった。Staphylococcus aureusに対してはVCM, Dicloxacillin (MDIPC), Arbekacin (ABK) が強かったが, 他の薬剤は弱かった。S.epidermnidis に対してはMinocycline (MINO), ABK, VCMが良好であった。CNSに対してはIPM, ABK, MINOが最も強く, その他の薬剤も全体的に良好な抗菌力を示した。Streptococcus agalactiae に対してはCefazolin (CEZ), Cefuzonam (CZON), IPM, Clindamycin (CLDM) の抗菌力が最も強い抗菌力を示した。E. coliに対しては全体的に各薬剤とも強い抗菌力を示し, 特にIPMが良好であった。しかし, ペニシリン系薬剤は弱かった。Klebsiella pneumoniaeに対してはどの薬剤も比較的良好な抗菌力を示したが, ペニシリン系薬剤は弱かった。Enterobacter cloacaeに対してはIPMとOfloxacin (OFLX) が良好な抗菌力を示した。ペニシリン系, セフェム系薬剤は弱かった。Proteus mirabilisに対しては全体的に良好な抗菌力を示した。Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaに対しては各薬剤とも抗菌力は弱くIPMが比較的良好な抗菌力を示したに過ぎなかった。
    我々は, 泌尿器科領域において重要な疾患である尿路感染症について, 1979年以来・分離菌の頻度, 抗菌薬に対する感受性を測定し, 患者背景及び感受性の経年的変動について検討を続けてきた1-10)。
    本年も若干の知見を得る事ができたので, その1において感受性について, その2において患者背景, その3において感受性の推移について報告する。
  • その2. 患者背景
    熊本 悦明, 広瀬 崇興, 田仲 紀明, 引地 功侃, 茂田 士郎, 白岩 康夫, 亀岡 浩, 吉田 浩, 尾形 正裕, 田崎 寛, 入 久 ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1161-1173
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1989年6月から翌年5月までの間に全国10施設において尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの患者背景について性別と年齢, 年齢と感染症, 年齢と菌種, 抗菌薬投与前後における菌と感染症, 分離菌と分離地域などにっき検討した。患者背景をみると, 男女とも50歳以上の症例が多かった。男女の割合をみると20~39歳では女性の症例が83.3~88.5%と大半を占めたが, 年齢層が上がるに従い男性の割合が増加し, 70歳以上では男性の症例が61.4~69.0%と女性の症例より多くなった。感染症別でみると, 20~39歳では単純性尿路感染症の症例が81.6~81.8%を占めたが, 50歳以上では複雑性尿路感染症の症例が51.6~77.2%を占めた。菌種をみると20~39歳はEscherichia coliの分離頻度が高く55.0~55.7%を占め, 40~69歳でも29.1~38.7%を占めたが, 70歳以上では減少し, 14.4~20.8%になった。一方Entemcoccus faecalisは, 20~39歳では6.3~9.0%を占めるにすぎなかったが, 60歳以上では18.2~20.5%を占めていた。抗菌薬投与前後 (分離前1週間以内に抗菌薬の投与をしていない場合を「投与前」, 投与している場合を「投与後」と分類) における感染症群別の分離菌頻度についてみると, 投与前の分離菌はE. coliが最も多く38.5%を占めたが, 投与後は減少し10.8%となった。また, 抗菌薬投与後の方が分離頻度が高くなった菌としては, E. faecalisが13.9%から27.0%, Pseudomonas aeruginosaが7.1%から13.5%, Enterobacter spp.が2.9%から8.1%であった。
  • その3.感受性の推移
    熊本 悦明, 広瀬 崇興, 田仲 紀明, 引地 功侃, 茂田 士郎, 白岩 康夫, 亀岡 浩, 吉田 浩, 尾形 正裕, 田崎 寛, 入 久 ...
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1174-1263
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1989年6月から翌年5月までの間に全国10施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株 (Ctrobacterspp., Enterobacter spp., Escherichiacoli, Klebsiella spp., Proteus mirabilis, Pseudomonas aemginosa, Serratia spp.) を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定し, 前年度までの感受性と比較した。比較は菌種を単純性尿路感染症, カテーテル非留置複雑性尿路感染症, カテーテル留置複雑性尿路感染症の3群に分類し行った。Citrobacter spp., Pmirabilis, Sermtiaspp. については分離菌株数が少ないため比較は難しいが, 感受性に大きな違いはみられなかった。Entembacter spp.についてはセフェム系薬剤Flomoxef, Cefixime, Cefuzonam, Ceftazidimeに対して, カテーテル留置複雑性尿路感染症において感受性株の増加が認められた。E. coliでは, ペニシリン系薬剤に対してカテーテル留置複雑性尿路感染症において感受性は若干良くなった。Klebsiellaspp.については, セフェム系薬剤とMinocyclineに対する感受性が全体的に良くなり, またP.aenuginosaでもニューキノロン系薬剤及びCefsulodinに対して, 単純性尿路感染症において感受性は良くなった。
  • 鈴木 由美子, 古口 昌美, 田中 節子, 深山 成美, 石原 理加, 出口 浩一, 小田 清次, 中根 豊, 福本 寅雄
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1264-1273
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1986年7月~1987年6月 (第一期), 及び1994年1月~1994年12)」(第1期) に各種臨床材料より検出したGlucose non-fermentative Gram-negative rods ((G) NF-GNR) の検出頻度と, 主な薬剤の最小発育阻止濃度 (MIC) の測定を行い, 以下の結果を得た。
    1, 第一期及び第二期に何らかの好気性菌が検出された各々35,200検体からは共通して34菌種の (G) NF-GNRが検出されたが,(G) NF-GNR検出総株数は第一期4,575株, 第二期4,704株であり,(G) NF-GNRの検出総株数には経年的な差が認められなかった。
    2. 第二期に検出された (G) NF-GNR34菌種4,704株中における1こな菌種構成は,Pseudomonas aeruginosa 68.4%, Stenotrophomonas maltophilia 6.9%,Acinetobacter baumannii 5.6%,Burkholderia cepacia 3.1%, Acinetobacter lwoffii 2.6%, Alcaligenes xylosoxidans subsp. xylosoxidans2.4%,Flavobacterium indologenes 1.7%,Pseudomonas putidaAcinetobacter junii が各々1.1%,Moraxella subgenus Moraxella lacunata 0.9% などであったが, 第一期との比較においてはB.cepaciaがP<0.01の有意差をもって減少していたが,S. maltophiliaはP<0.001の有意差をもって増加していた。
    3. MIC測定結果からは多くの菌種に多剤耐性株が認められたが, Minocyclineは多くの菌種に, 更に部の菌種にはOHoxacinの抗菌活性が強いことが示唆された。
  • 大石 正夫, 宮尾 益也, 阿部 達也, 笹川 智幸, 本山 まり子, 中川 俊人, 奥富 常雄
    1995 年 48 巻 9 号 p. 1274-1280
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    有色家兎にBalonoxacin20mg/kgを単回経口投与して, 血漿中および眼内動態を検討した。前房水中および血漿中とも投与後1時間で最高濃度に達し, その値はそれぞれ0.70μg/ml, 6.46μg/mlであった。前房水/血漿中濃度比は0.12であった。24時間後には前房水, 血漿中濃度は0.18μg/ml, 0.27μg/mlであった。消失半減期は前房水で血漿より長時間を示した。
    同様に20mg/kg単回投与して24時間までの眼組織内濃度を測定した。虹彩毛様体および網脈絡膜内濃度は他の眼組織に比べて数倍から数十倍高く, しかも長時間にわたり高値を持続することがみとあられた。
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