The Japanese Journal of Antibiotics
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49 巻, 11 号
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  • 豊永 義清, 石原 俊秀, 中村 弘典
    1996 年 49 巻 11 号 p. 981-993
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質であるAzithromycin (AZM) 細粒剤及びカプセル剤について基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.抗菌力
    臨床分離菌株に対するAZMのMICはStaphylococcus aureus 0.78~1.56μg/ml, Streptococcus Pyogenes≤0.025~0.10μg/ml, Streptococcus pneumoniae 0.10~039と6.25μg/ml, Moraxell (Branhamella) catarrhali≤0.025~0.39μg/ml, Haemophilus infuenzae .39~3.13μg/ml Haemophilus parainfluenzae0.20~6.25μg/mlに分布していた。
    2.吸収・排泄
    AZM 10mg/kgを1日1回, 3日間投与した際の血中半減期は28.1~46.1時間であり, 投与開始から120時間後までの尿中排泄率は4,01~8.47%であった。
    3.臨床成績
    咽頭炎7例, 扁桃炎11例, 気管支炎11例, 肺炎19例, マイコプラズマ肺炎8例, 猩紅熱13例, 感染性腸炎1例, 皮膚軟部組織感染症4例及び中耳炎2例の計76例に対する臨床効果は, 判定不能の1例を除き75例中71例が有効以上であり, 有効率は94.7%であった。 起炎菌の消長が判定できた46例における除菌率は87.0%であった。
    副作用症状は1例に中等度の水様便を認めたが, 止痢剤投与にて消失した。 また, 臨床検査値異常は白血球数減少8例, 好酸球増多2例, 血小板数増加1例, GPT上昇1例の計12例に認められたが, 何れも軽度であり臨床的に問題となるものではなかった。
  • 奥村 彰久, 久野 邦義
    1996 年 49 巻 11 号 p. 994-1003
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質であるAzithromycin (AZM) 細粒剤およびカプセル剤を原則として10mg/kg (力価), 1日1回3日間投与し, 基礎的および臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 今回の臨床分離株に対するAZMの抗菌力は, グラム陽性菌からグラム陰性菌にわたり全般的に強い抗菌力を示した。
    2. 2例において血漿中濃度の測定を実施し, 最終投与直前の血漿中濃度はそれぞれ0.095μg/ml, 0.204μg/mlであり, 投与終了後48時間において0.017μg/ml, 0.096μg/mlの濃度が検出された。尿中濃度は1例において検討し, 初回投与後24~48時間で5.16μg/ml, 48~72時間で5.63μg/mlであった。
    3. 各種小児感染症45例に本薬を使用し, 評価対象38例の有効率は97.4%, 菌の消失率は56.7%であった。
    4. 副作用は軽度の嘔吐が1例認められ, 臨床検査値の異常変動は軽度の好酸球増多が4例にみられた。
  • 小林 陽之助, 木野 稔, 東野 博彦, 高屋 淳二, 原田 佳明, 河村 有美, 河崎 裕英, 長尾 靖子
    1996 年 49 巻 11 号 p. 1004-1012
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    27例の各種小児感染症に対してAzithromycin(AZM)の細粒剤およびカプセル剤による治療を行い, 以下の結果を得た。
    1. 体内動態の検討
    カプセル剤を投与した2例について体内動態を検討した。
    8.3mg/kgを1日1回, 3日間投与した1症例の最終投与から48時間後の血漿中濃度は, 0.033μg/mlであった。
    1日1回8.3mg/kg, 12.5mg/kgを3日間投与した2例の96~120時間後の尿中濃度は1.67μg/mlおよび4.53μg/mlであり, 12.5mg/kgを3日間投与した1症例の初回投与から120時間の累積尿中排泄率は10.54%であった。
    2. 臨床成績
    臨床効果の評価対象となったのは24例であり, 著効7例, 有効14例で, 有効率は87.5%であった。細菌学的効果は Haemophilus influenzaeが分離された2例で起炎菌の消長が確認され, それぞれ消失と減少であった。
    安全性の評価対象26例中, 副作用は中等度の暮麻疹1例, 臨床検査値の異常変動は白血1球数の減少1例, 好酸球の増多1例であった。
    以上のことから, AZMは小児科領域感染症の治療に有用な抗生物質であると考えられた。
  • 古川 正強, 岡田 隆滋
    1996 年 49 巻 11 号 p. 1013-1023
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質Azithromycin (AZM) 細粒剤を小児科領域の各種感染症に使用し,臨床的検討を行った。
    扁桃炎6例, 気管支炎5例, 肺炎5例, 伝染性膿痂疹3例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群1例, 腸炎1例の計21例に対する臨床効果は著効11例, 有効8例, 判定不能2例であった。
    細菌学的効果は, 起炎菌と考えられるStaphylococcusaureus 2株, Streptococcuspneumoniae 4株, Moraxella (Branhamella) catarrhalis 4株, Haemophilus influenzae 6株, Haemophilus parainfluenzae 3株, Mycoplasma pneumoniae 1株のすべてが除菌された。
    副作用は1例に軽度の下痢が出現し, 臨床検査値の異常変動は2例に好酸球の増多が認められた。
  • 岡田 泰助, 町田 裕美子, 藤枝 幹也, 島崎 洋成, 倉繁 隆信
    1996 年 49 巻 11 号 p. 1024-1029
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    経口用マクロライド系抗生物質である Azithromycin (AzM)による小児科領域の気道感染症の治療および体内動態に関する検討を試み, 以下の結果を得た。
    1歳から10歳までの小児15例に対してAZMを1日1回8.9~14.7mg/kg, 3~4日間投与した。そのうち3例についてAZM投与後の体内動態を検討したところ, 最終投与の72時間後において0.037μg/mlの血漿中濃度と, 72~96時間後において10.9μg/mlの尿中濃度が検出された。効果判定が可能であった14例の臨床効果は肺炎7例全例著効, 急性気管支炎3例, マイコプラズマ肺炎2例, 扁桃炎1例では全例有効, マイコプラズマ気管支炎1例ではやや有効であった。全体の有効率は92.9% (13/14)であった。副作用は1例に中等度の下痢が認められたが, 臨床検査値の異常変動は認あられなかった。
    以上のことから, AZMは小児科領域の気道感染症の治療に有用な抗生物質であると考えられる。
  • 石田 也寸志, 貴田 嘉一, 松田 博
    1996 年 49 巻 11 号 p. 1030-1038
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児科領域におけるAzithromycin (AZM) の血漿中濃度, 尿中排泄ならびに有効性と安全性を検討し, 以下の結果が得られた。
    1. マイコプラズマ肺炎の1例にAZM細粒剤9.7mg/kgを1日1回3日間投与し, 血漿中濃度および尿中濃度を測定した。血漿中濃度は投与開始12時間後で0.149μg/ml, 最終投与24時間後でも0.095μg/mlが検出された。累積尿中排泄率は最終投与72時間後までで, 6.39%であった。
    2. 咽頭炎2例, 気管支炎4例, 肺炎7例, マイコプラズマ肺炎6例の計19例に対する臨床効果は著効11例, 有効7例, 無効1例であり, 94.7%の有効率であった。
    3. 細菌学的効果は, 消長が確認できたStreptococcus pyogenes 1株およびStreptococcus pneumoniae 1株は消失であった。
    4. Staphylococcus aureus, S.pneumoniae, Mycoplasma pneumoniaeに対するAZMのMICはそれぞれ0.39μg/ml, 0.20μg/ml, ≤0.0008μg/mlであった。
    5. 副作用は19例中1例 (5.3%) に下痢が認あられたが, 軽度であり止痢剤の投与により消失した。臨床検査値の異常変動は好酸球増多が18例中1例 (5.6%) に認あられた。しかし, 軽度であり追跡調査において正常に復した。
    以上の結果から, AZMは小児感染症の治療に有用な薬剤であると考えられた。
  • 大塚 祐一, 原田 豊, 辻 芳郎, 上原 豊, 木戸 利彦, 小林 伸雄, 林 克敏
    1996 年 49 巻 11 号 p. 1039-1048
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系経口抗生物質 Azithromycin (AZM) について基礎的, 臨床的検討を行った。
    1.体内動態
    咽頭炎の症例4例にAZM 10%細粒を1回10mg/kg, 1日1回3日間投与し, AZMの血漿中及び尿中濃度を検討した。血漿中からは投与開始96時間後 (最終投与48時間後)においても0,02~0.04μg/ml, 尿中からは投与開始120時間後 (最終投与72時間後) においても3.2~7.7μg/mlのAZMが検出された。
    また, これらの症例のうち, 基礎疾患に気管支喘息を有し, Theophyllineを投与されていた2例において, 投与開始48~96時間後ではAZMはTheophylline の血中濃度に影響を与えなかった。
    2.臨床成績
    呼吸器感染症を中心とする小児の細菌感染症25例に対して, AZM 10%細粒を10mg/kgまたは20mg/kg, あるいはAZM 100mg カプセルを10mg/kg, 1日1回3~6日間投与した。臨床効果は著効6例, 有効13例, 判定不能6例であった。副作用は特に認あられなかったが, 白血球数の軽度減少が2例に認められた。
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