The Japanese Journal of Antibiotics
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50 巻, 12 号
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  • 戸塚 恭一, DENIS BEAUCHAMP, 吉山 友二
    1997 年 50 巻 12 号 p. 897-906
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 日暮 芳己, 奥住 捷子, 米山 彰子, 中原 一彦
    1997 年 50 巻 12 号 p. 907-916
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    本院で分離・同定された各種細菌に対するcefozopran (CZOP) の抗菌力をceftazidime (CAZ), cefpirome (CPR), cefepime (CFPM), cefotaxime (CTX), sulbactam/cefbperazone (S/C), imipenem (IPM), oxacillin (MPIPC), flomoxef (FMOX) のMIC値と比較検討した。CZOPの抗菌力はいずれの菌種に対してもCPRとほぼ同等であったが, Pseudomonas aeruginosaに対してはCPRより優れていた。P. aeruginosaに対するCZOPの抗菌力 (MIC80値) はIPM 2μg/mlより弱くCAZと同様8μg/mlでFMOX≥128μg/ml,CTX≥128μg/ml,S/C≥128μg/ml, CPR 32μg/ml,CFPM 16μg/mlより優れていた。Serratia marcescensに対しては最も強い抗菌力を示し1μg/mlで45株すべての発育を阻止した。Citrobacter freundiiに対する抗菌力はCFPM 0.25μg/mlがCZOP 1μg/mlに比べ強かったが, その他の菌種では同等ないし, CZOPが優れていた。MRSAに対するCZOPの抗菌力 (MIC80値) は, IPMと同様32μg/mlで他のセフェム系薬CTX≥128μg/ml, CAZ≥128μg/ml, CFPM≥128μg/ml, S/C≥128μg/ml, CPR 64μg/mlと同様高いMIC値を示した。MRSAに対するCZOP/vancomycin (VCM) およびCZOP/arbekacin (ABK) の併用効果と,CZOP≥16μg/ml (以下CZOP耐性) を示したP.aeruginosaに対するCZOP/amikacin (AMK) およびCZOP/gentamicin (GM) の併用効果をchecker board法により測定しFractional Inhibitory Concentration index (FIC index) を比較検討した。MRSAについては, CZOP/VCMでの不関1株を除き, 併用時の1株が相乗効果, その他の37株は相加効果を示した。CZOP/ABKでは1株が相乗効果, その他の22株は相加効果を示した。腎機能低下患者における副作用の軽減や投薬量の減量, 抗菌薬移行の不良な部位におけるMRSA感染症の治療法として有用である可能性が示唆された。またCZOP耐性P.aeruginosaに対する併用効果ではCZOP/AMKで相乗効果2株,その他の9株で相加効果を示した。CZOP/GMでは5株が相乗効果をしあした。これらの併用療法は腎障害の副作用に注意が必要であるが,MRSAおよびP. aeruginosaに対するより有効な化学療法が期待できると考えられる。
  • 佐藤 吉壮, 砂川 慶介, 秋田 博伸, 岩田 敏, 横田 隆夫, 楠本 裕
    1997 年 50 巻 12 号 p. 917-935
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は, 注射用セフェム系抗生物質cefozopran (SCE-2787, CZOP) の低出生体重児・新生児に対する基礎的・臨床的検討を行った。
    (1) 血中濃度
    20mg/kg静注時, 日齢1~3の成熟児は投与後30分の血中濃度が69.7μg/ml, 半減期が2.99時間, 日齢4~7の成熟児は投与後30分の血中濃度が38.7μg/ml, 半減期が2.85時間, 日齢8以降の成熟児は投与後30分の血中濃度が40.8μg/ml, 半減期が3.81時間, 日齢4~7の低出生体重児は投与後30分の血中濃度が48.6μg/ml, 半減期が3.77時間であった。
    日齢8以上の成熟児で10, 20, 50mg/kg静注時の投与後30分の血中濃度は,それぞれ21.1, 40.8, 153.6μg/ml (60分値) で, 半減期はそれぞれ2.24, 3.81, 3.07時間であった。
    30分点滴静注では, 20, 40mg/kg投与で点滴終了時の血中濃度はそれぞれ48.0, 103.2μg/mlで, 半減期はそれぞれ2.60, 3.33時間であった。
    (2) 尿中排泄
    累積排泄率は, 10, 20, 40mg/kg静注時で28.4~58.6%, 40mg/kg30分点滴静注時で49,0%であった。
    (3) 髄液移行
    無菌性髄膜炎例の髄液移行は, 投与後1時間値が4.1~155μg/mlであった。
    (4) 臨床成績
    敗血症3例中2例, 敗血症疑い10例中全例が有効以上, 肺炎9例, 尿路感染症3例, 子宮内感染症3例全例が著効であった。感染予防12例は全例予防投与として有効であった。
    菌の消長が確認できた10株中7株が消失した。
    本剤投与に伴う副作用は認あられず,臨床検査値異常変動は,γ-GTP上昇, GPT上昇等8例 (16.7%) に14件認められたが,重篤なものはなかった。
    以上の成績より, CZOPは低出生体重児・新生児感染症及び感染予防に対して, 有用性のある薬剤であると考えられる。
  • 阿部 敏明, 杉浦 正俊, 中里 豊, 柱 新太郎, 吉村 公一, 近藤 康夫, 川生 泰子, 田島 剛, 長井 志津佳, 舟本 規昭, 杉 ...
    1997 年 50 巻 12 号 p. 936-944
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児感染症例9例にCefozopran (CZOP) を1回20mg/kg, 1日2~3回, 5~6日間投与し, 体内動態及び有効性・安全性について検討し, 以下の成績を得た。
    1. 血中濃度CZOP 20mg/kgを30分間点滴静注した6例の最高血中濃度(Cmax) のは日齢0の症例で38.4μg/ml, 日齢1の症例で37.7と54.3μg/ml, 日齢3の症例で51.3と64.1μg/ml, 日齢5の症例で51.0μg/mlと, 日齢0の症例が特に低かった。半減期 (T1/2)は, 日齢0の症例で9.2時間, 日齢1の症例で4.9と3.7時間, 日齢3の症例で3.1と2.4時間, 日齢5の症例で2.9時間と日齢が小さいほど延長が見られた。
    2. 尿中排泄
    CZOP 20mg/kgを30分間点滴静注した6例中尿を回収できた5例の累積尿中排泄率は, 日齢0の症例では投与後6時間までで19.8%と低いのに対し, 日齢1の症例では, 46.3と57.0%に上昇した。さらに, 日齢3の症例では, 投与後4時間までの回収率で47.3%, 日齢5の症例では投与後6時間までで70.6%と日齢とともに増加した。
    3. 臨床成績
    有効性評価採用例7例の内訳は, 敗血症疑い3例, 肺炎2例, 子宮内感染症1例, 尿路感染症1例であった。臨床効果は全例著効で, 副作用・臨床検査値異常は9例中1例も認められなかった。
    以上の成績から, CZOPは新生児期感染症に有効でかっ安全性の高い薬剤であると考えられた。また, その用法・用量は体内動態を考慮し, 日齢0においては, 1回20mg/kgを1日1~2回の投与で十分であると考えられた。また, 日齢1~日齢7は1日2~3回, 日齢8以降は1日3~4回の投与がよいと考えられた。
  • 目黒 英典, 寺嶋 周, 竹内 豊, 寒竹 正人
    1997 年 50 巻 12 号 p. 945-952
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児におけるCefozopran (CZOP) の有効性・安全性及び体内動態を検討し, 以下の結果を得た.
    1. CZOP投与症例12例中, 臨床効果を判定し得た10例 (肺炎5例, 尿路感染症3例など) で有効率と除菌率は各々100%であった.
    2. CZOP投与中に自他覚的副作用は認められなかった. 臨床検査値異常は軽度の直接ビリルビン上昇が1例に認められたが, 投薬終了後には正常値に回復した.
    3. 12例中3例で体内動態も検討し得た. 投与量に比例したCZOP血中濃度が得られ, 血中半減期 (T 1/2) は各々8.92, 2.90, 2.76時間で日齢0の患児においてT 1/2の遅延がみられた. 尿中排泄率を検討し得たのは日齢18の1例のみで, 投与後8時間までで68.6%であった.
    以上より, CZOPは新生児期感染症に対しても安全で, 有用性の高い薬剤であると考えられる.
  • 本廣 孝, 阪田 保隆, 長井 健祐, 森田 潤, 高岸 智也, 松尾 勇作, 橋本 武夫, 吉永 陽一郎, 林 眞夫, 豊田 温, 藤本 ...
    1997 年 50 巻 12 号 p. 953-966
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    成人領域の各種感染症を効能として取得し, すでに上市されている注射用セフェム系抗菌薬であるCefozopran (SCE-2787, CZOP) を未熟児・新生児感染症例に投与し, 体内動態及び臨床効果について検討した。
    1. 体内動態CZOPの10.0mg/kg, 21.4mg/kg及び40.0mg/kgを静注し, 血中濃度及び尿中排泄を検討した。10.0mg/kg及び40.0mg/kg投与の投与後30分における血中濃度はそれぞれ31.7, 65.5μg/ml, 半減期はそれぞれ1.78, 2.31時間であり, 投与後6時間までの尿中回収率はそれぞれ110.7, 53,7%であった。21.4mg/kg投与の投与後1時間における血中濃度は36.6μg/ml, 半減期は3.97時間, 投与後5時間までの尿中回収率は29.6%であった。
    2. 臨床成績
    臨床効果は効果判定可能な19例に対して, 13例が有効以上で有効率は68.4%であった。細菌学的効果は起炎菌あるいは起炎菌と推定される細菌が10例からグラム陽性球菌のS. aureus 6株,S. pneumoniae 1株, E. faecalis 1株, グラム陰性桿菌のH. influenzae 2株, E. coli 2株の12株分離され, 投与後の検査が実施されなかったS. aureus, H. influenzaeの各1株を除く10株すべてが消失した。
    3. 副作用及び臨床検査異常
    安全性の評価対象となった24例で副作用が認あられた症例はなかった。臨床検査値異常は好中球増多が3例, GOT上昇が1例, GPT上昇が1例にみられた。
    以上の成績よりCZOPは未熟児・新生児に対して有用な薬剤と考えられた。
  • 辻 芳郎, 福田 雅文, 冨増 邦夫, 吉永 宗義, 高柳 俊光, 中下 誠郎, 楠本 隆, 田中 博弥, 林 克敏
    1997 年 50 巻 12 号 p. 967-974
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用セフェム系抗生物質cefozopran (SCE-2787, CZOP) について, 新生児における基礎的, 臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1. 臨床成績
    CZOPの効果判定を子宮内感染症1例, 敗血症疑い1例の計2例で行い, いずれの症例も著効であった。
    臨床的に特記すべき重篤な副作用, 臨床検査値の異常は認められなかった。
    2. 体内動態
    静注時における1時間後の血中濃度は25.0, 20.0, 18.75mg/kg投与でそれぞれ44.7±7.0 (n=3), 48.3, 48.2μg/mlであり, 半減期 (T1/2) は25.0mg/kg投与で4.22±1.17時間,20.0mg/kg投与で2.74時間であった。尿中には25.0, 20.0mg/kg投与で, それぞれ445±8.7, 31.3±9.7%が8時間後までに排泄された。
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