The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
51 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 猪狩 淳, 井上 松久, 西野 武志, 渡辺 直樹, 上原 信之, 吉田 浩, 今福 裕司, 柴野 正, 佐藤 誠子, 小林 功, 高橋 綾 ...
    1998 年 51 巻 2 号 p. 47-68
    発行日: 1998/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    臨床分離株のカルバペネム系抗菌薬耐性傾向を検討する目的で全国21施設の参加による研究グループを組織し, カルバペネム系抗菌薬を中心に抗菌力を検討した。1995年10月から12月までに各施設で分離された11菌種1282株について, 17種類の抗菌薬のMICを微量液体希釈法により測定した。
    その結果, カルバペネム系抗菌薬は,
    1. MSSAおよびStreptococcus pneumoniaeに対し強い抗菌力を示し, Enterococcus faecalisに対してもAmpicillinと同程度の抗菌力を示した。しかし, MRSAに対する抗菌力は弱かった。
    2. Haemophilusin fulenzaeに対しては, Onoxacinが最も強い抗菌力を示し, 次いでMeropenemの順であった。他のカルバペネム系抗菌薬は, FlomoxefおよびCefotiamとほぼ同程度の抗菌力を示した。
    3. Escherichia coli, Klebsiella pneurnoniae, Entembacter cloacaeおよびBactemides fragilis groupに対するカルバペネム系抗菌薬は強い抗菌力を示し, 他のβ-ラクタム系抗菌薬に比べ優れた抗菌力を示した。同様に, Serratia marcescensに対するカルバペネム系抗菌薬の抗菌力は, 他のβ-ラクタム系抗菌薬より強かったものの, 一部に耐性株が認められた。
    4. Pseudomonas aeruginosaに対するカルバペネム系抗菌薬の抗菌力は, Ceftazidime, Aztreonam, Amikacinとほぼ同程度であった。
  • その1.感受性について
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 横尾 彰文, 茂田 士郎, 高橋 年光, 白岩 康夫, 荻原 雅彦, 吉田 浩, 今福 裕司, 村 ...
    1998 年 51 巻 2 号 p. 69-111
    発行日: 1998/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1996年6月から翌年5月までの間に全国10施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離された菌の内訳は, グラム陽性菌が30.4%であり, その約38%がEnterococcus faecalis, 約17%がStaphylococcus aureusであった。グラム陰性菌は69.6%であり, その約48%がEscherichia coliであった。これらの菌に対する抗菌薬の効果をみるとStreptococcus agalactiaeに対してはMinocycline (MINO) を除き優れた抗菌力を示した。E. coliに対してもペニシリン系薬剤を除き全般的に抗菌力は強かったが, 95年度に比べるとセフェム系薬剤で若干低感受性株が多かった。またKlebsiella pneumoniaeに対してもペニシリン系薬剤を除き抗菌力は強かった。Staphylococcus epidermidisに対するセフェム系薬剤の抗菌力が95年度に低下したが, 96年度は回復しMIC90は4-16μg/mlであった。S.aureusに対してはMRSAも含みVancomycin (VCM) とArbekacin (ABK) は強い抗菌力を示したが, 他の薬剤の抗菌力は弱かった。Serratia marcescens及びPseudomonas aeruginosaに対しても全般的に抗菌力は弱かったが, キノロン系薬剤のP.aeruginosaに対する抗菌力が95年度に比べ強かった。Enterobacter cloacaeに対してはセフェム系で感受性株が95年度に比べ増加し, MIC50が4-8段階低下した。
  • その2. 患者背景
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 横尾 彰文, 茂田 士郎, 高橋 年光, 白岩 康夫, 荻原 雅彦, 吉田 浩, 今福 裕司, 村 ...
    1998 年 51 巻 2 号 p. 112-129
    発行日: 1998/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1996年6月から翌年5月までの間に全国10施設において尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの患者背景について性別・年齢別と感染症, 年齢別感染症別菌分離頻度, 感染症と菌種, 抗菌薬投与時期別の菌と感染症, 因子・手術の有無別の菌と感染症などにつき検討した。
    年齢と性及び感染症の関連についてみると, 男性の症例は40歳以降で年齢と共に増加し, 感染症については複雑性尿路感染症の割合が増加した。女性では加齢による症例の増加はなかったが, 複雑性尿路感染症の占ある割合が増加するのは男性と同様であった。女性について50歳以上が占める割合を経年的にみると, 60歳以上の各年齢層でやや増加傾向がみられた。年齢別・感染症別の菌分布は単純性及びカテーテル非留置複雑性尿路感染症で似ており, Escherichia coliEnterococcus faecalisの分離頻度が高かった。カテーテル留置複雑性尿路感染症では20~49歳の症例ではE. coliが最も多く分離されたが, 50歳以上ではPseudomonas aeruginosaの分離頻度が最も高かった。またKlebsiella spp.の分離頻度は感染症に関係なく年齢と共に増加する傾向にあった。感染症と菌分布及び抗菌薬投与前後の感染症別菌分布をみると, P.aeruginosaは感染症が複雑になるに従い, また抗菌薬投与後の症例で分離頻度が高く, 逆にE. coliは感染症が単純な方で, また抗菌薬投与前の症例で分離頻度が高かった。分離菌を因子・手術の有無別, 感染症別にみると, 単純性及びカテーテル非留置複雑性尿路感染症ではE. faecolisは無で多く分離され, E. faecalisは有で多く分離された。カテーテル留置複雑性尿路感染症ではE. coli及び他の感染症に比べ分離頻度の高いP.aeruginosaは有で多く分離され, Enterobacter spp.は無で多く分離された。
  • 駒形 安子, 小宮山 寛機, 野村 俊治
    1998 年 51 巻 2 号 p. 130-136
    発行日: 1998/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    クリンダマイシン (CLDM) のP. acnesに対する抗菌作用をナジフロキサシン (NDFX) を対照薬として, in vitroで検討した。又, 熱傷による易感染化マウスにP. acnesを接種した皮下感染症モデルを用いてリン酸クリンダマイシン1% gel (CLDM-P1%gel) の外用塗布剤の効果を検討し, 以下の成績を得た。
    (1) CLDMの最小発育阻止濃度 (MIC) は寒天平板希釈法で0.02μg/mlであり, NDFX (0.3μg/ml) よりも優れた抗菌力を示した。
    (2) CLDMのMIC, 2MIC及び4MIC濃度では静菌作用を示し, 5MIC濃度では殺菌作用を示した。NDFXは1/2MIC濃度では静菌作用を示し, MIC, 2MIC, 4MIC及び5MIC濃度では殺菌作用を示した。
    (3) 試験管内でのP.acnesの耐性獲得は25代継代培養でCLDM及びNDFXとも耐性濃度は5倍に上昇した。従って, 両薬剤に対する耐性獲得は同程度であった。(4) マウス皮下感染症モデルに対するCLDM-P 1%gelの治療効果を調べたところ, 有意な感染菌数の減少が認められ, 減少の程度はNDFXクリーム (アクアチム (R) クリーム) より小さいもののヒトでの効果が期待される。
  • 1998 年 51 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 1998/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top