臨床分離したグラム陰性桿菌 (腸内細菌科271株, およびnon fermentative Gram-negativebacteria; NFB242株) についてMEPM, IPM, PAPM, CAZ, CZOP, AZT, NFLX, TCのMICを測定した。カルバペネム系抗菌薬は腸内細菌科およびNFBに対してCAZ, CZOP, AZT, NFLX, TCより優れた抗菌力を示した。
カルバペネム系抗菌薬のMIC90はMEPMが最も優れており, IPMおよびPAPMに比べて約2管良好であった。IPMはPAPMに比べて菌種によりやや優れているかもしくは同等であった。メタロβ-ラクタマーゼ産生を疑うIPM耐性 (>16μg/ml) は腸内細菌科で3株 (1.1%), NFBでは14株 (5.8%) で認められた。
MEPM, IPM, PAPMのMIC相関は, 腸内細菌科では各薬剤間でそれぞれ3菌種3株に, NFBではMEPMとIPMで14株, MEPMとPAPMで15株, IPMとPAPMで29株に交差耐性を認め, これらは全て
Pseudomonas aeruginosaであった。IPMに耐性の
P. aeruginosa29株中15株はMEPMに感性を示し, PAPMに耐性の
P. aeruglnosa 92株中77株はMEPMに感性を示した。CAZ (≥32μg/ml) およびAZT (≥32μg/ml) 耐性菌は腸内細菌科で33株 (12%) が検出され, ESBL産生株であることが示唆された。
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