The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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52 巻, 12 号
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  • 甲田 雅一, 本間 請子, 宇田川 郁子, 田村 恵子, 福原 淳子, 竹内 美香
    1999 年 52 巻 12 号 p. 681-689
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々はMethicillin-resistant Staphylococcus aureusに対するarbekacin, vancomycin (VCM), teicoplanin (TEIC) の各種ディスク法による感受性試験結果とMIC測定結果について比較検討した。
    その結果, 1濃度ディスクによる感受性試験結果は信頼できるとの結果が得られたが, 3濃度ディスクであるトリディスクによるグリコペプチド系抗菌薬であるVCMとTEIC, そのうちでも特にTEICの感受性試験結果は信頼性に欠けることが明らかになった。
    グリコペプチド系抗菌薬, 特にTEICの感受性試験には, トリディスク法は不適切であると考える。
  • 渡辺 彰, 徳江 豊, 高橋 洋, 菊池 暢, 小林 隆夫, 五味 和紀, 藤村 茂, 安井 聡子, 貫和 敏博, 庄司 聡, 本田 芳宏
    1999 年 52 巻 12 号 p. 690-694
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    カルバペネム系抗菌薬biapenem (BIPM) について, 呼吸器由来材料から分離された9菌種の計280株に対する抗菌力をimipenem (IPM), panipenem (PAPM), meropenem (MEPM), ceftazidime (CAZ) 及びpiperacillin (PIPC) と比較検討した。
    呼吸器感染症の主要病原細菌であるmethicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Streptococcus pneumoniae, Moraxella catarrhalis, Pseudomonas aeruginosa, Haemophilus influenzaeに対するBIPMのMIC90はそれぞれ0.12, 32, 0.25, 0.06, 4, 8μg/mlであり, 対照薬との比較では, P. aeruginosaに対してはMEPMに匹敵する抗菌力を示したが, H. influenzaeに対しては比較的弱く, その他の病原細菌に対しては同様の抗菌力を示した。また, 呼吸器由来の腸内細菌Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescensに対する本剤のMIC90はそれぞれ0.06, 1, 1, 0.5μg/mlであり, 対照薬と同様かやや強い抗菌力を示した。
    グラム陽性菌, 及びP. aeruginosaを含むグラム陰性菌に優れた抗菌力を示すBIPMは, 呼吸器に器質的変化を有する下部呼吸器感染症の第一選択薬と考えられた.
  • 鈴木 由美子, 松本 好弘, 西成 千里, 遠藤 晴美, 石原 理加, 出口 浩一
    1999 年 52 巻 12 号 p. 695-720
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1997年に検出した臨床分離多数株を対象とし, Meropenem (MEPM) の抗菌活性を把握することを目的に, 対照薬剤を加えた最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して以下の結果を得た。
    1.グラム陽性菌に対するMEPMの抗菌活性はCephems (CEPs) には勝るものの, 総じて見るとPanipenem (PAPM), Imipenem (IPM) とは, ほぼ同等であった。
    2.Enterobacteriaceae, Glucose non-fermentative Gram-negative rods ((G) NF-GNR) 及びBacteroides fragilis groupのいわゆる第三世代CEPsを含む多剤耐性株に対するCarbapenemsの強い抗菌活性が認められたが, 中でもこれらの菌種に対するMEPMの抗菌活性はIPM及びPAPMに勝っていた。グラム陰性菌に対するMEPMの抗菌活性は, 1993年臨床分離株での結果と比較して, 耐性が進行した形跡は認められなかった。
    3.MEPMは, Pseudomonas aeruginosaに対しては, IPMとPAPM耐性株においても低いMIC-rangeを示した。これら耐性株は, Carbapenemsや塩基性アミノ酸の主な外膜透過孔であるOprD (D2ポーリン) の欠損株である可能性が考えられた
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