Cefetamet pivoxil (CEMT-PI) の市中気道系感染症に対する臨床的, 細菌学的効果を1994年, 1996年の2回の検討とほぼ同様に実施して, 以下の結果を得た。
1.臨床的検討は1998年1月1日~3月31日に東京都, 神奈川県, 埼玉県, 千葉県, 山梨県内の53施設において, 同一プロトコールでCEMT-PIが投与された512例を対象になされた。除外症例を除いた臨床効果解析対象症例387例の内訳は, 99.7%が外来患者で診断名は咽喉頭炎51.4%と半数を占め, 以下扁桃炎37.7%, 急性気管支炎10.1%等であった。
2.細菌学的検討は, あらかじめ検体採取と管理, 輸送方法を詳細に記載した印刷物を各施設に配布し, 推定起炎菌の分離・同定, 最小発育阻止濃度 (MIC) の測定及びβ-ラクタマーゼ産生のチェックは東京総合臨床検査センター研究部にて一括して実施した。臨床効果解析対象となった387例中144症例 (372%) から推定起炎菌が検出され, 主な菌種は
Streptococcus pyogenes32株,
Haemophilus influenzae19株であった。推定起炎菌別臨床効果 (著明改善+改善。以下改善率と略す。) はCEMT適応菌種 (79症例) 84.8%, CEMT適応外菌種 (46症例) 80.4%であった。
3.疾患別臨床効果 (改善率) は咽喉頭炎78.4%, 扁桃炎87.0%, 急性気管支炎79.5%の臨床効果が得られた。また, CEMT-PIの適応疾患全体の臨床効果は, 81.9%であった。
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