The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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53 巻, 11 号
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  • 本田 義輝, 中野 眞汎
    2000 年 53 巻 11 号 p. 631-636
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    臨床で汎用されている7種類の小児用抗生物質製剤 [セフェム系製剤; 5種類, cefhclor (CCL), cefpodoxime proxetil (CPDX-PR), cefdinir (CFDN), cefditoren pivoxil (CDTR-PI), 及びcefcapene pivoxil (CFPN-PI), マクロライド系; 1種類, clarithromycin (CAM), ペネム系; 1種類, faropenemsodium (FRPM)] について, 製剤並びに薬物の水溶解性の観点から評価を試みた。各製剤0.5gに水10mlを添加した条件下において, 水溶解性は製剤問及び薬物間で大きな差が認められた。製剤自体の溶解性は, 約40%しか溶解しないもの (CFPN-PI) から, 100%溶解するもの (FRPM) まで, また, 成分薬物 (抗生物質) については, 水への溶解が全く期待出来ないもの (CAM) から100%溶解するもの (FRPM, CCL) まであった。また, 80-90%の溶解性が得られた製剤 (CPDX-PR, CFDN, CDTR-PI) においても, 水不溶物の約半分が薬物であることが判明した。今回の結果から, 市販されている小児用抗生物質製剤は, 水溶解性の観点から, 溶解・懸濁用の製剤 (FRPM, CCL), 懸濁可能な製剤 (CPDX-PR, CFDN, CDTR-PI) 及び懸濁に適さない小児用細粒製剤 (CFPN-PI, CAM) の3群に大別できること, 更に, 剤形を示す名称を統一化する必要性が示唆された。
  • 千村 哲朗, 平山 寿雄, 森崎 伸之, 村山 一彦, 佐藤 文彦, 赤塚 和彦, 沼崎 政良, 五十嵐 裕一
    2000 年 53 巻 11 号 p. 637-641
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域における各種感染症および術後感染予防を対象として, 山形県内8施設においてl00例に対しCefbselis (CFSL) の臨床効果を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 術後感染予防群 (n=70) に本剤2g/日の5日間投与の臨床効果は, 68/69 (98.6%) に有効であった (1例の投与中止を除く) 。
    2. 感染症群 (n=30) に本剤2-4g/日の5-7日間投与の臨床効果は, 著効8/30 (26.7%), 有効21/30 (70%), 無効1/30 (3.3%) で, 有効率は29/30 (96.7%) であった。分離菌別臨床効果では, 29株が検出され有効率は29/29であった。分離菌別細菌学的効果は23/29 (79.3%) の菌消失率を示した。
    3. 臨床検査値異常では, 肝機能障害 (n=1) が, 自他覚的副作用で発疹 (n=2) が認められた。
    以上の結果からCefbselisの産婦人科領域での感染症および術後感染予防に対する有用性が示唆された。
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