周産期感染症および術後感染予防に対し, cefpirome (CPR) の有効性と安全性を検討し, 以下の成績を得た。
1. 周産期感染症では, 絨毛羊膜炎 (n=47), 産褥子宮内感染 (n=10), 感染流産 (n=1), その他 (n=4) の計62例を対象とし, CPR 2g/日の点滴静注による有効率は61/62 (98.4%) であった。細菌学的検討では, 菌消失率57/61 (93.4%) であった。不変はグラム陽性菌3株,
Bacteroides spp. 1株が残存した。
2. 周産期の術後感染予防 (帝王切開術n=74, その他の手術n=14) の計88例を対象とし, CPR 2g/日の点滴静注による有効率は87/88 (98.9%) であった。
3. 本剤投与による自他覚的副作用では, 1/150 (0.7%) に薬疹が認められた。臨床検査値異常は全例に認められなかった。
以上の成績からCPRの周産期領域での感染症, および術後感染予防に対する有用性が示唆された。
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