The Japanese Journal of Antibiotics
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54 巻, 4 号
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  • 鈴木 由美子, 西成 千里, 遠藤 晴美, 田村 智英子
    2001 年 54 巻 4 号 p. 145-170
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1999年に全国の医療機関より収集したグラム陽性菌14菌種310株, グラム陰性菌21菌種590株, 嫌気性菌10菌種120株を対象とし, Meropenem (MEPM) の抗菌活性を対照薬剤を含めて測定するとともに, これまでに調査した1993年及び1997年臨床分離株での成績と比較してMEPMの抗菌活性の動向について検討し以下の結果を得た。
    1. MEPMは, MRSA, E. faecium, E. avium, メチシリン耐性のS. epidermidis (MRSE) を除くほとんどの臨床分離株に対して優れた抗菌活性を示した。
    2. 近年メタロβ-ラクタマゼの産生により高度耐性が問題となっているS. marcescensP. aeruginosaを含むグラム陰性菌, 嫌気性菌全般に対しては, MEPMはIPM, PAPMに比較して顕著に優れた抗菌活性を示した。
    3. MEPMは, 上市後5年を経過した時点においても顕著な耐性化を認めず, 開発時に確認された広域かつ強力な抗菌活性を維持していた。
  • 千村 哲朗, 小田 隆晴, 森崎 伸之, 平山 寿雄, 村山 一彦, 沼崎 政良, 小川 哲司
    2001 年 54 巻 4 号 p. 171-177
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    周産期感染症および術後感染予防に対し, cefpirome (CPR) の有効性と安全性を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 周産期感染症では, 絨毛羊膜炎 (n=47), 産褥子宮内感染 (n=10), 感染流産 (n=1), その他 (n=4) の計62例を対象とし, CPR 2g/日の点滴静注による有効率は61/62 (98.4%) であった。細菌学的検討では, 菌消失率57/61 (93.4%) であった。不変はグラム陽性菌3株, Bacteroides spp. 1株が残存した。
    2. 周産期の術後感染予防 (帝王切開術n=74, その他の手術n=14) の計88例を対象とし, CPR 2g/日の点滴静注による有効率は87/88 (98.9%) であった。
    3. 本剤投与による自他覚的副作用では, 1/150 (0.7%) に薬疹が認められた。臨床検査値異常は全例に認められなかった。
    以上の成績からCPRの周産期領域での感染症, および術後感染予防に対する有用性が示唆された。
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