The Japanese Journal of Antibiotics
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55 巻, 3 号
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  • ガチフロキサシンを中心として
    河野 茂, 渡辺 彰, 松島 敏春
    2002 年 55 巻 3 号 p. 247-258
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • in vitro及びin vivoでの基礎的検討
    長沢 峰子, 中村 昌三, 宮崎 美代乃, 能島 康幸, 早川 大善, 河村 泰仁
    2002 年 55 巻 3 号 p. 259-269
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規な注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin mesilate (PZFX mesilate) の光毒性について, 既存の同系薬物を対照としてin vitro及びin vivoでの基礎的検討を行った。In vitroの検討では, PZFX mesilateの活性本体であるPZFXの培養細胞を用いた光細胞毒性試験の実施及び長波長紫外線 (UVA) に対する安定性を調べた。In vivoの検討では, モルモット及びラットを用いた光毒性試験並びにモルモットを用いた光アレルギー性試験を行った。
    培養細胞を用いた光細胞毒性試験では, 10μg/mLのPZFX, ofloxacin (OFLX), lomefloxacin (LFLX) 及びsparfloxacin (SPFX) の存在下でCHL/IU細胞に300-3000mJ/cm2のUVAを照射した。その結果, 細胞毒性の強さはSPFX>LFLX>OFLX>PZFXの川頁であり, PZFXの光細胞毒性は弱かった。また, 各溶液に300-3000mJ/cm2のUVAを照射して紫外吸収スペクトルの変化及び未変化体残存率を調べたところ, PZFXはUVAに対して比較的安定であった。
    モルモットを用いた腹腔内投与による光毒性試験では, PZFX mesilateの65,130mg/kg (PZFX換算50, 100mg/kg), nalidixic acid (NA) の50,100mg/kg, OFLX, enoxacin (ENX), ciprofloxacin (CPFX), LFLX及びSPFXのそれぞれ100mg/kgを1日1回7日間反復投与し, 最終投与後30分にUVAを約11J/cm2照射した。その結果, 照射後24時間における皮膚反応 (紅斑) の強さはSPFX>CPFX>NA>ENX=OFLX>LFLX>PZFXmesilateの順であり, PZFX mesilateは最も光毒性が弱かった。UVA照射時に相当する投与後0.5-2.5時間における最高血漿中薬物濃度を比べると, PZFX mesilate群はCPFX群の約4.1倍, SPFX群の約1.3倍高く, 血中濃度時間曲線下面積 (AUC.5-2.5) ではSPFX群と同じであり, CPFX群と比べると約3.2倍大きかった。したがって, 全身曝露量を考慮してもPZFX mesilateの光毒性はCPFX及びSPFXより弱かった。ラットを用いた静脈内投与による光毒性試験では, PZFX mesilateの130mg/kgで光毒性はみられなかった。また, モルモットを用いた光アレルギ性試験で, PZFX mesilateに光アレルギ性はみられなかった。
    以上, in vitro試験においてPZFX mesilateの活性本体PZFXはUVA照射に対して比較的安定であり, 光細胞毒性はSPFX, LFLX及びOFLXより弱かった。また, in vivo試験においてPZFX mesilateの光毒性はNA, OFLX, ENX, CPFX, LFLX及びSPFXより弱く, 光アレルギ性はみられなかった。これらのことより, PZFX mesilateは光線過敏症を発現しにくい薬物であると考えられた。
  • マウスへの静脈内投与及び脳室内投与による痙攣誘発作用
    福田 均, 河村 泰仁
    2002 年 55 巻 3 号 p. 270-280
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用ニューキノロン系抗菌薬pazunoxacin mesilate (PZFX mesilate) と非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID) の併用による痙攣誘発についてマウスを用いて検討し, 以下の成績を得た。
    1. 4-Biphenylacetic acid (BPAA, 100mg/kg, 経口投与) との併用において, PZFX mesilateは200mg/kgまでの静脈内投与で痙攣を誘発しなかった。Enoxacin (ENX) は3.13mg/kg以上, norfloxacin (NFLX) 及びlomefloxacin (LFLX) は625mg/kg以上, ciprofloxacin (CPFX) は50mg/kg以上, sparfloxacin (SPFX) 及びtemafloxacin (TMFX) は100mg/kg以上, neroxacin (FLRX) は200mg/kgの静脈内投与で痙攣を誘発した。
    2. 14種のNSAID (経口投与) との併用において, PZFX mesilateは50mg/kgの静脈内投与で痙攣を誘発しなかった。200mg/kgではaspirin600mg/kgとの併用で5例中1例に間代性痙攣を誘発したが, その他13種のNSAIDとの併用では痙攣を誘発しなかった。
    3. PZFX mesilateの脳室内単独投与による痙攣発現用量 (100μg/body) は, 他のニューキノロン系抗菌薬 (NFLX, CPFX, ENX, LFLX, TMFX, levonoxacin, onoxacin, FLRX及びSPFX) より高く, β-ラクタム薬 (penicillin G, cefazolin, imipenem/cilastatin, panipenem/betamipron) と比較しても高かった。また, BPAA (1μg/body, 脳室内投与) との併用によりPZFX mesilateの痙攣発現用量は低下しなかった。
    以上より, PZFX mesilateは痙攣誘発作用の弱いニューキノロン系抗菌薬であると考えられた。
  • ラピッドルミ‘栄研’®の使用経験を含めて
    小原 忠博, 上岡 恵美, 小勝負 恭子, 重河 京子, 有田 健一
    2002 年 55 巻 3 号 p. 281-290
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    臨床分離株198株 [Enterobactedaceae (70株), Pseudomonas aeruginosa (20株), Acintobacter baumannii (10株), staphylococci (50株), enterococci (20株), Streptococcus pneumoniae (15株), Haemophilus influenzae (13株)] を用いて, 化学発光法を測定原理とする迅速薬剤感受性試験試薬ラピッドルミ‘栄研’® (RL法) と微量液体希釈法により得られたMICを比較した。更に両方法間の成績差を改善するための方法について検討した。
    RL法を用いた全てのMICは, 培養4時間で得られた。またRL法と微量液体希釈法とのMIC一致率 (±1管) は, 82%であった。very major error, major errorおよびカテゴリー一致率は, それぞれ0.9%, 2.3%そして89%であった。一方、両方法によるMICの比較で特に一致率が低かったProteus属 (59%) とA. baumannii (46%) のRL法による成績を改善するための変法RL法 [接種菌量 (106CFU/mL→105CFU/mL), メナジオン添加濃度 (5mg/L→25mg/L) および再設定MIC算出法] をEnterobacteriaceaeとA. baumanniiを用いて検討した。変法RL法を用いたProteus属とA. baumanniiのMIC一致率は, 82%と81%となり, Enterobacteriaceaeの他の菌種ではRL法とほぼ同じ一致率であった。この時の全試験例によるMIC一致率, very major error, major errorおよびカテゴリー一致率は, それぞれ87%, 1.4%, 1.5%, そして90%であった。
    化学発光法を用いた迅速薬剤感受性試験試薬ラピッドルミ‘栄研’®は, 多くの重要な臨床菌に対して4時間の培養で成績を得ることができた。その成績は, 一部の菌種を除いて微量液体希釈法による成績と高い相関が認められ, error発生率もアメリカFDAの基準を満足した。成績一致率で問題が認められた菌種に対しては, 接種菌量, メナジオン添加濃度, そしてMIC算出法を再設定することにより, 微量液体希釈法と高い成績一致率を得ることができる可能性が示された。ラピッドルミ‘栄研’®は, 成績を得るまでの迅速性, 微量液体希釈法との成績一致率そしてerrorの発生率を考慮するならば, 細菌感染症のための最も効果的な薬剤を選択するために有用な情報を提供出来ることが期待された。
  • 高橋 勇, 吉田 孝治, 東出 義弘, 澤田 拓士
    2002 年 55 巻 3 号 p. 291-301
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Mycoplasma gallisepticum (MG) のOfloxacin (OFLX) に対する耐性化の一端を明らかにする目的で, MG2株について比較対照薬のTylosin (TS), Spectinomycin (SPCM) とともに, 薬剤増量10代継代法による試験管内耐性獲得試験を実施した。その結果, 継代10代目の株の最大発育許容濃度 (Maximum Growth Allowance Concentration (MAC)) を原株のそれと比較すると, 次の通りであった。OFLXに対する本菌の耐性化は緩徐であり, 10代継代株のMACは, 原株に比べて2倍が1株, 16倍が1株であった。TSに対する本菌の耐性化もまた緩徐であり, 10代継代株のMACは2株とも原株に比べて8倍であった。SPCMに対する本菌の耐性化は供試した2株間の差が著しく, 1株のMACは原株に比べて512倍に達したのに対し, 1株は全く耐性化を示さなかった。
  • 古郷 功, 瀧井 昌英, 上田 誠, 石田 雅己
    2002 年 55 巻 3 号 p. 302-310
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    北九州医療センターで1996年1月より1999年12月までの4年間に臨床材料より分離されたHaemqphilus influenzae 575株について検討した。
    疫学的検討では, 年別の検出数は99株より172株で, 4年間で著明な増加傾向は認めなかった。月別に検出数をみると, 6月-7月に多く, 11月-2月の冬季に少ない傾向であった。年齢別では4歳以下の乳幼児で147株 (25.6%), 65歳以上の老齢者で139株 (24.2%) とStreptococcus pneumoniaeと同じ傾向を示した。また, 検体別では全体の91.8%が気道系より検出された。
    7薬剤に対する感受性動向では, β-lactamase (BL) 産生ampicillin (ABPC) 耐性株の検出件数は51株 (8.9%) であり, 年度毎の増加傾向はなかった。BL非産生ABPC耐性インフルエンザ菌 (BLNAR) は, ABPCのMIC1μg/ml以上, 且つcefaclorのMICが16μg/ml以上とすると67株 (11.6%) 存在した。両者を併せてABPC耐性菌は118株 (205%) 存在した。
    Meropenem, levonoxacinの抗菌活性が優れていた。
    髄膜炎症例はわずか4例であったが全例, 莢膜血清型はb型で, 治療によく反応し治癒した。しかし成人例1例は後遺症を残した。
  • 2002 年 55 巻 3 号 p. 311-318
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 55 巻 3 号 p. 319-344
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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