The Japanese Journal of Antibiotics
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55 巻, 5 号
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  • 緑膿菌感染症の治療はどうあるべきか
    斎藤 厚, 渡辺 彰, 草野 展周, 草地 信也
    2002 年 55 巻 5 号 p. 483-492
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 山田 陽子, 大隅 正子, 槇村 浩一, 山口 英世
    2002 年 55 巻 5 号 p. 493-499
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    The lipophilic yeast, genus Malassezia is a part of the normal cutaneous microflora of human and warm-blooded vertebrates. Species of the genera were re-classified to seven species; M. pachydermatis, M. globosa, M. furfur, M obtusa, M restricta, M. slooffiae and M. sympodialis. However, the means of species identification in conventional clinical laboratories have not been reported and the clinical significance of each species is not clearly understood. Species identifications of genus Malassezia which depend on the morphological, physiological characters are difficult and time-consuming. Recently, many molecular techniques have been developed for identification or typing of Malassezia. PCR-mediated methods, PCR-direct sequencing and nested-PCR using specific primers, are useful to identify the spices. The basic information obtained from these approaches have been contributing to the understanding of these pathogenic yeasts and related diseases.
  • 品川 長夫, 守殿 貞夫, 荒川 創一, 塚本 泰司, 林 祐太郎, 公文 裕巳, 松本 哲朗, 岩井 重富, 横山 隆, 竹山 廣光
    2002 年 55 巻 5 号 p. 500-513
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アンケート調査 (回答率: 72.4%) の結果, 術後感染予防についての泌尿器科医の認識は以下のようにまとめることができる。すなわち, 感染予防薬の選択基準は,(1) 手術時に汚染すると予想される細菌 (大腸菌, ブドウ球菌属, Klebsiella pneumoniae, Bacteroides fragilis group) に対して抗菌力を有する薬剤を選ぶ,(2) 汚染菌の発育阻止可能な濃度が目的部位で達成される薬剤を選ぶ,(3) 重篤な副作用が考えられる薬剤であってはならない,(4) 術後感染症の治療薬として新しい薬剤は残しておく, などであった。また, 術後感染が疑われる場合には, 早期治療として予防薬を中止し, 予防薬とは交叉耐性を持たない薬剤に変更する。感染予防として使用される薬剤は, 無菌手術ではcefazolin (CEZ) の頻度が最も高く, 次いでcefbtiam (CTM), piperacillin (PIPC)が, 準無菌手術ではCTM, PIPC, CEZの順で選ばれた。
  • 大久保 豊司, 伊豫部 志津子
    2002 年 55 巻 5 号 p. 514-523
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2001年分離臨床由来細菌, Escherichia coil, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Proteus spp., Serratia marcescensおよびP. aeruginosa各々50株について, アミノ配糖体抗生物質 (AG) の抗菌力を測定した。調べたAGは, Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Tobramycin (TOB), Amikacin (AMK), Netilmicin (NTL), Isepamicin (ISP) である。
    これらAG6剤は, 腸内細菌6菌種のうちS. marcescens以外の5菌種では良好な抗菌力を示し, いずれかのAGに対し耐性を示す株は8株 (3.2%) であった。
    S. marcescensでは多剤耐性株が16株 (32%) 検出され, 他の菌種とは異なり際立って高い耐性率を示した。これらのうち13株はAMKに対しては耐性であったがISPには感受性であった。P. aeruginosaでのAG耐性菌の検出率は6% (3株) であり, いずれも多剤耐性菌であった。そのうち1株は6剤すべてに耐性であり, 他の2株はAMKとISPに中等度感受性, またはGM, AMK, およびISPに感受性を示した。
    最高血中濃度 (peak concentration: Cmax) または曲線下面積 (area under the curve: AUC) を薬剤の体内動態 (pharmacokinetic: PK) パラメターとして, MIC90を薬効 (pharmacodynamic: PD) パラメターとして用いることでAG6剤の臨床効果を推定, 比較した。Cmax/MIC90およびAUC/MIC90の値を比較検討した結果, ISP 400mgの筋注と点滴静注が一般的な腸内細菌類に対して特に有効であると結論された。
  • 山崎 善隆, 久保 恵嗣, 平山 二郎, 原田 和郎, 平井 一也, 八木 ひかる, 森田 正重, 早坂 宗治, 本田 孝行, 柳沢 英二
    2002 年 55 巻 5 号 p. 524-536
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2000年1月から2001年2月の期間に信州大学第一内科およびその関連施設において分離された呼吸器由来のStreptococcus pneumoniae 108株, Hamophilus influenzae 144株について各種抗菌薬のMICを測定し以下の結果を得た。
    1. S. pneumoniae 108株中Penicillin susceptible S. pneumoniae (PSSP), Penicilli intermediate S. pneumoniae (PISP), Penicillin resistant S. pneumoniae (PRSP) はそれぞれ51株 (47.2%), 56株 (51.9%), 1株 (0.9%) であった。
    2. PISPおよびPRSPに対してはカルバペネム系の3薬剤が優れた抗菌活性を有していた。また, benzylpenicillin, ampicillin (ABPC), sulbactam/ampici (CTX) およびcefepime (CFPM) に対する高度耐性株 (MIC>2μg/ml) は認められなかった。
    3. H. influenzae 144株中β-ラクタマゼ産生ABPC耐性株は11株 (7.6%), β-ラクタマゼ非産生ABPC耐性株 (β-lactamase negative ampicillin resistant H. influenzae: 以下BLNAR) は6株 (4.2%) が認められ, これらの耐性株に対してはmeropenem, levofloxacおよびsulfamethoxazole/trimethoprimの抗菌活性が優れていた。
    4. β-ラクタマゼ産生株とBLNAR株を比較すると, BLNAR株ではβ-ラクタマゼ産生株に比し, 特にCTX, CFPM, SBT/ABPCおよびcefaclorに対する耐性度が高い傾向が認めらた。
    5. 長野県における呼吸器由来のS. pneumoniaeおよびH. influenzaeに関する薬剤感受性サーベイランスでは, 分離頻度および感受性に地域格差が認められたものの, 耐性株の分離頻度は全国調査の結果と比較して低いことが明らかになった。
  • 島田 馨, 猪狩 淳, 小栗 豊子, 池本 秀雄, 森 健, 中野 邦夫, 横内 弘, 寺井 継男, 井上 洋西, 中舘 俊英, 諏訪部 章 ...
    2002 年 55 巻 5 号 p. 537-567
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2000年10月~2001年9月の間に全国16施設において, 下気道感染症患者410例から採取された検体を対象とし, 分離菌の各種抗菌薬に対する感受性および患者背景などを検討した。これらの検体 (主として喀痰) から分離され, 原因菌と推定された細菌499株のうち493株について薬剤感受性を測定した。分離菌の内訳はStaphylococcus aureus 78株, Streptococcus pneumoniae 73株, Haemophilus influenzae 99株, Pseudomonas aeruginosa (nonmucoid株) 64株, P. aeruginosa (mucoid株) 14株, Klebsiella pneumoniae 25株, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis 21株などであった。
    S. aureus 78株のうちOxacillinのMICが4μg/ml以上の株 (Methicillin-resistant S. aureus: MRSA) は53.8%を占めた。MRSAに対してVancomycinとArbekacinは強い抗菌力を示し, 1999年と同様に良好な感受性が認められた。S. pneumoniaeのなかで, ペニシリンに低感受性を示す株 (Penicillin-intermediate resistant S. pneumoniae: PISP+Penicillin-resistant S. pneumoniae: PRSP) の分離頻度は1999年の34.7%とほぼ同じ38.4%であったが, PRSPの占める割合が1999年の3.0%に比較して11.0%と増加した。S. pneumoniaeに対してはカルバペネム系薬剤の抗菌力が強く, 特にPanipenemは0.125μg/mlで全73株の発育を阻止した。H. influenzaeに対しては全般的に抗菌力は強く, いずれの薬剤もMIC80は8μg/ml以下であった。H. influenzaeに対して最も強い抗菌力を示した薬剤はLevofloxacinで, 0.063μg/mlで99株中94株 (94.9%) の発育を阻止した。P. aeruginosaに対してはTobramycinの抗菌力が強く, MIC80は1μg/mlであった。ムコイド産生株の分離株数は14株と少なかったが, 非産生株に比べ各薬剤に対する感受性は良好であった。K. pneumoniaeに対しては, Ampicillinを除く各薬剤のMIC80が2μg/ml以下であったが, 中でもCefpirome, Cefozopran, Levofloxacinの抗菌力が強く, そのMIC80は0.125μg/mlであった。又, 第二世代のCefotiamのMIC80は0.25μg/mlと良好な感受性を示した。M.(B.) catarrhalisに対しても全般的に抗菌力は強く, いずれの薬剤もMIC80は2μg/ml以下であった。最も強かった薬剤はImipenemおよびLevofloxacinであり, 0.063μg/mlで全21株の発育を阻止した。
    呼吸器感染症患者の年齢は, 70歳以上が全体の44.4%とほぼ半数を占めた。疾患別では細菌性肺炎と慢性気管支炎の頻度が高く, それぞれ38.0および31.7%であった。細菌性肺炎患者から多く分離された菌はS. aureus (18.3%) およびS. pneumoniae (16.1%) であった。一方, 慢性気管支炎患者からはH. influenzae (20.4%) およびP. aeruginosa (16.7%) が多く分離された。抗菌薬投与前に呼吸器感染症患者から多く分離された菌は, S. pneurnoniaeおよびH. influenzaeで, その分離頻度はそれぞれ24.3%および26.7%であった。S. pneumoniaeの分離頻度は抗菌薬の投与日数に従い減少する傾向にあったが, H. influenzaeではそのような減少傾向は認められなかった。また, P. aeruginosaの分離頻度は抗菌薬の投与日数に従い増加する傾向にあった。検体採取時に既に投与されていた抗菌薬の種類と分離菌の関連を調べたところ, ペニシリン系およびセフェム系薬剤投与症例では, 分離菌分布が類似していた。アミノグリコシド系, マクロライド系, ならびにキノロン系薬剤投与症例では, P. aeruginosaが33.3~40.0%と高率で分離された。
  • その3. 感受性の推移
    熊本 悦明, 塚本 泰司, 広瀬 崇興, 松川 雅則, 高橋 聡, 国島 康晴, 荻原 雅彦, 石橋 啓, 茂田 士郎, 吉田 浩, 今福 ...
    2002 年 55 巻 5 号 p. 568-655
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2000年8月から翌年7月までの間に全国10施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株 (Enterococcus faecalis, Staphylococcus aureus, Escherichia coli, Klebsiella spp., Pseudomonas aeruginosa) を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定し, 1992~1999年と2000年の感受性を比較した。比較は菌種を単純性尿路感染症と複雑性尿路感染症 (カテーテル非留置とカテーテル留置を含む) に分類して行った。
    E. faecalisなはAmpicillin (ABPC) とImipenem (IPM) に対して良好な感受性を示し, MIC90は2μg/mlであった。また, Vancomycin (VCM) に対しても感受性は良好であったが, 複雑性尿路感染症においてMICが4μg/mlを示す株が以前に比べて増加し, 1992年以降で初めてMIC90が2μg/mlから4μg/mlに上昇した。S. aureusでは, 1998~1999年に認められた複雑性尿路感染症におけるArbekacin (ABK) に対する感受性の低下が回復し, MICが4μg/mlを越える株は検出されなかった。E. coliではCTMのMIC90が0.25μg/ml~0.5μg/ml, 同様にCZOPでは≤0.125μg/mlと良好で耐性化は認められていなかった。また, その他の薬剤についても, ペニシリン系薬剤を除き感受性は良好であった。しかし, キノロン系薬剤であるCipronoxacin (CPFX) とSparnoxacin (SPFX) に対する感受性の低下が, 特に複雑性尿路感染症で認められた。Klebsiella spp.の感受性は, いずれの薬剤に対しても大きな変化は認められず, ペニシリン系薬剤を除き, 全般的に良好であった。P. aeruginosaではカルバペネム系薬剤に対する感受性が良好であったが, 前年度に比べると, 複雑性尿路感染症においてMIC90が4μg/mlから16μg/mlに上昇した。
  • 砂川 慶介, 野々山 勝人, 岩井 直一, 豊永 義清, 佐野 友昭, 内藤 敦, 志村 浩二, 藤村 正哲, 北島 博之, 藤波 桂, 小 ...
    2002 年 55 巻 5 号 p. 656-677
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Teicoplanin (TEIC) の小児及び新生児におけるMRSA感染症 (敗血症及び敗血症疑い) に対する薬物動態, 有効性及び安全性の評価を既に小児での使用が承認されている海外での用法・用量を用いて検討した。小児に対する1回の投与量は10mg/kgとし, 初回点滴静注後12時間毎に2回目, 3回目を投与し, 3回目以降は24時間毎に点滴静注した。新生児は初回のみ16mg/kgを用い, それ以降24時間毎に8mg/kgを点滴静注した。
    1. 薬物動態試験成績
    TEICが投与された総投与症例17例 (新生児: 9例, 小児: 8例) 全てにおいて薬物動態の検討が行われ, トラフ値については7日後が未測定であった1例を除く16例 (新生児: 9例, 小児: 7例) を対象として評価した。新生児, 小児のいずれにおいてもピーク値, トラフ値が60μg/mLを超える症例はなかった。トラフ値の平均値は, 新生児で3日目15.2μg/mL, 4日目14.7μg/mL及び7日目17.8μg/mLであり, 小児では3日目12.5μg/mL, 4日目122μg/mL及び7日目13.1μg/mLであった。これらのトラフ値は, 海外の小児・新生児で報告されている値と同程度であった。
    2. 有効性及び安全性試験成績
    総投与症例17例 (新生児: 9例, 小児: 8例) のうち除外症例はなく, 全17例を有効性及び安全性の解析対象集団とした。副次的に評価した細菌学的効果及び治癒判定の解析対象例は, MRSAが血液から分離された2症例とした。
    臨床効果の有効率 (有効以上) は76.5% (13/17) であり, 著効12例, 有効1例, やや有効3例, 無効1例であった。投与前にMRSAが血液から分離された2例はいずれも菌消失例であり, 追加の抗MRSA薬を必要とせずに治癒した。
    有害事象は新生児2例, 小児3例で報告され, 因果関係の否定できない有害事象 (副作用) は小児3例に報告された呼吸障害, 血小板数増加, γ-GTP上昇, GOT上昇, GPT上昇の各1件であった。
    これらの試験成績は, 本邦においてもTEICの海外の小児・新生児での用法・用量を用いることは適正であることを支持するものであった。
  • 特別会員会社アンケート調査の纏めとして
    2002 年 55 巻 5 号 p. 682-696
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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