The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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57 巻, 6 号
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  • 中村 竜也, 高橋 伯夫
    2004 年 57 巻 6 号 p. 465-474
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2002年から2003年にかけて関西医科大学附属病院にて臨床材料より分離されたStreptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzae, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Staphylococcus aureus, Streptococcus agalactiae, Streptococcus pyogenesおよびExtended spectrumβ-lactamase (ESBL) 産生菌について, 現在上市されている経口セフェム系薬cefaclor (CCL), cefroxadine (CXD), cefdinir (CFDN), cefixime (CFIX), cefpodoxime (CPDX), cefteram (CFTM), cefcapene (CFPN), cefditoren (CDTR) の抗菌力を比較した。また, Pharmacokinetics/Pharmacodynamics (PK/PD) 理論を用い, Time above MIC (以下TAM) が40%以上を示す各薬剤の濃度を決定し, 各菌種に対する有効率を求めた。 S.pneumoniaeではCDTRがMIC50, 80, 90全てで他の薬剤よりも低値であり最も優れた抗菌力を示し, それぞれ0.25μg/ml, 0.5μg/ml, 0.5μg/mlであった。 しかし, CDTRの有効率は58.5%であり, CFTMが最も高く66.1%であった。 H.influenzaeでは, 抗菌力はCDTR>CFTM>CFPN=CFIXの順であった。 MIC90はCDTRで0.25μg/ml, 次いでCFTMで0.5μg/mlであった。 有効率もCDTRは100%を示した。 H.influenzaeに対してCDTRの除菌率が高いことを裏付ける結果であった。 E.coliではCCL, CXDを除きMIC90は0.5~1μg/mlであった。 K.pneumoniaeに対する抗菌力はCFIX>CFDN=CPDX>CFTMの順であった。 近年, 問題となっているESBL産生菌ではほとんどが>4μg/mlを示した。 S.agalactiaeおよびS.pyogenesには全ての薬剤が良好なMIC値を示した。 Methicillin sensitive Staphylococcus aureus (MSSA) ではCFDNおよびCXDで有効率が高かったが, 他の薬剤はほとんどが低値であった。 近年, 経口抗菌薬の繁用によりセフェム系に対する耐性化が進んでいる。 ESBLではその耐性が高度なため有効, 無効が比較的明瞭であるが, Penicillinb inding protein (PBP) の変異では耐性度が軽度のため治療効果について判定することが困難であることが多い。 S.pneumoniaeでは, PK/PDを用いた評価では通常投与量では有効率が低く, 一回投与量の増量や投与回数を増やす必要があると考えられた。 このように, 今後はPK/, D理論に基づいた有効性の評価を行い適切な抗菌薬治療を施行し, 耐性菌を増加させない投与方法を確立する必要があると考えられる。
  • 松崎 薫, 渡部 恵美子, 古木 梓, 金山 明子, 長谷川 美幸, 佐藤 弓枝, 小林 寅哲
    2004 年 57 巻 6 号 p. 475-480
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2003年1月から2004年7月の期間に国内各地の医療機関において感染症患者より分離されたStreptococcus pneumoniae100株およびHaemophilus influenzae100株ついて, cefteram (CFTM) を含む経口セフェム系抗菌薬の6薬剤ならびにamoxicillinに対する薬剤感受性を測定し, それぞれのin vitro抗菌活性を比較した。
    Penicillin susceptible S.pneumoniaeに対して検討した抗菌薬はいずれも高い抗菌活性を示したが, 特にCFTMはcefditorenと並んで最も活性は高かった。 Penicillin intermediate S.pneumoniae, penicillin resistant S.pneumoniaeに対しては各薬剤の抗菌力はやや低下したがCFTMのMIC値が4μg/mLをこえる株は認められなかった。 β-Lactamase非産生, ampicillin (ABPC) 感性H.influenzaeに対しCFTMは0.03μg/mL以下ですべての菌の発育を阻止した。 β-Lactamase非産生ABPC耐性株およびβ-lactamase産生株に対するCFTMのMIC値は1μg/mLをこえるものはなかった。
    以上の結果より, CFTMは現在においてもS.pneumoniaeおよびH.influenzaeの新鮮臨床分離株に対し優れた活性を維持していることから, 両菌による感染症に有用な抗菌薬であると示唆された。
  • 2004 年 57 巻 6 号 p. 481-488
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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