Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
36 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • L. C. JUNQUEIRA, E. RAKER, K. R. PORTER
    1974 年 36 巻 5 号 p. 339-366
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    Observations made which coupled physiological and histochemical methods with a morphological analysis of the process of pigment migration in the melanophores of Fundulus heteroclitus suggest the following conclusions:
    1. The main source of energy for this activity probably derives from oxidative phosphorylation.
    2. Pigment migration seems to be sodium-dependent but is not influenced by external calcium ions.
    3. These cells present a complex system of microtubules that limit the paths through which the pigment granules migrate.
    4. Evidence is presented linking pigment granule transport to microtubles.
    5. A histochemical method failed to reveal the existence of cholinergic nerve endings in the melanophore.
    6. A critical review is made of the hypothesis proposed to explain pigment migration.
  • 藤田 恒夫, 大坂 道敏, 梁取 淑子
    1974 年 36 巻 5 号 p. 367-378
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    麻酔したウサギの十二指腸を結紮し, あるいは結紮せずに, 粗性コレラエンテロトキシンを注入すると, 腸クロム親和 (EC) 細胞に基底果粒の顕著な放出像がみられる. この脱果粒はトキシン注入後15分の例にすでにみとめられ, 4時間例でもなお見られる. EC細胞の果粒は膨大し, いちじるしく電子密度が低下し, 細胞の底面と側面に開口する.
    EC細胞は腸内腔に突出する微絨毛によってコレラトキシンの刺激を受容し, セロトニンおよび未確認のポリペプチドホルモンを放出するものと想定される. そしてこれらの物質が“下痢発症媒介物質”としてコレラ中毒に特有の腸液過剰分泌をひきおこすものと考えられる.
  • 瀬戸口 孝夫, 後藤 嘉樹
    1974 年 36 巻 5 号 p. 379-389
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    成熟分泌顆粒を水解小体から区別するために, マウス, ラット, イヌ, イモリの上皮小体の酸フォスファターゼ活性を電子顕微鏡で観察した.
    実質細胞には反応陽性と反応陰性の顆粒が共に存在した. 反応陰性顆粒の多くは, 膜に限界された中等電子密度より高電子密度までの, 微粒子状構造をもった均一性顆粒であった. このような顆粒はゴルジ野のいわゆる分泌前顆粒と微細構造が類似し, 成熟分泌顆粒と結論された. 他の反応陰性顆粒は, 微粒子状内容物をもった空胞といわゆる多胞体とを含めて, 分泌顆粒に由来することが考えられた.
    これらの成熟分泌顆粒の最大値は動物の種類によって異なり, マウス, ラット, イモリは0.7μ, イヌは0.5μであった.
    イモリでは分泌顆粒とくに細管を含む顆粒の水解小体への漸次の変形が証明された.
  • 片岡 勝子
    1974 年 36 巻 5 号 p. 391-400
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    ジュウシマツの前胃粘膜は少なくとも2種の内分泌細胞-大型の丸い分泌顆粒をもつI型細胞と, 小型でさまざまの電子密度の分泌顆粒や空胞状の顆粒をもつII型細胞-が存在する. これら内分泌細胞の大部分は, 上皮下の粘膜固有層で神経-内分泌複合体の形成にあずかっているが, 少数の細胞は哺乳動物の閉鎖型内分泌細胞と同様に上皮内に存在する.
    神経-内分泌複合体は, 内分泌細胞, 神経終末, 無髄神経線維, シュワン細胞より成り, その外側を基底膜が取り囲んでいる. 神経終末の大部分は明るいシナプス小胞と大きい含粒小胞をもち, コリン作働性と考えられ, I型およびII型内分泌細胞との間にシナプス結合が認められる. 少数の神経終末は小さい有芯小胞と大きい含粒小胞をもち, アドレナリン作働性と考えられ, I型細胞との間にシナプス結合が観察された. これらの所見はジュウシマツ前胃粘膜の内分泌機能が神経によって支配されていることを示す.
    また, 内分泌細胞の特異な上皮下の存在形式や神経系との緊密な関係を, 膵島と比較して論じた.
  • 片岡 勝子, 藤田 尚男
    1974 年 36 巻 5 号 p. 401-406
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    ナメクジウオ中腸後部の上皮内に2種類の内分泌細胞 (I型, II型) が同定された. 両細胞ともに背の高い円柱状で, 細胞の先端は腸の内腔に, 基底部は基底膜に面している. 細胞の基底部と核上部には多数の分泌顆粒が含まれる.
    I型内分泌細胞は直径約150mμおよび300∼400mμの2種の顆粒をもっている. 小型の顆粒は分泌顆粒で, その内容は開口方式によって細胞基底部から上皮下の結合組織に放出される. 大型の顆粒の性質や, それと小型の顆粒との関係は明らかにできなかった.
    II型細胞は直径300∼400mμの分泌顆粒をもっているが, その分泌形式については証明できなかった.
  • 細谷 安彦, 平田 幸男
    1974 年 36 巻 5 号 p. 407-423
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    嗅結節のいわゆる矮小細胞冠 (dwarf-cell cap) を電子顕微鏡で観察したところ, 数種の神経終末が特徴的な層的分布を示すことがわかった. 径416±62Åの小胞を多数もつ, 明るい終末 (A型) はI層全域にわたって見出され, おもに矮小細胞の先端樹状突起の棘と, 非対称的膜肥厚を示すシナプス結合をつくる. 円形の小胞とともに大型の有芯小胞をもつ終末 (B型) は, おもにI層の表層部に限局して見出される. 扁平な小胞をもつ終末 (C型) は, I∼IIIの全層に見られるが, とくにIII層深部の多型細胞の胞体と樹状突起幹の上に密に存在する. A型に含まれる小胞よりやや小さい円形の小胞 (350±33Å) がつまって暗く見える終末 (D型) は, II層とIII層の浅部に見出される. この型は矮小細胞の先端および基底樹状突起幹上に見られる小棘の小集団と一見複雑なシナプス結合をつくる. 連続切片の観察をもとに, このシナプス結合の立体模型をつくったところ, D型終末と矮小細胞樹状突起とのあいだに特異的な立体的関係があることが判った.
    以上の各終末の空間的分布を, これまでの鍍銀法や自放図法による入力の分布と比較検討し, A型は嗅球からの, またD型は他の嗅皮質からの, 入力であることを推論した.
  • 1974 年 36 巻 5 号 p. 425-426
    発行日: 1974年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
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