青森大学付属総合研究所紀要
Online ISSN : 2188-8531
Print ISSN : 2436-1585
24 巻, 1 号
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  • 井沼 道子, 杉原 啓介, 三上 智治, 中西 俊博, 廣津 千絵子, 栁谷 浩紀, 三浦 裕也
    2022 年 24 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用量が増加しているなか,一般患者の後発医薬品に対する認識を知るため,後発医薬品の名称の認知度,変更の理由等について薬局来訪者を対象としたアンケート調査を行った.調査対象は高血圧症の治療薬であるアンジオテンシンⅡ受容体遮断薬(angiotensin II receptor blocker),通称 ARB を主とした.2018 年 2 月 6 日から 4 月 27 日の約 3 ヶ月間,中央調剤薬局の協力のもと,青森市内の同薬局支店 5 店舗において来局者へのアンケート調査を実施し,1713 名分の回答を得た.その結果,「ジェネリック医薬品」という言葉を知っているのは約 9 割,後発医薬品への変更歴があるのは 6 割弱に達し,後発品が名実ともに広く浸透している実態が示された.一方,ARB 各製品の名称の認知度は全体に低く,特に後発医薬品の名称について低い傾向が見られ,個々の製品については関心が薄い人が多いと考えられた.後発品に変更した理由では「薬局で勧められて」という要素が最も多かった.後発医薬品の選択について薬剤師が与える影響は大きいと考えられ,患者に薬の製品まで関心を持ってもらうには薬剤師の役割がより重要になるだろう.
  • ブランディング戦略における薬学部リソースの活用
    安井 早紀, 木村 優弥, 川村 仁, 小松 一
    2022 年 24 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー
    青森大学薬学部発のブランディング企画第1弾として,漢方・生薬学の教員による市民講座を開講し,薬学部ならではのテーマにより,広く県民の方々へ本学の特色を打ち出し,地域に根ざす青森大学の魅力を認識させることが,ブランディング確立につながるものと考え,薬食同源に基づいた薬膳料理教室を企画した.日常的に利用されている食材を使い,薬膳料理として試食体験をしてもらい,身近な食材の思わぬ効用を知ってもらい,健康な身体づくりの一助にすることを目的とし,秋から冬にかけての病気あるいは病気の予防に対応した薬膳教室を3回シリーズで行った.
  • -今別町の赤根沢における赤土採掘の記録-
    竹内 健悟
    2022 年 24 巻 1 号 p. 20-29
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー
    今別町にある青森県指定の天然記念物「赤根沢の赤岩」の周辺は,縄文時代から江戸時代にかけて良質の赤土を産出した場所である.弘前藩は,役人を配置し,厳重な管理の下で赤土を採掘・精製し,赤の顔料のベンガラとして江戸幕府などに献上していた.藩では,赤土を採掘するときには,奉行を任命し,番所に役人や職人を派遣した.本稿では,当時の管理体制,作業内容,施設設備について「弘前藩庁日記」の記録から整理した.
  • -NHK青森との協働による学生アンケートと授業実践から-
    櫛引 素夫, 相坂 匠飛, 雷 霄峰, 石倉 翠聖, 工藤 康晴, 鈴木 流由, 三上 愛莉
    2022 年 24 巻 1 号 p. 30-48
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2022年の参議院議員選挙に際し,NHK青森放送局との協働により,学生が中心となって,青森大学生約1,000人を対象とするアンケートを実施した.その結果,投票する予定の学生は4割に満たず,投票へ行かない予定の学生をわずかながら下回っていたことが分かった.投票しない理由の上位は「忙しい」,「政治や選挙に関心がない」が上位だったが,「政党や候補者の政策がわかりにくい」,「若者向けの政策が伝わってこない」といった理由を挙げた学生も多かった.また,投票に行く予定の若者でも,自らの投票行動が世の中を変えられないと考えているなど,表面的には行動と思考が矛盾しているように見える若者が少なくなかった.一連の活動を,授業で報告しながら進めた結果,履修者は政治・選挙への関心の高まりが顕著に見られ,「Z世代」の今後の投票率向上に,貴重な情報や視点が得られた.
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