青森大学付属総合研究所紀要
Online ISSN : 2188-8531
Print ISSN : 2436-1585
25 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 櫛引 素夫
    2023 年 25 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/10/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    青森県の津軽半島を走るJR東日本のローカル線・津軽線は,2022年8月の豪雨で北側半分の区間が被害を受け,運休を余儀なくされた.沿線の外ヶ浜町と今別町は人口減少と高齢化が進んでおり,将来的に大きな需要が見込めない.一方で,JR東日本は2022年7月,津軽線とデマンド型乗合タクシーを組み合わせた新しい交通体系の構築を試行していた.このため,JR東日本は2町と青森県に対し,検討組織の開設を呼び掛け,運休区間の鉄道を廃止してバスとタクシーを組み合わせた交通体系を構築するプランを提案した.地元側は鉄道の存続を希望しているが,2023年9月現在,結論は出ていない.問題の本質は,鉄路の存廃ではなく「地域の持続可能性の確保」であり,当事者間のアジェンダ設定とコミュニケーションの手法には,いくつか改善の余地が存在する可能性がある.
  • 竹内 健悟, 金 二城
    2023 年 25 巻 1 号 p. 14-22
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/10/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    外来種のアライグマは,2004年に津軽地方で初めて発見されて以来野生化が進み,分布が拡大している.津軽地方の14の市町村に調査したところ,11市町村112箇所での生息が確認され,津軽地方に広く分布しており,特に多いのは岩木山麓であることがわかった.また,農作物ではスイカ,トウモロコシ,ブドウの被害が多かった.各市町村では防除計画を立ててアライグマを捕獲しており,年間150~180頭を捕獲している.中でも多いのは弘前市で,捕獲数の半数近くを占めていた.捕獲は農作物の収穫期に実施されているのが多かったが,アライグマの根絶のためには,出産期の春に広域的に一斉に捕獲する必要があると考えられた.
  • 中塚 富士雄
    2023 年 25 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/10/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    英国政府は2024年から「送金詐欺」の被害者救済策として,被害額の返済を義務付ける新制度をスタートさせる.個人・中小事業者が騙されて犯罪者の管理口座に支払いを承認する取引(Authorised push payment:APP)が対象で,送金側・受取側の双方の口座を管理する金融サービス業者が折半で返済を行うことが検討されている.この制度は2019年から業界の自主規制ルールとして大手金融サービス業者を中心に導入してきたが,被害の深刻さに加えて,自主規制が一定の効果を上げていることから,業界全体への拡大となった.監督は独立行政機関で金融機関による決済サービスの監視・規制を行うPayment Systems Regulator(PSR)が担う.英国政府は国内での金融詐欺被害は,海外からの犯行が目立つこと,サイバーセキュリティをはじめとして,技術的な対策では通信・情報サービス企業の協力が必須などの理由から,2023年6月に詐欺対策を国家政策として,Policy Paper "Fraud Strategy:stopping scams and protecting the public (accessible)"を公表した.本制度の施行は,その柱の一つである.
  • 中村 和彦
    2023 年 25 巻 1 号 p. 30-32
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/10/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
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