日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
6 巻, 4 号
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  • 渡邊 智子, 高居 百合子, 土橋 昇
    原稿種別: 本文
    1998 年 6 巻 4 号 p. 151-158
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    基本飼料の一部をエノキタケで置き換えた飼料を幼若ラット(6週齢:113g)に104日間投与し,ラットの生長に及ぼす栄養学的な影響を明らかにする目的で実験を行った.エノキタケを投与した結果,対照群に比べ次のような結果を得た. 1)体重は,7〜42日目および63日目で増加の抑制が見られたが,70日目以降では順調な成長を示した. 体重増加率は,0〜78日目までの期間,低い値を示した.2)飼料摂取量は,7〜78日目までの期間,飼料効率およびタンパク質効率は,0〜7日目,0〜14日目,0〜28日目および0〜42日目,エネルギー効率は,0〜7日目,0〜14日目で低い値を示した.3)7〜14日目の第1回窒素出納実験結果は,窒素の消化吸収率,窒素利用率および窒素バランスの低下が見られた.28〜35日目の第2回窒素出納実験結果は,窒素利用率で高い値を示した.4)臓器重量(カーカス比)では,盲腸重量の増加,後腹壁脂肪,小腸および大腸重量が減少を示し,小腸が長くなる傾向が見られた.5)後腹壁脂肪の脂肪酸組成はC18:2(n-6)で高く,C16:0で低い値を示した.一方,肝臓の脂肪酸組成は,C18:2(n-6)で高い値を示した.6)肝臓のタンパク質および脂質量は,差が認められなかった.7)盲腸内容物全量のLactobadllus spp.の菌数は,高い値を示した.以上のことから,ラットにエノキタケを百日以上投与すると,エノキタケは脂肪蓄積防止作用および腸内有用細菌(Lactobacillus spp.)を増加させる効果があること,その栄養学的機能は食物繊維であることがわかった.
  • 山中 勝次, 太田 千絵
    原稿種別: 本文
    1998 年 6 巻 4 号 p. 159-165
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    ホンシメジとシャカシメジの栄養菌糸体は形態的に明確に異なっていた.両菌の栄養生長においてグルコース,トレハロース,フルクトースおよび可溶性デンプンの資化は良好であったが,キシロース,マンニトールはあまり資化されなかった.ホンシメジの窒素源としては,カザミノ酸,ペプトン,酵母エキス,カシトン,アミノ酸混合物などが良好であり,無機態窒素源ではやや劣った.シャカシメジでは無機態窒素が有機態よりやや良好な窒素源であった.両菌は・硝酸カリウムでは栄養生長を示さなかった.栄養生長のための培地C/N比は,ホンシメジでは40〜90の広範囲で良好な栄養生長を示したが,シャカシメジでは40を超えると栄養生長が低下する傾向を示した.
  • 高畠 幸司
    原稿種別: 本文
    1998 年 6 巻 4 号 p. 167-170
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    オカラと米ぬかを種々の割合で混合してヒラタケ菌床栽培を行い,オカラの栄養源としての利用性を検討した.オカラと米ぬかを混合することにより,栽培所要日数は短くなり,子実体収量は増加した.特に米ぬか単独区に比べて栄養源中のオカラの割合が40〜80%の試験区では,栽培所要日数は約2週間短縮され,子実体収量は1.5〜1.8倍となった.オカラと米ぬかを混合することにより菌床培地のC/N比は低下し,改善された.これらのことから,オカラは米ぬかと混合して使用することによりヒラタケ菌床栽培の栄養源として有用であると考えられた.
  • 大賀 祥治, David A. Wood
    原稿種別: 本文
    1998 年 6 巻 4 号 p. 171-174
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    九州大学北海道演習林の17,24,31,38および41年生のカラマツ人工林の伐倒後6ヶ月経過した根株を対象として,カイメンタケ子実体の出現頻度について検討した.子実体の出現頻度は樹齢が増すほど増加した.41年生林分で地位別に子実体の出現頻度を検討した結果,沢筋の方が尾根筋に比べ高くなった.
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