White line(WL)形成法を利用したPseudomonas tolaasiiが感染したきのこ類(ヒラタケ,エノキタケ,マッシェルーム)の診断法を開発するため,WL形成条件を検討した.WLはP. tolaasiiとPseudomonas sp. (white line reacting organism, WLRO)をPseudomonas agar F, King's B培地およびTMGA培地で対峙培養したときに形成された.PAF,TMGAに形成されたWLは明瞭で,安定していたが,King's B培地では形成出来ない菌株が存在し,形成されても不明瞭で,培養が長くなると消失する傾向が観察された.P. tolaasiiとWLROの対峙距離は20mm以内であれば明瞭なWLが形成され,距離が短いほど早く形成された.WLはきのこに病原性を有するP. tolaasii菌株のみが形成し,病原性を喪失した変異株はWL形成能を失っていた.きのこ類に軟化腐敗症状を起こすErwinia sp.やきのこから分離される非病原性細菌には形成能が認められなかった.発病子実体組織をWLROと対峙して培養すると,約80%の組織片が2日後に明瞭なWLを形成したので,病斑部から細菌の分離培養をすることなく,P. tolaasn 感染株を直接診断に利用できた.
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