日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
8 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 河越 幹男
    原稿種別: 本文
    2000 年8 巻1 号 p. 1-11
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    きのこ菌糸の液体培養に関する従来の研究を,大量培養の観点からレビューした.次いで,従来の研究における気泡塔型バイオリアクターの適用例を文献調査し,気泡塔が糸状菌類の培養に適していることを明らかにした.さらに,我々の行った気泡塔型培養装置によるアミガサタケ,スエヒロタケ,マツタケ,シイタケの培養結果を紹介した.シイタケ菌糸の培養においては,我々が考案した新しい形式のテーパー付エアーリフト気泡塔を用いた.
  • 有馬 忍, 陶山 一雄
    原稿種別: 本文
    2000 年8 巻1 号 p. 13-20
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    1997年8月,大分県のエリンギ栽培地で,子実体が白色の菌糸に覆われ,生育が停止して,最終的に腐敗する病害の発生を認めた.被害株から分離した菌はエリンギに対し元の病徴を再現し,エノキタケ,ブナシメジ,ヒラタケおよびシイタケにも寄生した.エリンギの生育期における感受性に差はなく,原基形成初期に感染すると激しい病徴を発現した.病原菌は培養および形態的特性からC. varium Nees ex Steud.と同定された.これまでC.variumによるエリンギの病害についての報告はみられないので,本病害を「エリンギわたかび病」と呼称することを提唱する.
  • 岡村 徳光, 森 千春, 竹野 智美, 奥田 展子, 大杉 匡弘
    原稿種別: 本文
    2000 年8 巻1 号 p. 21-26
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    ブナシメジを添加したパンの体積は,全自動ホームベーカリーを使用した場合,標準のパンに比べ著しい減少であったが,マニュアル操作では,標準のパンとほとんど同程度に焼きあがった.砂糖を含むブナシメジパンは,ブナシメジを5%添加したものが最も膨らんだ.砂糖無添加のブナシメジパンではブナシメジを20%添加のものが最も膨らみ, 20%まではブナシメジの添加量に伴い体積が増加し,それ以上の添加量では体積は減少した.堅さは,20%添加量までは減少し,30%で増加した.一方,凝集性は,20%添加量までは増加し,30%で減少した.
  • 中家 陽子
    原稿種別: 本文
    2000 年8 巻1 号 p. 27-30
    発行日: 2000/04/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    きのこは古来から重要な食材や薬材として日本人に好まれ,その需要を満たすためきのこの人工栽培法が開発されてきた.また,近年の輸送技術や交通網の発達,グルメブーム等により多種多様のきのこが世界中から大量に輸入されるようになった.とくに輸入マツタケは,原産国の多様化、輸入量の増大ともに瞠目させられる.これは,日本人に最も好まれていること,需要が大きいにも関わらず国内での供給が不足していることを示している.輸入きのこの種類と量は季節により変動し,日本の四季を反映している.また,グルメブームにのって日本に登場した珍しいきのこが日本の食卓に取り入れられ,定着している様子が窺える.日本初の24時間空港である関西空港には将来第2滑走路が完成する予定であり,これに伴う便数や路線の変化がきのこの輸入量や原産国に与える影響は興味深い.その一方で多様化・大量化する輸入きのこの衛生確保も重要な問題である.
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