日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
8 巻, 2 号
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  • 寺下 隆夫, 北尾 忠嗣, 永井 勝, 吉川 賢太郎, 坂井 拓夫
    原稿種別: 本文
    2000 年 8 巻 2 号 p. 61-69
    発行日: 2000/07/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    菌根形成担子菌,ホンシメジのアミラーゼ生成について,大麦添加培養基で子実体を形成出来る菌株と形成出来ない菌株を対象にマツタケ改変液体培地を用いて検討した.アミラーゼ活性は可溶性デンプンを基質にソモギ・ネルソン法(アミラーゼ活性),ヨウ素・ヨウ化カリウム法(α-アミラーゼ活性)およびF-キットグルコース法(グルコアミラーゼ活性)で検討した.培養液液中のアミラーゼ活性は培養15日目頃から顕著に上昇し,培養終期(37〜43日目)に最も高い値を示した.活性は供試菌株によってかなりの相違を示したが,子実体形成菌株のアミラーゼおよびグルコアミラーゼ活性は子実体非形成菌株より高い値を示した.この培養ろ液をDEAE-Toyopearlカラムクロマトグラフィーにかけ,その溶出画分を調べた結果,グルコアミラーゼおよびェンド型アミラーゼと考えられる活性を認めた.これらの酵素はCa^<2+>存在下で著しく活性化されたが,熱安定性には影響を及ぼさなかった.
  • 熊田 淳, 青野 茂, 北本 豊
    原稿種別: 本文
    2000 年 8 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 2000/07/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    栄養要求性マーカーを付与した2種類のナメコ一核親株を交雑し,正逆交配株を得た.正逆交配株は,いずれも正常な子実体を形成した.一核親株および正逆交配株を培養した平板培地から生じたオイディア由来一核株は,菌糸伸長速度が一核親株より速く,菌糸伸長速度と菌糸体重量の分布が正規分布とは判断されなかった.これらの表現型の変化は,細胞質遺伝子の組み合わせが異なる正逆交配株の両者,および一核親株に見られた.したがって,細胞質遺伝子構成の影響および複相核で生じる体細胞組み換えは,これらの表現型の変化の原因ではないと推定した.
  • 熊田 淳, 青野 茂, 北本 豊
    原稿種別: 本文
    2000 年 8 巻 2 号 p. 77-81
    発行日: 2000/07/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    ナメコ菌床中に形成されるオイディア由来一核菌糸体と親二核菌糸体との接合の仕組みを解析した.オイディア由来一核株は,不和合性因子を異にする一核親株および一核株間の対峙培養において,全ての組み合わせで交配が確認されが,二核親株との対峙培養で交配が確認されたのは,二核親株のコロニー先端部での脱二核化菌糸と同じ核型が19%,もう一方の核型が89%であった.この結果は,コロニー先端部の脱二核化菌糸体と劣位核を有するオイディア由来菌糸とのMon-Mon交配が主であることを示唆する.また,オイディア由来一核株を一核親株,二核親株およびオイディア由来一核株同士で再二核化した株は,いずれも二核親株と比較して子実体収量が低下し,子実体収穫日が遅延する傾向を示した.したがって,栽培時に生じるオイディア形成を経由する再二核化菌糸体の栽培特性の変化は,オイディア由来一核菌糸の有する遺伝的変異が主因であると結論された.
  • 種坂 英次, 梅本 信也
    原稿種別: 本文
    2000 年 8 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 2000/07/25
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    岐阜県における野生きのこ類の販売とそれらの名称について調べた.1998年9月の調査において栽培菌5種を含む9科16種を記録した.マツタケなどを除くほとんどの野生菌において,商品の値札に地方名が記され,標準和名は知られていなかった.一方,既に栽培品が普及している菌については,商品の値札に標準和名あるいは商品名が記され,地方名は知られていなかった.
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