ウアジャガ河谷への入植を事例として,アンデス地域における入植者による土地利用について,土地利用指標による分析を行った。その結果,以下のことが分かった。1)焼畑農業は,現在では通常,移動農業でなく,定住農業による耕地拡大を意味し,また,長い休閑期間を前提とすれば,生態学的にも経済的にも持続可能な手段といえる。2)過去の失敗した入植プロジェクトでは,人口増加と違法作物の拡大がその原因である。3)土壌使用の強度は,主にその土地占有時間によって説明される。4)農家の生産戦略は市場に強く規定される一方,家族労働による休閑,混作といった伝統的農業に依然依存している。5)農家規模は,その農家で栽培される主要作物を説明する重要な要素である。
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