森林応用研究
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28 巻, 2 号
森林応用研究 28巻2号
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  • 陶山 大志, 冨川 康之
    原稿種別: 短報
    2019 年 28 巻 2 号 p. 1-6
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2021/07/07
    ジャーナル フリー

    コンテナ苗生産の効率性を高めるために,高い発芽率の種子を使用して1 キャビティに1 粒播種する方法が有効である。そこで,高い発芽率のヒノキ種子を得ることを目的として,界面活性剤を添加した水選による発芽率向上の可能性について検討した。選別後の充実種子率と発芽率が高く,かつ充実種子の回収率が高かった条件は,界面活性剤を0.1%濃度で添加し36 時間の浸漬することであった。同条件で9 系統の種子について選別を行った結果,浸漬前の充実種子率が2%と低かった1 系統を除く8 系統では,充実種子率が1771%から8399%へと顕著に向上した。このうち5 系統では発芽率は754%から7496%へと大幅に改善した。本法を用いれば充実種子率を高められ,系統によっては高い発芽率の種子が得られることが示された。

  • 鳥取県八頭郡智頭町の事例
    芳賀 大地, 片野 洋平
    原稿種別: 短報
    2019 年 28 巻 2 号 p. 7-14
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2021/07/07
    ジャーナル フリー

    本研究は伝統林業地である鳥取県智頭町の全世帯を対象としたアンケート調査により森林所有者の現状を明らかにした。特に、近年の農林業センサスでは把握が不可能になった小規模の森林所有者の動向に注目し、階層区分を行って分析した。その結果、半数以上の世帯が森林を所有しており、智頭町において森林や林業の問題は、その関わり方の程度に差はあっても、多くの世帯に関わる問題であると示された。人工林を所有する森林所有者のうち、人工林1 ha 未満の森林所有者が41%3 ha 未満が67%となり、雑木林の所有規模はさらに小さく、数の上では小規模所有者が中心であった。回答者は60 代以上が80%を占め、農林業を主業とするものは少なく、農地面積は小規模であった。そのため、農林複合経営によって労働や資本の利用効率を高めている森林所有者は限られていた。管理に関する主観的な評価は、どの項目も比率で見れば3 ha 以上層が高いが、森林所有者の数から見れば3 ha 未満層が同等か上回っていた。継承予定者がいる割合は3 ha 以上層の方が高かった

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