森林応用研究
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論文
  • −三重県多気郡大台町を事例に−
    保積 和奏
    原稿種別: 論文
    2025 年33 巻2 号 p. 1-8
    発行日: 2025/03/25
    公開日: 2025/10/01
    ジャーナル フリー

    林業労働力の確保と障害者の就業機会の確保という課題を同時に解決することを目的とした取組に、林福連携がある。林福連携は近年注目されている取組で、関連する研究のみならず、取組自体もまだ進んでいない。本研究では、全国的な林福連携の取組状況を調査したうえで、事例を取り上げ、仮説の検証を行うことで、成立過程や継続要因を明らかにすることを目的とした。方法としては2023年10月に宮川森林組合・福祉施設(ジグソー工房)に対面での聞き取り調査を実施し、その後、これらのアクターに加えて、自治体の職員にメールで調査を行った。調査の結果、林福連携の成立過程には、森林組合と福祉施設のニーズの合致や、反対意見が無かったことなどが寄与しており、外部からの金銭面での補助は必ずしも必要ではないことが示された。継続要因としては林福連携の意義が変化しながらも森林組合・福祉施設の双方に取組の意義が存在し続け、補助金の有無は影響しなかったことが考えられた。

短報
  • -中国の大学生を対象としたテキストマイニング-
    李 婉, 保永 展利, 高橋 絵里奈
    原稿種別: 短報
    2025 年33 巻2 号 p. 9-17
    発行日: 2025/03/25
    公開日: 2025/10/01
    ジャーナル フリー

    本研究は、中国の5地区に居住する大学生を対象に、樹木認識と森林・森林環境教育への意識の特徴と関係を明らかにすることを目的とした。テキストマイニングによる分析の結果、次の点が明らかになった。第1に、認識された上位50種の樹木を抽出したところ、マツ、ヤナギ、ポプラ、イチョウ、コノテガシワ、アオギリ、エンジュ、ガジュマル、モモなどの樹木の回答出現数が高かった。第2に、民族別、居住地域別、森林に行く頻度によって樹木認識が異なっていた。第3に、森林・森林環境教育への意識として7群が抽出され、意識と樹木認識との間に特徴があることが明らかになった。以上の結果から、樹木の地理的条件、文化的樹木信仰、森林へのアクセス機会と森林に対する意識は樹木認識に関係していると示唆される。

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