森林応用研究
Online ISSN : 2189-8294
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34 巻, Special 号
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講演論文
  • -竹齢構造とたけのこ発生動態の可視化-
    伊関 博臣
    原稿種別: 講演論文
    2026 年34 巻Special 号 p. 1-4
    発行日: 2026/02/13
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

    本研究は,高精度位置情報により,竹齢構造とたけのこ発生動態を可視化し,竹林内の年齢分布が発筍力に及ぼす影響を定量的に解析した。京都府長岡京市のたけのこ生産圃場を対象に,収穫個体の位置情報を取得し,たけのこ発生地点から 2 m 以内の平均竹齢との関係を分析した。その結果,竹齢 3〜5 年の近傍で発筍数が最大となり,6 年以上では減少傾向を示した。また,収穫期後半には高齢竹近傍からの発生が増え,たけのこサイズも大きくなる傾向が認められた。本研究は,生産者自身が取得した地上情報・位置情報・収穫記録を統合し,竹林構造と発筍を「見える化」した点に意義がある。今後は,データ拡充と害虫被害解析を通じて発筍予測モデルを構築し,京たけのこ栽培における効率的かつ持続的な生産体系の確立に貢献することを目指す。

  • -多面的機能評価アップデートの必要性-
    峰尾 恵人, 倉内 洋翔
    原稿種別: 講演論文
    2026 年34 巻Special 号 p. 5-8
    発行日: 2026/02/13
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

    世界の森林蓄積の 1%,人工林面積の 3.5%が所在する日本において,戦後に造林された人工林が収穫期を迎え,伐採面積は増加する一方,造林面積はそれを大きく下回っている。持続可能な社会への移行に向けて,次世代の森林政策が必要である。近年,生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学–政策プラットフォーム(IPBES)は生態系サービス(ES)を拡張した概念として「自然の人への寄与」(NCP)を提唱し,論争を引き起こした。ES の限界を公然と主張し,多様な価値評価の重要性を指摘した NCP の概念は,自然と人との関係を見直す一つの画期である。一方,日本の多面的機能評価は,2001 年から一度も更新されていない。国際的な評価研究の進展を踏まえ,森林の多面的機能評価をアップデートすることが必要である。

  • 矢部 浩
    原稿種別: 講演論文
    2026 年34 巻Special 号 p. 9-12
    発行日: 2026/02/13
    公開日: 2026/02/13
    ジャーナル フリー

    ニホンジカの食害対策に使用されるツリーシェルターは,多雪地帯では積雪による破損が課題となっている。本研究では,耐雪性の向上を目的として補助支柱を追加設置し,その効果を検証するために,スリーブ位置の異なるツリーシェルターと長さ・本数の異なる補助支柱を組み合わせた 6 区分を設定し,2 冬季期間にわたり損傷状況を調査した。1 年目(最大積雪深 120cm)では損傷は軽微だったものの,2 年目(最大積雪深 260cm)では甚大な被害が発生し,試験区分間で有意差が認められた。特に,長さ 180cm の中尺補助支柱を追加した区分では被害発生率が低く,被害発生抑制効果が確認された。これらの結果から,多雪地帯における耐雪性向上には中尺補助支柱の追加が有効であることが示された。

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