森林応用研究
Online ISSN : 2189-8294
Print ISSN : 1342-9493
ISSN-L : 1342-9493
最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
巻頭言
報告
学術論文
  • -鳥取県を事例として-
    芳賀 大地, 池淵 博之
    原稿種別: Original Articles
    2025 年34 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 2025/08/08
    公開日: 2026/02/06
    ジャーナル フリー

     一部の原木市売市場において相対取引を増加させるなどの商社化と呼ばれる変化が報告されている。その中でも販売形態の変化要因について明らかにすることを目的に鳥取県内の3原木市売市場と鳥取県森林組合連合会(県森連)を対象に聞き取り調査を行った。鳥取県内のA材需要の低下とB材C材需要の拡大に対して、I市場と県森連は市売の縮小を行う一方で、協定販売によってB材とC材の取り扱いを増加させていた。それに対し、Y市場とK市場は販売形態の変化は小さかった。Y市場はA材からC材まで集積する木材工業団地に所在し、供給体制についても協同組合が整備されていることからA材の取扱量を保つことができており、かつ県内外の複数の大口の需要者が安定していたことから変化の必要性が低かったためと考えられる。K市場は集荷圏の狭さによる集荷力不足から交渉力が不利であり、B材C材に対応する必要性が高くなっていたものの、相対取引への取り組みは困難であったと考えられる。原木市売市場において需要の変化は販売形態を変化させる要因となり得るが、それに加えて十分な集荷力を背景とした交渉力が販売形態の変化の必要条件と考えられる。

  • 北原 壮恭
    原稿種別: 学術論文
    2025 年34 巻1 号 p. 31-40
    発行日: 2025/08/08
    公開日: 2026/02/06
    ジャーナル フリー

    森林の整備・管理活動の一つとして,ボランティアによる森林保全活動が挙げられる。この活動の主体の約半数は65歳以上の高齢者であり,今後の活動の維持・継続が課題であるといえる。本研究では,東北の中山間地域において実施されている森林保全活動を対象とし,アンケート調査を実施することで,過疎・高齢化が進む地域における森林保全活動が,地域住民に対してどのような負担をもたらすのかを分析し,今後の持続可能性について検討することを目的とした。その結果,負担を感じると回答した人は有効回答のうちの40.4 %と半数以下に留まったものの,負担の詳細に関する設問では高齢化による身体的な負担の増加や,地域からの参加者の減少に伴う一人当たりの負担の増加,義務感による精神的負担が明らかになった。一方で,先行研究において示されていた当該運動の地域づくりという側面について言及する回答もあり,地域において当該運動は「負担」としての側面と「地域づくり」としての側面をもつことが明らかになった。「負担」と「地域づくり」という当該運動の両義性を踏まえ,今後は地域住民の多様な負担を軽減することで運動を継続することができる可能性が示唆された。

短報
  • 土井 裕介, 石井 亘, 池口 直樹
    原稿種別: 短報
    2025 年34 巻1 号 p. 41-46
    発行日: 2025/08/08
    公開日: 2026/02/06
    ジャーナル フリー

    林分収穫表に記載された材積は,特に高齢級の広葉樹林のデータが乏しい。そのため,林分収穫表の値と広葉樹林の実測値との差を明らかにすることを目的とし,6〜23齢級の暖温帯コナラ林,アラカシ林等7箇所を対象に,幹材積量の調査を行った。各林分で,バックパック型の地上LiDAR(LA03)を用い,10m×10mの調査区における樹木の胸高直径と樹高を測定し,大阪府の林分収穫表の値と比較した。その結果,LA03による平均樹高は,航空レーザー測量とおおむね同等の値を示しており,データの精度に支障はないことが示唆された。現地調査で得られた幹材積量は,大阪府の既存の林分収穫表の値よりも一貫して高い値を示した。この結果は,広葉樹林が6齢級以降も資源量が増大していることを示唆しており,資源活用や二酸化炭素吸収量算定においても重要な情報と考えられる。

feedback
Top