失語症研究
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10 巻 , 1 号
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原著
  • —両側前頭葉損傷と発話の発達的変化—
    橋本 佳子, 進藤 美津子, 加我 君孝
    1990 年 10 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/07/06
    ジャーナル フリー
    小児の後天性構音障害の報告は少ないが,4歳2ヵ月に脳梗塞にて発症後,仮性球麻痺を呈した1幼児例 (女児) を経験した.左右上肢に軽度の痙性麻痺,軽度右顔面神経麻痺,構音器官の運動の重篤な障害を認めた.MRIでは両側前頭葉に梗塞像が認められ,脳血管撮影よりモヤモヤ病が基礎疾患であることが判明した.知的能力,言語能力の遅れ,落ち着きのなさがみられた.発話は1語文中心で,母音と限られた子音のみが構音可能であった.構音の特徴は成人の仮性球麻痺に類似しているが,音響分析 (サウンドスペクトログラム,フォノラリンゴグラム) では,各音節の持続時間および子音と母音のわたりの時間の延長,第3フォルマント以上の減弱および消失,ピッチ,インテンシティの発話間始および終了時の異常がみられた.また発症初期,失構音の時期がほぼ2ヵ月みられた.3年間の経過において構音の改善は少ないがプロソディは除々に改善がみられている.
  • 伊林 克彦, 田中 隆一, 鶴岡 はつ, 岡田 耕坪
    1990 年 10 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/07/06
    ジャーナル フリー
    外傷性脳内出血後に生じた同語反復症の一例について4年間の神経心理学的変化を観察した.受傷から約2ヵ月間の意識障害遷延後,反響言語を伴う著しい同語反復と精神活動の低下を示した.それらの症状は徐々に改善し約2年後には言語性IQは80近くまで上昇した.同語反復も軽減したが依然として残存し,その特徴は,思考力を要求されるような難しい課題でより強い反復を示し,反復の形態では変化はみられなかった.また音声分析の結果から,反復される言語音の速度や音量に変化は認められなかった.上記症状の責任病巣は,CTやMRI画像および脳血流imageから右前頭葉皮質から白質深部にかけての広範な領域と考えられた.本症例においては語句の反復が難しい課題でより強くみられたことや,精神活動の回復に伴い同語反復が減少したこと等から,同語反復症を惹起し得る要因として,高次精神活動に伴う発話運動controlの障害が示唆された.
カレントスピーチ
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