失語症研究
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10 巻 , 2 号
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シンポジウム座長記
シンポジウム
カレントスピーチ
原著
  • 村田 泉, 藤村 亜紀, 下村 隆英, 竹田 契一
    1990 年 10 巻 2 号 p. 140-149
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
         発症後3か月以降1年時まで定期検査 (SLTA および7段階評価を3か月間隔で合計4回実施) が可能であった失語症患者23例について,失語症7段階評価による検討の結果,以下の知見を得た。
    (1) 重度と中等度の患者は,発症後3か月以降も改善し,それぞれ,中等度,軽度に改善した。軽度の患者の症状は,発症後3か月以降も残存し1年時まで持続していた。従って,発症後3か月目が予後推測上重要な時期と思われた。
    (2) 聴覚的理解力は発症後9か月まで一段階ずつ改善した。発話力は発症後1年時まで改善し,その程度も大きかった。発話力の長期にわたる回復の可能性が示唆された。
    (3) 発話力の改善が大きい症例は,1例を除き全例30~40代発症の若年成人例であった。発症時年齢は改善度と関連があると思われた。
  • 前田 真治, 長澤 弘, 石川 潤
    1990 年 10 巻 2 号 p. 150-156
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
    左前大脳動脈領域の梗塞に伴って出現した無目的で随意性を持たない右足の動きの1例を観察した.発症2~5週の神経心理学的所見で右手に病的把握現象,軽度の構成失行のほかに, alien hand sign と道具の強迫的使用の双方が出現しており,両手間に拮抗失行が伴っていた.同時期の右足に意志に反する無目的で随意性を欠く動きが見られた.この動きは手にみられるalien hand signと共通点も多く,手同様と考えられ,いうならばalien foot signの存在が示唆された. MRIで脳梁膝部~脳梁体部前方~左帯状回~補足運動野の皮質に限局した高信号域を認め, alien hand sign, 道具の強迫的使用などの生じる病巣と一致しており,足も同部位の損傷でalien limb signの生じる可能性があることを指摘した.したがって,本例は,左前大脳動脈領域の梗塞に伴ない,右上下肢にalien limb signが生じたものと考えられた.
  • 井上 有史, 三原 忠紘, 松田 一己, 鳥取 孝安, 清野 昌一
    1990 年 10 巻 2 号 p. 157-164
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
    右手利きの側頭葉てんかん患者で,頭蓋内脳波記録中に特異な進展を示した言語障害発作が捕捉された。右側頭葉皮質に始まった発作波は左後頭葉を経て左側頭葉皮質に伝幡して行った。発作波が右側頭葉に限局していた間は無症状であったが,左側頭葉にもおよぶと,言語が流暢になる一時期を経て,発話が減り,新造語様の発話が現れた。発作波が右側頭葉から消失し左半球だけになると,喚語障害,理解障害が前景に出た。全ての発作波が消失した後も理解障害と自発話での語彙の減少がしばらく続いた。発作波は側頭葉内側部と前頭葉にはほとんど波及しなかった。
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