失語症研究
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19 巻 , 1 号
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原著
  • 望月 聡, 河村 満, 河内 十郎, 尾花 正義
    1999 年 19 巻 1 号 p. 2-8
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/04/25
    ジャーナル フリー
       左帯状回前部および脳梁幹梗塞性病変により,強迫的使用現象および強迫的パントマイム現象を呈した55歳女性を報告した。検査場面では右手に,触覚刺激により強迫的使用が,聴覚的物品名提示で強迫的パントマイムが誘発された。視覚提示のみでは誘発されなかった。日常場面における行為障害を,内観が記載された日記から検討した。意志に反して行為を行ってしまう従来の「道具の強迫的使用」現象に加え,ある行為を行おうとする「意図」が意志に反して生ずることによる強迫的使用現象,「考えるとすぐ行為が生ずる」行為促通化現象の3種類の行為制御障害が存在した。
       前頭前野により行為遂行を決定する意志が形成され,部分的に残された補足運動野によって特定の行為の意図が生じ,意志と意図の両者が行為の選択を行うと推定した。この「意志-意図の二重制御」システムを想定することにより,強迫的使用・パントマイム現象を説明できる可能性を示した。
  • 牧 徳彦, 池田 学, 鉾石 和彦, 小森 憲治郎, 田辺 敬貴
    1999 年 19 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/04/25
    ジャーナル フリー
    前交通動脈瘤破裂の手術後に著明な健忘症状と性格変化を呈した1例を報告した。即時記憶や知的能力は保たれていたが,見当識障害,重篤な前向健忘,作話傾向,多弁多幸を認めた。本例では,自伝的にも社会的にも逆向健忘を認めなかったが,過去の有名人の名前を想起することが困難であった。人名の語想起障害の責任病巣として左側頭極が示唆されており,同部位と前脳基底部領域あるいは前頭葉底面は鉤状束で結ばれていることから,本例の特異性もこの線維連絡の障害と関連するものと考えられた。
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