水産増殖
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11 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 西川 博
    1963 年 11 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1963/05/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    長崎県外海域の野母半島野母崎町沿岸, 五島列島福江市沿岸ならびに対馬東岸美津島沿岸において潮間帯海藻類の着生帯潮位の測定を行ない, これと関連して有用海藻類増殖上の問題について若干考察を行なった。
    1) 潮間帯海藻類の着生潮位を基準面からの高さで測定した。
    主な海藻の着生潮位と潮汐との関係をみると, イワノリ・フクロフノリ・ハナフノリはほぼその地の平均水面または小潮平均干潮位の上部より大潮平均満潮~飛沫帯まで広い幅で着生帯がみられる。またこれと同位にはボタンアオサの着生帯がみられる。
    マフノリはほぼその地の平均水面を中心に小潮平均干潮位より小潮平均満潮位に着生がみられ, これとほぼ同位にはイロロ・イシゲ・イワヒゲの着生帯がみられる。またマフノリ下限帯付近にはカモガシラノリの着生がみられる。
    マツノリ・ヒトツマツ・トサカマツは基準面上60~90cmの高さから上限はその地の平均水面に着生帯がみられる。
    ヒトエグサは小潮平均干潮位の20~30cm下方から大潮平均満潮位の広い幅にみられ, フノリ着生帯の全層にわたっている。
    ヒジキ・ウミトラノオは基準面上30cm位の高さから上限はその地の平均水面付近に着生帯がみられる。これと同位にはシワノカワ・ワタモ・ハバノリ・カゴメノリの着生帯がみられる。
    フクロノリはヒジキ群落帯の下限付近から大潮平均干潮位に着生帯がみられ, その下限から最下部群落としてコブソゾ・ピリヒバなどの着生帯が形成されている。
    2) 野母崎町沿岸ではフノリ (主としてフクロフノリ) の着生帯にはイロロ・イシゲの群落の形成が発達して混生帯を形成しているところが多く, 刈り取り調査の結果では両種間に相当高度の負の相関々係がみられ, イロロ・イシゲのわずかの侵入によってフノリの単位面積当り生産量が指数函数的に減少し競合関係があることがわかった。またヒジキとウミトラノオとの関係でも同様の結果がみられた。
    3) マフノリを対象に岩面はく離による群落更行を調べた結果, マフノリの天然群落の発達した近傍であればマフノリが群落更行の第1次侵入老とみられ, 胞子の放出期が増殖施設適期とみなされる。
    4) 対馬東岸美津島町の鴨居瀬, 赤島の潮間帯群落の着生潮位を測定比較した結果, 岩礁面の向きによる水の動揺の度合によって同一群落構成種でもその着生潮位に著しい差異がみられ, 水の動揺の大きいと思われる赤島「八点」の地先が同一群落構成種の出現する着生潮位が著しく高く, また帯幅は最上部群落 (イワノリ) ほど広くなっている。
  • 崔 相
    1963 年 11 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 1963/05/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 水槽内においては稚貝が最もよく動き回り, 成貝, 老成貝の順に動き方が弱くなるが, 特に老成貝は移動力が乏しい。
    2) アサリの移動運動は, 1.足を前方へのばし, その収縮, 伸長のくり返えしによる前進運動, 2.足を横または後方へ出し, のばした足を支点として体を押し出す, 3.方法2の飛躍形であって, 瞬間的に殻長の2~3倍の前進を行なう等の3方法がみられる。方法1は各大きさの貝でみられる最も一般的な動き方であり, 方法2, 3は主に稚貝, 幼貝においてみられ, 老成貝においては方法3による動き方は全くみられない。
    3) 天然漁場においても成貝と比べて幼貝の移動が活発であり, 幼貝の30日間における移動距離は砂質地帯 (生息環境が良好でない場所) では4.8~5.7m, 砂れき質地帯 (生息環境が比較的良好な場所) では, 1.4~1.5mであった。
    4) アサリは自力によって遠距離の移動を行なうとは思えない。しかし, 風波, 潮流など他動的な要因により, かなり広範囲の移動が行なわれることが想像される。
    5) アサリの土砂の堆積に対する抵抗性は弱い。砂に埋没されたアサリの浮上の難易は, 貝の大きさ, 埋没深度と密接な関係がある。
    6) 10cm埋没では底生初期稚貝と老成貝には斃死がなかったが, その他の貝では3~18%の斃死がみられ, 15cm埋没では, 貝の大きさに関係なく37~50%の斃死がみられ, 20cm埋没では稚貝, 幼貝, 成貝で63~97%が斃死し, 老成見では70~100%の斃死がみられた。
    7) 表層までの浮上時間は10cm埋没では幼貝, 成貝が5~9時間, 老成貝が12時間を要し, 15cm埋没では, 幼貝, 成貝が11~12時間, 老成貝が15時間以上を要し, 20cm埋没では幼貝, 成貝でさえ17~20時間を要した。
    8) 陸性浮泥を用いて, 殻長10~15mmのアサリを3, 6, 9, 12cmの深さに埋没した結果では, いずれの深さにおいても約2週間にわたってアサリには障害がみられなかった。
  • 冨川 哲夫
    1963 年 11 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 1963/05/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1959年より1960年にかけて5時期にわたり鳥取県の8河川の水理学的および流下ブランクトンについて調査を行なった。
    1) 8河川において調査期間中の水温変化は5.0℃-30.9℃でpHは6.6-8.0を示し, 溶存酸素量は3.65cc/l-10.5cc/lまでを示した。
    2) 8河川で調査期間中採集された流下プランクトンの大部分は硅藻類によってしめられている。また出現数の季節的変化の最大は秋季で最少は冬季である。
  • 冨川 哲夫
    1963 年 11 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 1963/05/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 中村 中六, 笠原 正五郎, 貝塚 博, 宇野 将義
    1963 年 11 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 1963/05/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    沿岸の養魚池や諸水面を利用してのニジマスの養殖 (冬期) の可否について検討するため, ニジマスの塩分に対する適応性についてみると共に, それにもとづいて鹹水中での飼育を試みた。
    1) 淡水で飼育されたニジマスを直接鹹水に移した場合, c114‰程度まではそのための斃死はみられない。
    2) cl7.5‰に4日間慣らしたものでは, cl15.3‰の鹹水中でも斃死はなく, cl9.5‰に4~6日間慣らしてcl17.5‰の鹹水に移した場合, 当才魚ではなお斃死が多いが2才魚では斃死がみられなかった。
    3) cl14‰前後の沿岸水により, 3カ月間の水槽飼育を行なったが, 歩留りも良好 (93%) で, 摂餌や成長なども淡水の場合と変らない結果が得られた。
    4) 鹹水用水路 (cl13.7~16.5‰) に設置した網生簀による長期間の飼育においても, 斃死はほとんどなく順調な飼育結果が得られた。
    5) 鹹水養魚池や養鰻池 (cl12~16‰) における飼育では, 魚はいずれも出荷できる大きさに十分成長したが, 鳥害その他もあって歩留りの点では1例を除いては不良な結果に終った。しかしこれらの池のように換水量が少なく植物プランクトンの濁りがあるような環境においてもその養殖は十分行なえることが認められた。
  • 吉原 友吉
    1963 年 11 巻 1 号 p. 53-55
    発行日: 1963/05/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 11 巻 1 号 p. e1a
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 11 巻 1 号 p. e1b
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 11 巻 1 号 p. e1c
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
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