水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
14 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 柿元 晧
    1967 年 14 巻 4 号 p. 181-189
    発行日: 1967/03/10
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    昭和40年6月から41年8月にかけて底刺網漁獲試験により, 人工魚礁の効果範囲の調査を行った。
    1) 全般的漁況は調査2年目で漁期をはずしたウマヅラハギを除くと, 両年とも大差はなかった。
    2) 魚礁区域と一般漁場の反当漁獲尾数を比較すると, 総数において, 魚礁区域は一般漁場の1.64-2.05倍であり, 魚種によって効果に大きな差がみられた。
    3) 魚礁区域と一般漁場における魚種組成を比較するとかなりの差がみられた。
    4) 魚礁からの距離と反当漁獲尾数の変動から魚礁の効果範囲を検討してみると, 魚礁区域および魚礁の端から200mまでの海域, さらに離れた400-800mの範囲にも効果がおよぶと考えられた。
    5) 魚種別に効果範囲, 蝟集場所を検討した。
    6) 魚礁性の強い魚種では魚礁における個体数が多くなると分布範囲が拡大される傾向が認められた。
  • 長谷川 仁
    1967 年 14 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 1967/03/10
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1. 養鰻池に多く発生するナガカイミジンコ (Herpetocypris intermedia) を駆除する目的で, シオドリン (Ciodrin, 有効成分46.1%) を使用してその致死限界濃度について検討した。 併せてウナギに対する影響も調べた。
    2. シオドリン0.2P.P.M. ではナガカイミジンコは72時間後も生存しているが, 0.3P.P.M. では29-48時間の間に全滅した。
    3. シオドリン0.5P.P.M. ではナガカイミジンコは29-33時間の間に全滅したが, デイプテレックス (Dipterex Soluble Powder, 有効成分80.0%) 0.5P.P.M. では43-51時間の間に死亡し始めた。
    4. シオドリン0.3, 0.5P.P.M. ではウナギは22時間後も異常はなかったが, ディプテレックス0.5P.P.M. では多量の粘液分泌があり, 衰弱の激しい傾向がみられた。
    5. シオドリンの使用濃度は0.3P.P.M. が安全であり, 適当と思われた。
  • 成長と末枯れについて (予報)
    西川 博
    1967 年 14 巻 4 号 p. 197-203
    発行日: 1967/03/10
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    養殖ワカメの葉体長30-40cm級の成葉体を主に使用して, それぞれの茎部に標識をつけ茎葉移行部より数cm上方にパンチにて穿孔し, パンチ孔間の測定から葉状部の成長ならびに茎の成長および測定時の葉長・葉体長の測定から真の葉長・葉体長を計算して, 時期的に葉体の成長と末枯れおよび水温との関係を調べ次の結果を得た。
    1) 12月下旬-3月中旬の間は成長が盛んで, 葉状部で12-15mm/day, 全成長は14-23mm~dayを示した。 3月下旬頃には成長も緩慢になり, 葉状部では5-10mm/day, 全成長では13mm/day前後となり, 4月中旬以降はともに2-5mm/dayとなって成長が著しく鈍くなった。
    2) 末葉れは成長が盛んな2月中旬頃までは5-10mm/dayで, 成長>末枯れで伸長は続けられるが, 3月下旬頃になると末枯れが10-20mm/dayとなって成長≒末枯れ, または成長<末枯れとなって伸長は停止し, 4月中旬以降成長が著しく鈍るとともに末枯れが短期間で著しくなり成長<末枯れとなり, 葉状部, 葉体部とも末枯れが成長の2.5倍以上13倍となり葉体は著しく短縮した。
    3) 3月中・下旬より1cm以下のクシバ状葉片数の減少が目立ちはじめ, ワカメの生活機能の衰えとともに成長が鈍り, 末枯れによる減耗が大きくなって伸長は停止→短縮した。
    4) 水温が12-13℃より10℃に下がる頃は成長が盛んで成長<末枯れで盛んに伸長を続け, 13-14℃になると成長が緩慢になり成長≒末枯れとなって伸長は停止した。 しかし, トップ・グループの成長の早い葉体はこの頃にはすでに成長が著しく鈍り成長<末枯れとなった。 水温14-15℃になると成長が鈍り成長<末枯れとなり葉体は短縮し, 17-18℃以上になると成長が著しく鈍り, ほとんど末枯れによる減耗のみとなった。
    5) 成長は葉体の老幼も関係するが, 温度の支配が大きく, 末枯れは温度よりも葉体の老幼に大きく左右されるように考えられる。 また高水温は成長を低下させるとともに老化を早め, 間接的には末枯れを早めて見掛けの成長を低下させている。
  • 倉田 博
    1967 年 14 巻 4 号 p. 205-219
    発行日: 1967/03/10
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top