水産増殖
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16 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 下村 政雄
    1969 年 16 巻 5 号 p. 231-238
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1) 淡水飼育中のサケ・ニジマスにかなり強度の脊柱異常が生じ多量のへい死が見られた。この異常は単純な脊柱彎曲症と異なり, 脊柱の前後方向の短縮・椎体間の離断などきわめて強度なもので, それにもとづく内出血, 筋肉の壊死, 脊髄・内臓諸器官への圧迫, 炎症などが死因と考えられる。
    2) これをSoftexにより経時的に観察し, この異常がほぼ正常な状態から徐々にまたは急激に進むことを確認した。また, これらは椎体間をつなぐじん帯の異常をも伴うことが判った。
    3) 原因は先天性のものではなく飼育環境, 例えば, 飼育密度・飼育空間・光などが複合しあったものであると考える。
  • 西内 康浩, 橋本 康
    1969 年 16 巻 5 号 p. 239-245
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 道也
    1969 年 16 巻 5 号 p. 247-249
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
  • 榎本 義正
    1969 年 16 巻 5 号 p. 251-259
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    人等高等動物の交感神経遮断剤であるクロルプロマジン (コントミン) が魚にも鎮静作用のある事を先に報告したが, 本報には甲殻類, 貝殻を含む無脊椎動物に対する効果を予報的に報告した。結果を要約すると次の通りである。
    1) 甲殻類ではとびはねる反射運動の有無, 貝類では開殻し, 刺戟しても閉殻しなくなる状態, 器壁に付着する動物については付着力のなくなる状態を麻酔の目安とした。
    2) 試みられたすべての海産無脊椎動物に対してある種の麻酔作用があるが, コントミンの薬効が現われる迄の時間には同一処理内で個体差が著しく, 特に閉殻の完全な貝類にその傾向が著しい。注射又は注入によるとどの貝にも開殻効果がみとめられる事から判断すると, これらの貝類はは閉殻する事により, かなり長時聞にわたリコントミンの体内への浸漬を防ぐ為に薬効の発現がおくれるものと考えられる。
    3) 一般に水温が高いと薬効の発現する迄の時問が短かくなる。
    4) 閉殻する貝類を除いて一般に種類大小を問わず, 水温15-18℃でクロルプロマジン40-100ppmでは60分以内に麻酔効果を現わすものが比較的に多い。
    5) 水産面の応用としてはアゴヤガイの挿殻手術やカキのむぎ身作業への利用が出来ないか研究をすすめている。
  • 2. 越夏深度について
    坂井 英世
    1969 年 16 巻 5 号 p. 261-267
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    天然産マコンブ類を産しない佐渡沿海において, 三角型養殖施設を用いて, 1.5m, 5m 8m, 12m, 15m, 層の5段階別に養成した1年目養殖マコンブの越夏による残留葉状体の深さ別歩留をしらべて次の結果を得た。なお越夏葉状体の確認は, 節間成長帯にツキダシ状の再成長帯を形成したものをもって決定した。1) 5段階別による1年目養殖マコンブの越夏を行ったところ, 10月中旬に12m, 15m層に葉状休にツキダシ状の再成長葉状体を確認し, 佐渡沿海における越夏深度は12m層を上限とする以深にあった。2) 越夏を可能とした12m層以深の水温は, 夏期に25-26℃を上限とする水温帯にあった。
  • 生育密度・生長および収量について
    西川 博
    1969 年 16 巻 5 号 p. 269-278
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    有明海島原でワカメ養殖試験を行い, 生産過程での生育密度・体長組成の変化・生長・収量について, 間引き・一斉採取の場合について調べ次のような結果を得た。
    1) 生育密度は12月下旬に850個体/mで最大となり, その後は間引きした場合と否とにかかわらず減少して2月中旬に300個体/m, 養殖末期には200個体/mぐらいになった。
    2) 間引きしなかったものは1月上旬に大型群体長50-70cmとなって数群を作り, 2月中旬に大型群体長が80-100cmに移行すると, 体長5cm以下の幼葉がなくなり, 3月下旬には10数群を作るが体長は150cmを生長限界として見掛けの体長は小さくなる。
    3) 間引き採取は大型群平均体長が50-60cmになったときに経験的に行われ, 間引き直後の大型群平均体長は30-40cmで, 間引きによって体長50cm以上の個体が殆んどなくなる。養殖末期まで6回の間引きで採取個体数は約340/mであった。
    4) 体長40cm級以上のものが採取の対象にされたとすると, 間引き採取では養殖個体数の約40%, 2月中旬以降の一斉採取では約15%を利用したに過ぎない。
    5) 1回の間引き採取で養殖末期を除くと平均0.8kg/mの採取量で, 単位平均生産量は7.0kg/mであった。
    一斉採取によ単位平均生産量は3月上旬を境に急増し, 3月では17.0kg/m, 養殖末期には30.0kg/mとなった。しかし, 品質と全体の収量の増加を計る点では3月上旬の一斉採取が適期と思われる。
  • 相模川における昭和42年の流下仔アユについて
    松浦 秀喜, 小川 良徳
    1969 年 16 巻 5 号 p. 279-284
    発行日: 1969/01/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1) 相模川における昭和42年の流下盛期は, 11月中-下旬と推定される。
    2) 流下の日週期は5:00と11:00にピークがあり, 前年度の結果と異なっている。
    3) 総流下量は約1.4億尾と推定されたが, 出水の影響を考慮すると約1.2億尾となる。この値は漁獲量から計算した値19億尾とかなり差が生じており, この原因追究には種々の調査を併せて行なわなければならぬ。
    この調査の実施にあたり, 御支援を賜った東海区水産研究所日高所長, 同所須藤増殖部長, 神奈川県水産試験場野村前場長, 同場海老塚技術研究部長, また現場調査に協力していただいた作中宏 (現神奈川水試), 竹内暁夫 (現日本青年海外協力隊員) の各位に心からお礼を申しあげる。
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