水産増殖
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17 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 榎本 義正, 中村 哲也
    1970 年 17 巻 4 号 p. 167-175
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
  • コイ, エビ, ザリガニおよびアサリに対する毒性
    大内 康敬, 河辺 克巳
    1970 年 17 巻 4 号 p. 177-186
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    稲の殺虫剤バイジットおよびツマサイドの, 水産生物に対する毒性を, 室内試験的に検討した。
    1. バイジットのコイに対する24-72時間TLmは3.12-2.27ppmであり, アメリカザリガニに対しては0.05-0.0027 ppmであった。
    2. ツマサイドのイソスジエビに対する24-96時間TLmは0.12-0.036 ppmであり, アサリに対しては100 ppm以上であった。
    3. アサリがへい死する濃度はかなり高いが, 20 ppm以下でもこの状態が2日続くと生理活動はかなり弱まった。
    4. 対象生物が同一でも, 薬剤の形によってその毒性は異なり, ツマサイドの場合, 原体は製剤の約2倍の毒性を示した。
    5. 供試生物の体長によっても毒性の現われ方が異なり, イソスジエビの場合, 幼体は成体の約3倍の毒性を受けた。
  • ノリ糸状体に対する毒性
    大内 康敬, 河辺 克巳
    1970 年 17 巻 4 号 p. 187-197
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    バイジット乳剤, ツマサイド粉剤およびSB粉剤のノリ糸状体に対する致死濃度および生育におよぼす毒性について室内試験的に検討した。
    1. バイジット乳剤は5ppm以上で強い毒性を示し, 1ppm以下では対照と同様な生育を示した。
    2. ツマサイド粉剤によって生育阻害が起きない濃度は, 製剤では10 ppm以下原体では3 ppm以下であって, 原体添加時の毒性は製剤添加時の約3倍であった。
    3. SB粉剤の毒性は200ppm以上でかなり強く, 平面式隔日換水状態で培養すると12日後に全滅した。100ppmでは30日後も全滅には至らなかった。しかし30日後も外観変化が認められなかったのは, 20ppm以下であった。一方培養海水を換水しない場合には, 300 ppm以下の濃度で障害発生進行が遅れた。
    4. 生育の遅れた糸状体では, 更に強い障害を受けた。
    5. 平面培養に較べて垂下培養の方が障害の現れ方は遅かった。
    6. 培養海水を攪拌すると, 静置状態に較べて障害は促進された。しかし垂下培養で通気した場合にはかえって毒性が減じた。
    7. SB粉剤の沈降成分を濾過して培養すると毒性はかなり減じた。しかし鉱微粉のみで培養してもほとんど障害は起きなかった。またアルコールでエマルジョンにして添加すると毒性は著しく増し, その濾液を加えた場合もほぼ同様の強い毒性を示した。
  • 大場 俊雄, 遠山 忠次, 萬上 聰一郎, 佐藤 新, 坂本 仁
    1970 年 17 巻 4 号 p. 199-209
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1) 千葉県下でアワビ蓄養を行なっている仲買業者39名に面接し, こずみについて聞取り調査を実施し, またこずみ現場の調査を行なって次の結果を得た。
    2) 1967年現在, こずみが行なわれている地域は安房郡白浜町および同千倉町であり, こずみは地域的に限定されたアワビの蓄養方法である (図1)。
    3) こずみを行なっている業者数は白浜地域で8名 (こずむ平かご数約310), 千倉地域で5名 (約160) の計13名である。
    4) 平かごは底面積ほぼ1m2, 容積約0.4m3の竹かごで, この中にクロの場合100-120kgを収容して蓄養する。こずみはアワビを収容した平かごをほぼ最干潮線付近の海底の凹地に置き, 平かごの周囲に転石を積み囲んで固定して蓄養する方法である (図2, 4)。
    5) 夏期大潮時には, こずみ場の水質は潮汐に伴って変化が著しく, 低潮に向って水温・pH・溶存酸素量が上昇し, 塩分量は低下する。上潮時には外海水の流入によって, 水温・pH・溶存酸素量が低くなり, 塩分量は高くなる (図5)。
    6) こずみ期間は普通約3カ月までで, その間のアワビの重量減少率は約10%と考えられる。こずみ期間が長くなる程死亡率が高くなる傾向を示す (表5, 図6)。
    7) 白浜千倉地域にこずみが発達した理由を地形条件および仲買業者の経営特性から考察した。
  • 田島 迪生, 町中 茂, 内木 幸次
    1970 年 17 巻 4 号 p. 211-220
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1) 1964年の夏頃から石川県外浦海域にイタヤガイの大量発生がみられ1967年に最大の漁獲量を示した。1967年4月18日から5月5日にかけて生息状況を調査した。
    2) 採捕されたイタヤガイ測定平均値は生貝で殻幅2.08cm, 殻長8.11cm, 殻高7.03cm, 全重49.1g, 肉重20.7g, 死貝で殻長7.57cm, 殻高6.65cmであった。
    3) 貝殻に表われる成長休止帯と1964年から毎年採捕されている貝の大きさに基く年令査定の結果から本海域のイタヤガイは3年貝が主体とみられた。また, 貝殻の成長休止帯の状況からこれらのイタヤガイは同一発生群のものであろうと推定された。
    4) 生貝と同時に採捕された死貝のほとんどは生貝とほぼ同様の部位に成長休止帯を持ち, ほとんど同じ大きさであったから, これらの死殻は斃死後あまり長い時日がたっていないと判断された。
    第11図 地点別の殻幅, 殻長, 全重の組成
    5) 採取した底土中にもイタヤガイ稚貝がわずかにみられたが, すべて死貝であった。
    6) イタヤガイの生息密度と殻長/殻幅の値を検討したところ, 石川県外浦海域に漁獲されたイタヤガイは漁獲量の多い場所では少ない場所のものよりも貝の厚さが比較的薄かった。
    7) 水深50mの区域で漁獲されたイタヤガイは, 水深60mのものより, 殻長がやや小さい値を示した。
  • 石井 俊雄, 石田 修
    1970 年 17 巻 4 号 p. 221-226
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1) カーメックスDのアオミドロに対する駆除濃度は1 ppm以下である。
    2) 藻類Dicyosphaeriumに対しても1 ppm以下で駆除効果がある。
    3) コイ, ヒメダカ, ドジョウ, ウナギの稚魚に対する48時間TLmは13.2 ppm以上にあり, 養魚池の藻類駆除に適していると考えられる。
  • 福原 修
    1970 年 17 巻 4 号 p. 227-235
    発行日: 1970/03/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    マダイ (Chrysophrys major) 稚魚を使用して壁面を黒く塗ったガラス水槽と何も塗っていないガラス水槽における分布様式の相違を35mm写真機を利用して, フィルム合板法で観察した結果
    1 黒色水槽では稚魚の分布は摂餌中と摂餌後のいずれの場合も変動が少なく, 摂餌には適した条件になると判断できる。
    2 透明水槽では摂餌中, 摂餌後の分布状態を観察したところ, 特に光に対する稚魚の行動と分布に著しい変動がみられた。
    以上の結果から飼育水槽の壁面を黒く塗った方が照度の点を配慮すれば飼育方法として透明水槽より優れていると推察される。
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