水産増殖
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26 巻, 1 号
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  • 立石 賢, 田代 征秋, 矢田 武義
    1978 年 26 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1978/06/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 西川 博, 吉田 範秋
    1978 年 26 巻 1 号 p. 6-15
    発行日: 1978/06/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    クロメ・アラメの種苗培養・中間育成・本養成について1970年・1974-1976年の4か年にわたって, 西彼杵郡三和町川原漁場および島原市猛島漁場において実験を行なった。特に1974年10月に採苗したクロメ・アラメ種苗は延縄式の方法によって3年体まで継続養成して葉体の成育過程・葉体各部位の生長・単位当り現存量・生育密度などについて調べ次のことがわかった。
    1) 芽胞体の発芽は水温20℃の培養開始で最も早く20日でみられ, 25℃の開始では30日, 16℃の低水温の開始では最も遅れ40日を要した。17℃の恒温では25日で発芽がみられた。
    2) 幼芽の生長は沖出し時に芽胞体の大きさ30-190μの範囲では, 沖出し水温19℃で最も早く, それ以下の沖出し水温では段階的に生長が遅れた。
    3) 1年目のクロメ・アラメの体長は, 冬-春季に生長し, 夏の終りから秋季にかけて葉状部の末枯れが著しく体長は短縮した。
    4) 1年体の再生長は両者とも11月頃からはじまり, 2年目の冬-春季に急速に生長して側葉も次第に数を増した。アラメは2年目の12-1月にかけて茎葉移行部で完全に二又した。
    5) 2年目の生長は1年目の生長傾向と相似し, 夏-秋季に末枯れして体長は短縮したが, 生育盛期の4, 5月には両者とも大きく生育し体長50cm, 個体重量230gになった。3年目の4, 5月にはさらに大きく生育し, アラメは体長70cm, 個体重量300-600gになった。クロメは2年目の夏季以降は中央葉は末枯れして体長は短縮し3年目の5月でも34cmにとどまったが, 側葉は著しく伸長し葉幅は70cmになった。個体重量は2年目の1.5倍に増重して300-400gになった。
    6) 2年目以降の葉片数の季節変化は両者とも小さく, 常に一定数の葉片をつけており, 夏季の未枯れ期でも古葉の消失を新葉の生成によって補充していると考えられる。
    7) 茎長は両者ともあまり伸長がみられず, 2年目の終りから3年目の5月で約9cmで短い。
    8) 養成親ロープのクロメの現存量は2年目の5月に6.8kg/m-32本/mでピークに達し, 3年目の4月には7.4kg/m-25本/mとなった。アラメは3年目の5月に4.1kg/m-13本/mであった。
    9) 中間育成中のタネ糸上の発芽数は体長2-3mmのときに100-200本/cmであったが, 体長1cmになる頃には著しく減少して10本/cm前後となった。養成にはいってからは親ロープ上に2年目で32-36本/m, 3年目で25本/mの生育がみられた。
  • 天然採苗について
    佐竹 武元
    1978 年 26 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 1978/06/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1977年3月上旬, 前年度実施の予備試験結果をふまえ, 島根県八束郡鹿島町恵曇湾の生洲鼻地先 (水深28m) においてイタヤガタイの採苗試験を行なった。水深3mから海底まで1m毎に波板収容の採苗袋を具える採苗器を2連垂下し, 3か月および4か月後に1連づつ取上げて採苗袋に付着したイタヤガタイ稚貝の数と大きさを層位別に調べた。その結果,
    1. 稚貝の層別平均付着数は, 上層から海底に移るにしたがって大となった。また, 稚貝の殻長は層別には差はなかったが, 4か月後の場合では平均20.2mm (最大35mm) に達し, 中間育成に移行可能サイズとなった。このときの付着数は, 底層 (21-25m) では平均187個, 底部 (26-底) で328個であった。採苗適層は中層以深である。
    2. 採苗器の取上げ適期は, 稚貝の付着数と生長度の上から, 7月上旬以後下旬までと思われた。
    3. 島根県沿岸におけるイタヤガタイの天然採苗は, 今後くわしい調査が必要だが, その可能性のあることが実証された。
    4. 幼生の付着に関する研究上の問題点が示唆された。
  • 2・3の親魚養成餌料の比較
    田畑 和男, 柴田 茂
    1978 年 26 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1978/06/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 西内 康浩, 浅野 和也
    1978 年 26 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 1978/06/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    シオカラトンボ (一部ギンヤンマ) の幼虫への数種農薬の毒性試験を行ない, その結果MEP, PAP, ダイアジノンなど有機りん系殺虫剤の毒性の強いことがわかり, また, 他の水棲生物の薬剤感受性と比較するとそれはミジンコよりは低くコイ, レッドスネル, オタマジャクシよりも高い関係にある事実を見出した。
  • 稚鼈の加温越冬試験について
    金本 自由生, 照屋 忠敬
    1978 年 26 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 1978/06/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    亜熱帯地域におけるスッポン養殖上の問題点となっている稚鼈歩留りの悪さの防止と, 養成期間短縮のため1976年12月6日-1977年5月20日まで加温試験とそれに付随した試験を行った。
    1) 加温した場合の平均体重は, 初期体重に対して第1期は約5倍, 第2期で10倍位にもなったのに対し, 加温しない場合は, それぞれ, 1.6倍, 6倍にすぎなかった。
    2) 病気で死んだスッポンが多かったが, 第1期, 第2期試験とも, 歩留は加温区の方が15.17%・95.45%と自然区8.28%・41.67%のを上まわった。
    3) 水質は加温によってさほど悪化しなかった。特にNH4-Nは増加が少なく, 水質による影響は無いといえるだろう。
    4) 摂餌量は特に水温によって左右されると思われ, 第1期の摂餌量は加温区で1,522.79, 自然区で211.1gと大差があった。歩留りを考えても加温区の方が良い。
    5) 加温終了後は, 自然区の方が加温区より, 日間増重率・餌料転換効率M1M2とも良かったが, 成長は加温区には追いつかなかった。
    6) 投餌率を上げたにもかかわらず, 第2期の方が餌料転換効率が加温区・自然区ともによく, その他, 日間増重率・歩留り・総増重量ともによくなっている。
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