水産増殖
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39 巻, 4 号
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  • 邱 嘉仁, 酒井 清, 隆島 史夫
    1991 年 39 巻 4 号 p. 343-351
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1988年9月から1989年8月までの間, 印旛沼におけるオオクチバスの産卵期, 卵形成過程および精子形成過程を組織学的に調べるとともに, LHRH-aによる催熟促進や低温処理による3倍体魚の作出を試み, 以下の結果を得た。
    1) 組織学的に本種の卵母細胞の発達過程は10期に分けられた。
    2) 組織学的に本種の精子形成の発達過程は3期に分けられた。
    3) 卵母細胞の発達様式は非同期発達型に属した。
    4) 産卵期は排卵痕の出現時間より4月下旬から6月上旬と推定された。
    5) 精子形成には春と秋の年2回のピークが認められた。
    6) 体重1kgあたり15~80μgのLHRH-aコレステロールペレットを腹腔内に投与することにより, 投与後31.5~55時間で排卵させることができた。
    7) 媒精後3~7分経過時に0℃の低温に受精卵を20~30分間浸漬することにより, 3倍体魚の作出が可能であった。
  • 城戸 勝利, 渡辺 康憲, 中村 幸雄, 岡村 武志
    1991 年 39 巻 4 号 p. 353-362
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    マダイの卵期および仔稚魚期の生残に及ぼすアンモニアの影響について検討した。
    (1) 水温20℃, 塩分34.26~34.46‰, pH8.03~8.12, 溶存酸素量5.36~5.37ml/l (飽和度100%) の対照区毎水の水質条件下におけるマダイ卵の孵化時の正常生残に及ぼすアンモニア (NH4-N) の半数孵化濃度 (HC50値) として6.6~7.0ppmが得られた。試験海水のpHは8.03~9.35とアンモニア濃度の増大とともに増大した。非解離アンモニア (NH3-N) としてのHC50は0.79~0.88ppm-Nと見積もられた。
    (2) 水温21℃, 塩分33.81~34.39‰, pH8.11~8.19, 溶存酸素量5.17~5.29ml/l (飽和度97~100%) の対照区海水の条件下で, サイズの異なる3群のマダイ仔稚魚 (平均体長7.8, 8.7, 12.4mm; 平均体重7.5, 15.9, 52.7mg) の正常生残に及ぼすアンモニア (NH4-N) の21~168時間半数致死濃度 (LC50値) を求めた。15.9mgおよび52.7mgサイズの仔稚魚の96時間LC50として3.0, 4.9ppmが得られ, 大きなサイズの仔稚魚のLC50値が高かった。非解離アンモニア (NH3-N) としての96時間LC50は, サイズの増大につれて0.26ppm-N, 0.58ppm-Nと見積もられた。試験海水のpHは, 8.11~8.97 (開始時) から, 96時間後に0.19~0.58低下 (供試魚生残区) した。
    (3) 平均体重7.5mgの仔稚魚の接触時間毎のアンモニア (NH4-N) のLC50値は, 接触時間21~68時間の範囲で接触時間とともに減少し, 21時間で5.0ppm, 44時間で2.9ppm, 68時間で2.6ppmであった。一方, 平均体重15.9, 52.7mgの仔稚魚については, このような傾向は認められず, 前者では25~96時間, 後者では26~168時間LC50値はほぼ一定であった。
  • 杉田 治男, 間瀬 賢一, 岩田 大, 加藤 周二, 杉浦 千絵, 上田 龍太郎, 出口 吉昭
    1991 年 39 巻 4 号 p. 363-369
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    海産巻貝類のメガイアワビ, トコブシ, サザエおよびバテイラの消化管内細菌相を調べたところ, 多くの個体でVibrio4, 6, 7, 8, 9群およびPseudomonasが優占した。また分離菌株のビタミンB12産生能を測定したところ, 巻貝類各種からの分離菌の産生能は1.2~2.5ng/ml/OD630であり, 海水由来菌の平均値 (1.7ng/ml/OD630) と大差なかった。そして高生産性 (>5ng/ml/OD630) を示した菌は全産生菌の僅かに6%に過ぎず, それらは特定の細菌種に偏在するものでもなく, また必ずしも優占菌でもなかった。これらの結果から, 海産巻貝類の消化管内細菌によるビタミンB12産生能がティラピアなどの淡水魚類の消化管内細菌よりは著しく低いことが示唆された。
  • 浜口 昌巳, 楠田 理一
    1991 年 39 巻 4 号 p. 371-374
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ブリ稚魚に経口および浸漬法を用いて卵白リゾチームを投与して, 類結症状に対する感染防御性の変化を検討した。
    1) 配合試料を用いた経口法によって卵白リゾチームを投与したブリでは, 投与量が1~1000mg/kg魚体重の範囲内では, ブリの体内への取り込みはなく, したがって感染防御性に変化は認められなかった。
    2) 浸漬法によって卵白リゾチームを投与したブリでは投与後, 短時間のみ体表粘液中のリゾチーム活性が上昇し, 類結節症に対する感染防御性が上昇したが, その持続性は認められなかった。
  • 石田 修, 坂本 幸満, 高橋 浩美
    1991 年 39 巻 4 号 p. 375-379
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    紫外線水殺菌装置を用いてクロアワビ母貝に放卵刺激を試み, 放卵までの所要時間を調べて放卵時刻の同調性について検討を行った結果, 12月4日の第9回目の実験以外はモード範囲の10分間以内に刺激に用いた母貝数の35.7~55.6%の個体が同調放卵を行った。
    飼育水温, または刺激時の水温によって刺激開始から放卵までの所要時間が異なり, 水温が高いほど所要時間が短くなり, 1℃の差が14~15分の時間差を生じさせた。
  • 宮崎 統五
    1991 年 39 巻 4 号 p. 381-385
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ふ化後17ヶ月齢の不稔3倍体サクラマスを用い, スモルト化率及び海水移行後の血清中のNaイオン濃度の変化を調べ, 対照の2倍体サクラマスと比較した。
    不稔3倍体サクラマスのスモルト化率は100%であり, 対照サクラマスの53.8%よりも著しく高かった。また海水移行後の対照2倍体パーの血清中のNaイオン濃度は約5, 000ppmであったが, 不稔3倍体及び対照2倍体スモルトのNaイオン濃度はともに約4, 000ppmであり, 対照2倍体パーよりも有意に (P<0.001) 低かった。
  • 黒沢 和寛
    1991 年 39 巻 4 号 p. 387-391
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    フィリピンの同一水域に分布する2種のカキ, C.iredalei, S.tuberculataの浮遊幼生を識別するため, 人工飼育を行って幼殻の形態を比較した結果, 以下の点で識別可能であることが判明した。
    1) C.iredalei幼殻の殻頂は大きく, 成長するに従い後方に傾くようになるのに対し, S.tuberculata幼殻の殻頂は前種より小さく, 後方に傾く度合いが少ない。
    2) C.iredalei幼殻は全腹縁の方向に張り出して成長するため, 右殻の輪郭が楕円形を呈するが, S.tuberculataではその傾向が弱く, 輪郭は円形に近い左右相称型である。
    3) 殻長 (L) と殻高 (H) の関係を見ると, D型期では両種ともL>Hであるが, C.iredaleiの場合Lが80~90μmのときL=Hとなり, 以後付着するまでL<Hであるのに対し, S.tuberculataの幼殻がL=Hとなるのは90μm以上であり, それ以降もL=Hの関係が維持される。
  • 黒沢 和寛, カオイリ スーザン, カリアガ アナベル
    1991 年 39 巻 4 号 p. 393-398
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    オゾンを循環式水槽に間欠的に注入し, マガキ及びミナミマガキの浄化を試みた。日本の低水温の条件下では, fecal coliformのMPNが24時間後に230以下まで浄化されたのは, オゾン注入量が循環水1lにつき毎時0.015mgと0.021mgの場合で, それ以下, あるいはそれ以上の注入量では充分浄化されなかった。一方フィリピンにおいて行ったミナミマガキの浄化試験では, オゾン注入量を毎時1l当り0.058mg, 0.098mg, 0.392mgの3段階に設定したが, どの実験例でも24時間で効果的に浄化されたことが示された。また, オゾンには循環水中の亜硝酸態窒素の蓄積や溶存酸素の減少を抑え, 水質を良好な状態に保つ効果があったが, アンモニア態窒素の蓄積防止に関しては顕著な効果が見られなかった。
  • 山元 憲一
    1991 年 39 巻 4 号 p. 399-402
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    マアジの酸素消費量は安静状態では酸素飽和度が21.9%に, 激しい運動からの回復時における最大酸素消費量は43.6%に, 安静状態における毎分鰓換水量は75.3%に低下するまではほぼ正常状態での値を示した。つまり, マアジは酸素飽和度が75%より低下すると呼吸運動に低酸素の影響が現れるが, 44%以上あれば激しく暴れても生存可能であると推察された。
  • 林 小涛, 石渡 直典
    1991 年 39 巻 4 号 p. 403-406
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    オニテナガエビのふ化直後の第1齢ゾエア幼生を水温約28℃, 塩分約10.5‰のもとで, アルテミア・ノープリウスを投与して飼育し, 生残および変態に及ぼす餌料密度の影響について調べた。
    1) 餌料密度が5~10個体/mlの場合では0.5~3個体/mlの場合より生残率および変態率が高かった。また, 餌料密度が低下するにつれて, 変態日数が延長した。
    2) 本種ゾエア幼生を飼育する場合には, 5個体/mlの餌料密度が適当であると考えられる。
  • 林 小涛, 石渡 直典
    1991 年 39 巻 4 号 p. 407-411
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    オニテナガエビのふ化直後の第1齢ゾエア幼生を水温約28℃, 塩分約10.5‰のもとで飼育し, 生残および変態に及ぼす餌料の種類と投餌方法の影響について調べた。
    1) アルテミアを投与した場合およびふ化後10および15日目からアルテミアにアサリ肉を添加して投与した場合には, 生残率および変態率が高かった。ふ化後15日目にアルテミアからアサリ肉に切り替えて投与した場合には, 生残率および変態率が低下し, 10日目に切り替えて投与した場合には, 著しく低下した。また, 変態日数は餌料の種類と無関係にほぼ一定であった。
    2) 本種幼生を飼育する場合には, 生産コストを考慮して, 主餌料としてアルテミアを投与し, ふ化後10~15日目から補助餌料としてアサリ肉を添加して投与する方法が適当であると考えられる。
  • 加藤 文男
    1991 年 39 巻 4 号 p. 413-421
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    琵琶湖産ビワマスのスモルトと稚魚鱗の形成について, 形態と生態の面から明らかにした。
    1) 幼魚 (0+) は5, 6月頃, 体長約60mmで体色の銀白化が始まり, 湖へ降下する。湖中生活時に銀白化が一層強まり, 7月頃体長約80mmでスモルト期に移行する。
    2) 降湖後の6月頃, 生息環境の変化に伴ない, 体長70mm位で鱗に稚魚輪が形成される。その時の基部隆起線数は6~11本 (平均7.1本である) 。
    3) 幼魚の変態時に, 体色はかなり銀白化し, パーマークは消失するが, 背鰭先端の濃黒色斑はみられない。体高比はほとんど変らず, 銀毛化変態に伴なう形態的変化はやや弱い。
    4) スモルト期に鰓耙数と幽門垂数が定数に達し, 諸計数形質において成魚と同様になる。側線付近に赤点が少数散在するが, スモルト期を過ぎると消失する。
    5) スモルト期の平均体長は, 0+年魚の8月に約90mm, 12月に約130mm, 1+年魚の3月に約150mmに達する。
    6) 12月の平均体長約130mmの頃, 鱗に第一次冬帯が形成される。
    7) 夏季は沖合の水深10~20m (水温躍層) 以深の冷水域に生息する。
    8) 四季を通じて主にガンマルスを食べ, その他季節に応じてビワオオウズムシやエビ類, 稚魚なども食べる。
    9) スモルト (1+) の2, 3月における肥満度は13.3~20.5, 成熟度指数は雌が0.013, 雄が0.004~0.033ですべて未成熟状態であった。
  • 野呂 忠秀, 根本 隆夫
    1991 年 39 巻 4 号 p. 423-427
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    鹿児島県東町で食用として養殖されている緑藻ヒトグサ属, Monostromaの種名を明らかにするために, 配偶体と胞子体 (造胞体) の初期発生を調べた。それによれば, このヒトエグサ属の葉状体 (配偶体) は, 2本の鞭毛を持つ雌雄の配偶子を4月に放出した。これら配偶子は形態上雌雄の差はなく, 大きさも長径4.7±0.8μm, 短径3.0±0.4μmであった。これらの配偶子は合体して接合子となり, 8月までに60~70μmにまで生長した。やがて9月になると, この接合子から4本の鞭毛を持つ遊走子が放出した。この遊走子は基質に付着した後に1列の細胞体となり, さらに単一膜の葉状体に発達したが, その初期発生中に嚢状の形態を呈することはなかった。従ってこの初期発生形態から, 本種は中部日本に分布するヒロバノヒトエグサ, M.latissimumと同種のものであることが分かった。
  • 野呂 忠秀, 根本 隆夫
    1991 年 39 巻 4 号 p. 429-434
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    鹿児島県東町と喜入町で, 海苔網の上に養殖された緑藻ヒトエグサ属ヒロハノヒトエグサの季節的生長を調べた。
    それによれば9月以降, 海水温度が25℃に低下する頃に, 接合子から遊走子が海中に遊出した。この遊走子の放出は約2カ月間継続したが, その最盛期は10月に生じた。やがて基質に付着した遊走子は潮位120~180cmの範囲内で生育した。しかし, 潮位140cm以上では雑海藻の着生が多いことを考慮すると, ヒロハノヒトエグサの養殖網は潮位120~140cmの高さに張ることが望まれた。養殖網上に付着したヒロハノヒトエグサの配偶体はその後海水温度の低下にともなって生長し続け, 収穫期の3月に最大の大きさとなり, 4月には配偶子を放出して枯死流出した。
  • 中川 久機, 石尾 真弥
    1991 年 39 巻 4 号 p. 435-440
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Cd2+, Cu2+, Ag+およびCr2O72-の3種類の重金属イオンと1種類の重金属含有の陰イオンに対するメダカの成長にともなう感受性の変化を推測するために, 1) 卵の胚発生にともなう感受性の変化, 2) 卵, 孵化仔魚および成魚のLC50を測定した。
    Cr2O72-およびAg+に対する卵の感受性は胚発生の間均一でなかった。また, いずれの重金属イオンに対しても孵化まじかの卵や孵化した仔魚は, とくに鋭敏な感受性を示した。発生初期の卵は強い抵抗性を示した。
    LC50測定の結果から卵, 仔魚および成魚の中で, いずれの重金属イオンに対しても卵は強く抵抗性を示した。また, 仔魚はCd2+やCu2+に対して鋭敏な感受性を示したが, Cr2O72-およびAg+に対する仔魚の感受性は成魚よりも若干鋭敏な程度であった。
    したがって, 供試されたいずれの重金属イオンに対しても, メダカは卵の段階に強く抵抗性を示し, 仔魚の段階で鋭敏な感受性を示す。そして仔魚が成魚へと成長する過程で抵抗性を獲得する程度は, 重金属イオンの種類によって異なると推測される。
  • 奥村 重信, 廣瀬 慶二
    1991 年 39 巻 4 号 p. 441-445
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1988年10月15日に17尾のアカアマダイ漁獲死亡雄魚から精巣を取り出し, ホモジェナイズして液体窒素により凍結保存した。740日後の1990年10月25日に解凍し, HCGを投与した4尾のアカアマダイ雌親魚からの搾出卵に媒精し, 27, 350粒の卵から7, 950粒の受精卵を得た。凍結保存前の精子は80%以上が直進運動を行ったが, 解凍後は40-60%が動いており2~3割は円を描くように進み, 精子活性の低下が認められた。
    雌親魚は6尾を使用したが, 卵を搾出できたのは4尾で受精卵が得られたのは3尾であった。HCG投与直後の成熟度はほぼ同じと判断され, 人工受精の結果と投与量や投与後の経過時間について検討を加えたが, 明瞭な関係はみられなかった。
  • ムスタハル , 平田 八郎
    1991 年 39 巻 4 号 p. 447-453
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 本実験はワムシの環境順応性が産地別にどのように異なるかを知る目的で, 塩分濃度に対する順応性について, 寿命, 総産仔数, および日間増殖係数の面から調べてみた。
    2) 供試材料は屋島大型 (YL) 株, 屋島小型 (YS) 株, マレーシア小型 (MS) 株, ジャワ小型 (JS) 株, およびイスラエル大型 (IL) 株の5株とした。
    3) 設定塩分濃度は, 5‰, 15‰, 25‰, 35‰, および45‰の5段階とした。実験期間は75日間とし, その間, 0日目, 15日目, 35日目, 55日目および75日目に供試ワムシの寿命, 総産仔数, および日間増殖係数を調べた。なお, 期間中のすべての飼育は水温25℃, 照度1, 000lux (光周期15L: 9D) に設定したインキュベータ内で行った。
    4) 平均寿命は, YL株の10.3日が最高であり, 次いでMS株の9.0日, YS株とIL株の8.5日, JS株の7.8日の順であった。平均総産仔数は, MS株が14.9ind/genで最も多く, 他の株はJS株の12.3ind/gen, YS株の12.0ind/gen, IL株の11.0ind/genの順であった。平均日間増殖係数は, JS株の0.62が最高であり, 次いでMS株の0.59, IL株の0.50, YL, YS株の0.47であった。
    5) 塩分順応度はYL株が寿命と総産仔数の両面で最も順応度が高く, 次いでIL株の45‰区が長寿化の面で高い順応性が伺われた。その他の株も長寿化や総産仔数の面で順応性は見られたが, その傾向はYL株ほど顕著ではなかった。
  • 西内 康浩
    1991 年 39 巻 4 号 p. 455-458
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    農薬の魚類に対する毒性低減化への試みとして, 活性炭 (顆粒状, 粉末) , アルミナおよび土壌を取り上げ, ヒメダカを供し, 実験的に調べ, 以下のことがわかった。
    1.粉末活性炭の農薬除去効果は大きく, 処理後速やかに発現する。
    2.アルミナおよび土壌の農薬除去効果は極めて小さい。
  • 1991 年 39 巻 4 号 p. 459-467
    発行日: 1991/12/15
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
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