中海・宍道湖の主要二枚貝のヤマトシジミ, サルボウ, アサリ, ホトトギスガイの水温, 塩分, 貧酸素, 硫化水素に対する耐性について室内実験を行い, 実験結果からLT
50, LT
100を求めた。
1.水温耐性は, 4種とも30℃では影響が無く, 34℃での耐性は, ヤマトシジミが最も強く, ホトトギスガイ, サルボウ, アサリの順に弱くなった。
2.塩分耐性は, ヤマトシジミが淡水側に耐性が強く, 20psu以上に生息限界濃度があり, サルボウ, アサリ, ホトトギスガイは海水側に強く, 5psu以下では生存に影響があった。
3.貧酸素耐性の強さは, ヤマトシジミ, サルボウ, アサリ, ホトトギスガイの順であった。特にヤマトシジミは強く, ホトトギスガイは弱かった。
4.硫化水素耐性の強さは, 貧酸素耐性と同様に, ヤマトシジミ, サルボウ, アサリ, ホトトギスガイの順であった。
5.中海にアサリ, サルボウ, ホトトギスガイが生息し, 宍道湖にヤマトシジミのみが分布するのは, それぞれの種の塩分耐性が影響し, それぞれの湖内における4種の分布と生息密度は貧酸素が重要な制限要因となっている。
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