ホシガレイの実用飼料に適したDPおよびDEの含量を調べるために, 魚粉, 肝油および澱粉の配合量を調整して, DP含量を41, 46および56%とし, 各DPレベルでDE含量を3段階 (360, 400および440kcal/100g) に変化させ, DP/DE比を98-150mg/kcalとした9種類の飼料を調製した。平均体重50.0gのホシガレイに, 各飼料を一定の給餌率で与えて60日間水槽飼育し, その成長, 飼料効率および体成分を調べた。その結果, 増重量は飼料DPの増加とともに高くなる傾向にあった。また, 飼料DEの減少とともに高くなり, DPおよびDEがそれぞれ56%および360kcal/100gレベルの飼料7 (56.7%DP, 379kcalDE/100g) 区で最大となった。飼料効率, タンパク質効率, エネルギー効率および栄養素蓄積率にも増重率と類似した区間差が認められた。全飼料区の血液性状には明らかな差異はみられなかったが, 41%DP区では血清タンパク質, トリグリセリドおよびコレステロール濃度が飼料DEの増加とともに低下し, 45および56%DP区では体脂肪含量が飼料DEの増加につれて高くなった。以上の結果より, ホシガレイでは飼料DEの増加によるタンパク質の節約効果はみられないことが明らかになった。また, その実用飼料における至適DPおよびDEの含量はそれぞれ56.7%および379kca1/100gであり, このときのDP/DE比は150mg/kcalとなることが分かった。
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