水産増殖
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54 巻, 2 号
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  • 石橋 亮, 熊本 敦子, 加藤 武, 根本 隆夫, 古丸 明
    2006 年 54 巻 2 号 p. 125-134
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    利根川河口域において見いだされた移入種タイワンシジミ, ウスシジミの倍数性と受精卵の減数分裂過程を在来種ヤマトシジミと比較した。タイワンシジミには二倍体と三倍体が見いだされ, いずれも精子は非減数精子であった。受精卵の発生過程の観察結果, タイワンシジミは見いだされた2タイプとも雄性発生をしていることが確認された。一方, ウスシジミ, ヤマトシジミは二倍体で, 精子は半数体であった。両種とも受精後に第一減数分裂を再開し, 第二分裂後に雌性前核が形成され, 一般的な受精過程を示した。また, ヤマトシジミ卵にウスシジミ精子を媒精したところ, 受精卵は正常に発生し, D型ベリジャー幼生に至った。このことから, 利根川河口域において両種の雑種が形成される可能性があることが明らかになった。
  • 青山 茂, 土井 敏男, 柳内 健
    2006 年 54 巻 2 号 p. 135-138
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    絶滅危惧種ナガレホトケドジョウの人工増殖技術を確立するため, 網蓋付きタッパー容器を用いて産卵床選択実験を行い, さらに卵から子の育成を試みた。本研究で使用した網蓋付き採卵容器はナガレホトケドジョウに有効で, 産出卵は網の目を抜け, 容器の底に落ちていた。産卵床選択実験では, ウイローモス中, 枯葉中の順で選択された。残る石の下の隙間と活性炭の細粒中では明確な差はなかった。また, 本種は周囲と体が接するような狭い場所で産卵する習性があると考えられた。仔稚魚にアルテミアふ化幼生, 冷凍赤虫を与えて約10カ月間の育成にも成功し, 人工増殖技術が確立できた。
  • 横川 浩治, 近藤 康生
    2006 年 54 巻 2 号 p. 139-146
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    日本産フジノハナガイ科二枚貝4種, フジノハナガイChion semigranosus, キュウシュウナミノコTentidonax kiusiuensis, ナミノコガイLatona cuneata, リュウキュウナミノコLatona fabaのアイソザイム分析によりこれらの遺伝的特徴を調べ, またこれらの系統類縁関係を推定した。T.kiusiuensisL.fabaでは遺伝的多様性が著しく大きかったが, C.semigranosusL.cuneataの遺伝的多様性は軟体動物の一般的な水準とみなされた。遺伝的距離はL.cuneataL.fabaとの間で最も小さく, 次いでC.semagranosusT.kiusiuensisとの間で小さかった。そしてそれぞれの2種が近縁なグループを形成することが明らかとなった。この結果は, 貝殻の形態に基づく従来の分類を支持している。すなわち, 尖った三角形の殻で, 殻内面に刻みのあるChionTentidonaxの両属と, 丸みを帯びた三角形の殻で, 殻内面に刻みのないLatona属は異なる系統と判断できる。
  • 高橋 隆行, 天野 高行, 古川 清, 佐藤 秀一
    2006 年 54 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    日本における海産養殖対象魚種の1つであるトラフグTakifugu rubripesの稚魚期における実用飼料中へのリン酸塩至適添加量を調べるために, 第一リン酸カリウムおよび第一リン酸ナトリウム等量混合物 (リン酸塩混合物) の添加量が異なる実用飼料でトラフグ稚魚を41日間水槽飼育し, 成長, 飼料効率, 魚体成分などを調べた。成長や飼料効率はリン酸塩混合物1.0%以上の添加により改善された。また脊椎骨の形態異常率もリン酸塩混合物1.0%以上の添加により改善された。魚体ミネラル組成より, P含量およびCa含量はリン酸塩混合物1.5%添加にてほぼ一定となった。以上の結果より, トラフグ稚魚期に用いる実用飼料へのリン酸塩混合物至適添加量は1.5%前後と判断された。またその時の水溶性P含量は飼料中0.64%であり, 無胃魚であるコイの要求量0.6~0.7%と類似していた。
  • Jorge GALINDO-VILLEGAS, 深田 陽久, 益本 俊郎, 細川 秀毅
    2006 年 54 巻 2 号 p. 153-162
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    これまで数魚種で免疫賦活効果が認められている6つの物質のヒラメにおける自然免疫応答とEdwardsiella tardaに対する抗病性向上能を評価した。実験魚には, それぞれの物質 (α-トコフェロール, アスタキサンチン, β-グルカン, DL-アルギニン, L-アスコルビン酸, ペプチドグリカン) を混合した試験飼料を3週間給与した。成長, 血液性状, 液性免疫活性 (リゾチーム活性) および細胞性免疫活性 (走化性, 貧食能, 活性酸素産生能) を実験開始時から1, 2, および3週間後に測定した。上記の6物質の経口投与はいずれも成長と健康度には影響を及ぼさず, 溶菌能 (リゾチーム活性) と貧食能を亢進した。第1週と第2週では, アルギニンおよびアスタキサンチン給与群はいくつかの免疫指標で有意な応答を示した。ペプチドグリカン給与群のみで全ての免疫反応が3週間後までに亢進されていた。E.tardaの腹腔内投与においてペプチドグリカンとα-トコフェロール給与群は高い生存率を示した。以上のことから3週間のペプチドグリカン給与は炎症性の免疫応答を活性化させエドワジェラ症に対するヒラメの抵抗力を向上させることが明らかとなった。また, α-トコフェロールは本研究で測定した指標とは異なる免疫機構によって防御能を亢進させていると考えられた。
  • Jorge GALINDO-VILLEGAS, 益本 俊郎, 細川 秀毅
    2006 年 54 巻 2 号 p. 163-170
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Brevibacterium lactofermentum由来のペプチドグリカン (PG) は自然免疫応答と抗性を向上させることが知られている。本研究では給餌間隔が自然免疫応答とEdwardsiella tardaに対する抗病性向上能に及ぼす影響について調べた。試験飼料にPGを0.3%で添加した飼料または無添加飼料を用いて試験魚に以下の4つの給与間隔で40日間給与した: 対照群 (無添加のみ) , 10/10群 (添加/無添加を10日毎) , 15/15群 (添加/無添加を15日毎) , 添加のみ。試験期間中の7, 10, 15, 20, 25, 30および40日にリゾチーム活性, 遊走能, 活性酸素産生能を測定した。さらに10, 25, 40日に攻撃試験も実施した。PGの給与により血清リゾチーム活性と活性酸素産生能が投与期間に伴い有意に亢進し, 遊走能は7日後から試験終了時までほとんどの群で有意な上昇を示した。10/10群と15/15群では25日と40日に実施した攻撃試験の結果と自然免疫応答の結果との間に正の相関関係があった。添加飼料のみを給餌した群では, 40日後の生存率が対照群とほとんど変わらなかった。以上の結果からヒラメではPGの給与間隔により自然免疫を周期的に亢進することでエドワジェラ症に対する抵抗力を維持させることが明らかとなり, 15日以上のPGの連続給与は抗病性を低下すると考えられた。
  • 今井 正
    2006 年 54 巻 2 号 p. 171-178
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    秋田県鶴潟沼に陸封されているヌカエビの繁殖と成長を2001年5月から2003年6月の間に採集した幼生から成熟個体まで全ての発育段階の標本で調べた。抱卵個体は4月下旬から9月上旬に見られ, 4~7月の個体は前年に発生した大型のエビで, 8月と9月は当年生まれの小さな個体であった。体長約5mmの稚エビのうち, 前年の雌から発生した個体は6月から9月上旬まで出現し, その盛期は6月と7月であったが, 9月下旬以降に出現する当年の雌からの個体はほとんど採集されなかった。6月に着底したエビの成長は, 水温が20℃以上の期間に良好で, 10月に雄は体長14.5mm, 雌は15.9mmに達した。成長は水温の低い冬に停滞し, 3月と4月はマイナス成長を示した。5月以降, エビは少し大きくなり, 6月の繁殖の盛期に雄は16.4mm, 雌は20.0mmとなった。6月9日の着底日を起点とした成長曲線は, 雄ではLt=20.351 {1-exp [-1.466 (t/365+0.372) + (0.222/2π) sin (2π (t/365-1.694) ) ] } , 雌ではLt=29.683 {1-exp [-1.030 (t/365+0.275) + (0.123/2π) sin (2π (t/365-1.652) ) ] } で示された。本亜種は6月に個体数を減らすことから, 繁殖後に寿命を終えると考えられた。
  • 藤永 克昭, Anthony S. ILANO, 早狩 千秋, 尾山 康隆, 松石 隆, 中尾 繁
    2006 年 54 巻 2 号 p. 179-185
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    北海道沿岸の3つの海域において, 食用の巻貝のインポセックスの状況を, RPSI, インポセックスの出現頻度, および性比に基づいて調査した。インポセックスの程度を, 浅い水域に生息する種と深い水域に生息する種を比較する形で検討した。浅い水域に生息する種においてはインポセックスが認められ, 低いRPSI値を示した。しかしながら, 深い水域に生息する巻貝類においてはインポセックスを問題にする必要はなく, インポセックスは全く認められないか, 観察されたとしても非常に軽度のインポセックス個体がごくわずかに認められる程度であった。この結果から, 深い水域に生息する巻貝は, TBTの影響を受けにくいか, 仮に以前TBT化合物よって影響を受けたことがあったとしても, 現在はインポセックスからほぼ完全に回復していると考えられた。
  • 照屋 和久, 與世田 兼三
    2006 年 54 巻 2 号 p. 187-194
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    クエ仔魚の初期生残と成長を改善する飼育条件を把握するため, 小型水槽を用いた基礎飼育試験で, 水温 (24, 26, 28℃) , ワムシ給餌密度 (1, 10, 30個体/ml) および照度 (0.01以下, 100, 250, 500, 750, 1, 000lx) が仔魚の摂餌, 生残, 成長に与える影響を検討した。その結果, 適正水温は26℃程度, ワムシ給餌密度は20~30個体/mlが適していた。また, 仔魚に十分に摂餌させるには, 500lx以上の照度が必要であった。大型水槽による種苗量産試験では, 基礎飼育試験で明らかになった初期飼育の適正な環境条件を満たしたこと, さらに通気管を利用した飼育水の還流により仔魚の沈下死亡が防除できたことから, ふ化から開口までの初期生残率が改善された。その結果, 日齢50~54の生残率も20.9~29.6%と高まり, 平均全長23.9~27.2mmの種苗を合計35.9万尾生産することができた。
  • 石橋 亮, 村田 修, 山本 眞司, 岡 佑介, 米島 久司, 家戸 敬太郎, 宮下 盛, 熊井 英水
    2006 年 54 巻 2 号 p. 195-200
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    天然養成マサバの成長と生殖腺発達状況を調べた。供試魚は地先網生簀に収容し, 5~30日間隔で全長, 尾叉長, 体長, 体高および体重測定を行った。実験開始時の平均尾叉長は10.5±0.8cmで平均体重は11.0±2.9gであった。1歳魚の12月の時点で, 商品サイズの目安となる300gを上回った。実験終了時の尾叉長は32.1±1.7cmとなり, 平均体重は396.7±94.9gに成長した。次に, 地先網生簀より15日から30日間隔で雄雌それぞれ20尾ずつ取り上げて生殖腺重量を測定してGSIおよびKGを算出した。1歳魚雌個体のKGは2月後半から上昇を始め, 5月下旬に最大となった。それ以降は減少し, 8月には増加を始める以前とほぼ同様の水準となった。2歳魚のKGは1月から上昇を始め, 3月に産卵の目安となる5.0を越えた。それ以降6月下旬まで5.0以上を保ったが, 7月に入ると急激に減少し, 8月には前年11月と同じ水準となった。海上生簀で飼育した2歳魚の一部を, 3月から6月に陸上施設で飼育したところ, 5月2日 (日齢729日) 以降ほぼ毎日産卵が確認された。
  • 成田 光好, 細井 崇, 長崎 勝康, 古丸 明
    2006 年 54 巻 2 号 p. 201-208
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    2004年8月から2005年9月の毎月1~2回, 小川原湖において, 海水の浸入がある北東部と低塩分 (1.0psu以下) である南西部から採集されたヤマトシジミについて, 組織切片を作成し, 生殖巣の生殖周期, 身入度, 卵径の変動から, 湖南西部におけるヤマトシジミの産卵の有無を検討した。湖北東部と湖南西部で採集された試料の組織切片を観察したところ, 7月下旬から9月上旬の間に卵や精子の放出が確認された。また, 両定点での身入度や卵径は, 7月から9月上旬にかけてピークとなり, 9月下旬には減少した。さらに, 湖北東部と湖南西部の身入度と卵径の変動パターンはよく似ていた。産卵誘発実験を行ったところ, 水温が29℃であれば, 塩分1.0psuでも産卵と正常発生が確認された。これらのことから, 1.0psuを超えれば, 小川原湖南西部においてもヤマトシジミは産卵し, 正常発生すると考えられる。
  • 小林 俊将, 原 素之, 小林 正裕, 關野 正志
    2006 年 54 巻 2 号 p. 209-215
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    エゾアワビについて, 生後14カ月の殻長に基づいて4世代以上にわたり選抜された選抜集団に由来する種苗と, 非選抜種苗の成長 (殻長) を比較することにより, 選抜集団の成長特性を評価した。選抜集団由来の種苗では, 種苗生産段階 (ふ化後228日目まで) における増殻長率は, 非選抜種苗のそれよりも30~40%高かった。しかし, 種苗生産段階で見られた選抜種苗の早成長性は, 海面養殖段階 (生後14カ月から38カ月まで) では認められなかった。これらのことから, 種苗生産段階における種苗の早成長性という点で選抜効果は認められるものの, その効果が必ずしもその後の養殖段階においても現れるわけではないということが示された。今後, エゾアワビの選抜育種法を改良する上では, 初期成長の向上が, その後の高成長を保障するとは限らないということを考慮する必要があるだろう。
  • 中田 和義, 山崎 友資, 水田 浩之, 川井 唯史, 伊藤 博, 五嶋 聖治
    2006 年 54 巻 2 号 p. 217-224
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    北海道南西部の日本海沿岸で見られる藻場の消失に, 植食性小型巻貝類が及ぼす影響について調べる上で必要となる基礎的知見を得ることを目的に, 研究を実施した。まず, 小型巻貝4種 (クボガイ, コシダカガンガラ, エゾサンショウ, クロタマキビ) によるホソメコンブに対する摂餌痕跡を室内実験で観察した。スチロール樹脂製容器とスライドグラスに着生させたホソメコンブの配偶体をこれら4種の巻貝に摂餌させたところ, すべての巻貝種で配偶体の摂餌が継続的に確認され, 巻貝種間で特徴の異なる摂餌痕跡が観察された。この摂餌痕跡の種間差は, 歯舌の形態と大きさや摂餌様式が巻貝種間で異なることが影響したと考えられた。次に, 野外で採集したホソメコンブの胞子体を観察したところ, 小型巻貝による歯舌の痕跡と思われる形跡が多数観察された。以上から, 植食性小型巻貝がホソメコンブ群落に何らかの影響を与える可能性が示唆された。
  • 片野 修, 中村 智幸, 阿部 信一郎
    2006 年 54 巻 2 号 p. 225-226
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Stomach contents of the torrent catfish Liobagrus reini captured in the Urano River, Nagano Prefecture, were investigated by a stomach pump method. Food contents ranging 12-787 mg were collected from 10 individuals of L. reini (SL 6.1-9.9 cm) . The fish mainly predated on aquatic insects such as ephemeropteran nymphs, trichopteran larvae, and chironomid larvae. Terrestrial insects, fish scales, and detritus (plant debris) were also observed in the stomach contents. Although the food habit of L. reini was similar to some other fishes in the Urano River, a more detailed investigation of the foraging time and behavior, and prey preference is necessary in future studies.
  • 原田 和弘, 山本 強
    2006 年 54 巻 2 号 p. 227-228
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    The rearing feed for the second zoeal stage of snow crab Chionoecetes opilio was investigated using 30 l tanks, by feeding with rotifers Brachionus plicatilis, Artemia nauplii (immediately after hatching) and grown Aytemia (enriched with compound feed for Artemia) . By feeding grown Aytemia only to the second zoeal stage produced high survival rates. Also feeding a combination of rotifers, Aytemia and grown Aytemia together to the second zoeal stage, the survival rate was high. If only unenriched Aytemia are fed to the second zoeal stage, the survival rate was lower. These results show that feeding grown Artemia that have enriched to the second zoeal stage is effective for their survival. Unenriched Artemia potentially are nutritionally deficient to support larval survival and molting. Based on results of these studies, the feeding regime for successful rearing to the megalopal stage of snow crab has been clarified.
  • Isao MARUYAMA, Shinji YAMAMOTO, Masahiro HAYASHI, Osamu MURATA
    2006 年 54 巻 2 号 p. 229-230
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Rearing of larval red sea bream Pagrus major was performed by feeding with rotifers cultured in Chlorella vulgaris K-22 enriched with n-3HUFAs (mainly DHA) . Results for larval growth, survival rate, activity, and air-bladder opening rate suggested the successful rearing of the red sea bream. The total content of n-3HUFAs in the larvae at the end of the rearing was even higher than the level immediately after hatching. It can therefore be concluded that the enhanced n-3HUFAs in C. vulgaris were effective via rotifer for the rearing of red sea bream larvae. The n-3HUFA-enriched C. vulgaris makes it possible to realize the rearing of red sea bream without a secondary rotiferculture process for enhancement of n-3HUFAs.
  • 橘川 宗彦, 大場 基夫, 工藤 盛徳
    2006 年 54 巻 2 号 p. 231-236
    発行日: 2006/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ワカサギ卵を水生菌の発生を抑え効率よく孵化させるため, 陶土を用いて不粘着処理した受精卵を高密度で収容できる孵化器を用いる方法と従来の屋外飼育池に敷設した着卵基質に付着孵化させる方法とで孵化管理の比較試験を試みた。孵化器では屋外飼育池に比較し今回の試験では約5分の1省スペース化され, 使用水量も約3分の1に節水された。発眼率では有意差は認められなかったが, 飼育池で観察された卵の脱落による減耗も孵化器では防止できたことや, 受精卵の収容から孵化までの死卵の分離除去が容易であり, 薬剤等を使用せずに水生菌の抑制ができる等の利点があった。一度に多量の受精卵収容作業では不粘着処理に多少時間を要するが, 不粘着処理した受精卵を孵化器に収容する新たなワカサギ受精卵の効率的な孵化管理法を紹介した。
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