水産増殖
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54 巻 , 4 号
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  • 栗原 紋子, 奥村 重信, 岩本 明雄, 竹内 俊郎
    2006 年 54 巻 4 号 p. 413-420
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    マダコ幼生の飼育におけるイカナゴ給餌の有効性について検討するため, 大型と小型のアルテミア (Ar) のみを給餌する区と, それぞれに冷凍イカナゴフレークを併用給餌する区の4試験区を設けて, 孵化後42日間飼育した。生残率をみると, 小型Ar, 大型Ar, および小型Arとイカナゴ併用区では低かったが, 大型Arとイカナゴ併用区では10%と最も高かった。さらに, 飼育終了時の平均吸盤数と体重は, 大型Arとイカナゴ併用区において, それぞれ18.7個および26.6mgと他の区に比較して高い値を示した。幼生のDHAレベルは, いずれもイカナゴ併用区で高かった。これらのことから, 大型Arとイカナゴの併用給餌はマダコ幼生の成長促進およびDHAレベルの維持に有効であると考えられた。
  • 本田 晴朗, 山本 亮介
    2006 年 54 巻 4 号 p. 421-427
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    アユの選好流速について, 水槽実験により測定した。成長期のアユが選好し定位した流速は25.0~66.6 (mean±SD=43.4±9.2) cm/sであった。体長と選好流速とは直線関係にあり, 大型のアユほど速い流速を選好した。また, アユが摂餌し食み跡をつけた流速は22.2~75.6 (41.9±14.5) cm/sで, 一次生産の高い早瀬の流速にほぼ相当した。秋の産卵期にアユが選好した流速は19.6~47.6 (33.2±9.5) cm/sで, 成長期の選好流速より遅くなったが, やはり体長と直線関係にあった。この選好流速は, 実際に産卵した産卵床の流速15.6~51.1 (26.7±9.1) cm/sとほぼ一致した。そして, 体長18cm以上のアユは早瀬でも平瀬でも産卵したが, 体長17cm以下のアユは平瀬にしか産卵しなかった。これらの結果より, 成長期のアユは早瀬, 産卵期にはおもに平瀬の流速を選好すると推定した。
  • 浦 和寛, 原 彰彦, 山内 晧平
    2006 年 54 巻 4 号 p. 429-435
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    サクラマスの血清タンパク質において, 銀化変態時に出現する分子量約80, 000の銀化特異タンパク質を免疫生化学的手法により検出するとともに, このタンパク質に対する特異抗体を得た。抗体を用いてサクラマスの銀化変態期における銀化特異タンパク質の血中量の変化を調べた。その結果, 銀化変態期に血中甲状腺ホルモン量の変化に伴い銀化特異タンパク質の血中量は増加し銀化最盛期に最大値を示した。また, 銀化前の稚魚に甲状腺ホルモンを投与すると, この銀化特異タンパク質の血中量は増加した。これらの結果から, この銀化特異タンパク質はサクラマスの銀化度合いを調べるための生物学的指標の一つになる可能性が示された。また, このタンパク質は甲状腺ホルモンにより合成されることが明らかとなった。
  • 新居 久也, 上田 宏
    2006 年 54 巻 4 号 p. 437-447
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    シシャモの産卵場所における底層流速が産着卵密度に及ぼす影響を明らかにするために, 流速が産卵行動に与える影響, 流速の変化が産着卵の剥離に与える影響, 低流速域で生じる砂泥の被覆と生残率との関係を水槽実験により検証した。その結果, 底層流速が0.6m/sec以上になると, 成魚は産卵できず, 産着卵は剥離しやすくなった。また, 産着卵に砂泥が4mm以上の厚さで被覆すると, 生残率が低下することが明らかとなった。これらの知見は, シシャモの産卵域の保全および修復条件を策定することに寄与すると考えられる。
  • 関 秀司, 岡田 到, 丸山 英男, 川辺 雅生, 中出 信比人
    2006 年 54 巻 4 号 p. 449-453
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    イカ肝臓からのカドミウム除去法として, イカ肝臓にクエン酸とキレート樹脂を加え弱酸性条件で撹拌混合し, イカ肝臓と液相からカドミウムを同時に除去する競争吸着法を提案した。イカ肝臓に湿量基準で同重量のクエン酸溶液と10%のキレート樹脂を加え約pH4で撹拌混合することにより, イカ肝臓とクエン酸溶液の混合物のカドミウム濃度を約0.1ppmまで除去することができた。イカ肝臓およびキレート樹脂とカドミウムの吸着平衡はbidentate型結合モデルに従った。競争吸着法によるイカ肝臓からのカドミウム除去過程はキレート樹脂へのカドミウム吸着反応が律速段階であった。
  • 圦本 達也, 前野 幸男, 木元 克則
    2006 年 54 巻 4 号 p. 455-464
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    2005年1月から2月に九州西岸の76調査定点においてDinophysis spp.の出現状況を調査した結果, 有毒種を含むD. caudata, D. fortii, D. acuminata, D. rotundataおよびD. infundibulaの5種が観察された。これらの採集時における水温および塩分は, D. caudataが8.9~15.5℃・26.8~34.8 PSU, D. fortiiが11.3~15.0℃・29.5~34.6 PSU, D. acuminataが8.8~16.0℃・28.9~34.8 PSU, D. rotundataが11.2~15.8℃・27.1~34.5 PSUおよびD. infundibulaが11.3~16.5℃・31.1~34.4 PSUであった。出現密度は最高でD. acuminataの72 cells/lと低い値であったが, 九州西岸に広く出現していたことから, 本海域においても下痢性貝毒による二枚貝類の毒化に対して注意を払う必要があることが示唆された。
  • 澤口 小有美, 大久保 信幸, 有瀧 真人, 太田 健吾, 松原 孝博
    2006 年 54 巻 4 号 p. 465-472
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    本研究では希少資源であるホシガレイの効率的な種苗生産に資する目的で, 本種の最終成熟過程と排卵周期を明らかにし, 排卵周期に基づいた良質卵の獲得方法を提案した。連続的カニュレーションにより, 最終成熟に伴う卵母細胞の形態的変化を調べた結果から, その発達段階を6段階に区分した。各個体におけるそれらの経日的変化から, 水温8℃では最終成熟の開始から完了まで5から6日を要することが示された。同時に, 排卵日を確認したところ排卵周期は約3日であった。最終成熟期の卵径, 卵重の変化を調べた結果では, それらの増加は中盤に顕著に起こる卵母細胞の吸水によることが示された。定期的に搾出を行った雌からの卵の受精率を搾出しなかった雌の卵と比較したところ, 前者の受精率が極めて高かったことから, カニュレーションにより排卵日を推定し, 計画的搾出により過熟卵を除去することで良質卵が採取できることが示唆された。
  • 高桑 史明, 深田 陽久, 細川 秀毅, 益本 俊郎
    2006 年 54 巻 4 号 p. 473-480
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    カンパチ飼料における魚粉代替源としてのチキンミールの利用性ならびにアミノ酸の添加効果について検討した。魚粉を主タンパク質源とする飼料を対照飼料とし, また対照飼料に含まれる魚粉タンパク質の20, 40および60%をチキンミールで代替した飼料, ならびにそれらに必須アミノ酸を補足した飼料の計7飼料を調製した。これらを平均体重93.09のカンパチに一定の割合で給与して40日間飼育した。アミノ酸無補足の試験区では, 40%以上の代替区で対照に比べて成長および飼料効率が有意に低下した。一方, アミノ酸を補足した試験区では, 60%代替区で対照に比べて成長および飼料効率が有意に低下した。これらの結果から, カンパチ飼料中に含まれる魚粉に対するチキンミールの代替許容量はアミノ酸を補足しない場合には20%程度であり, アミノ酸を補足した場合には40%程度まで向上することがわかった。
  • 川辺 勝俊, 木村 ジョンソン
    2006 年 54 巻 4 号 p. 481-488
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    2003年4月から6月にかけて小笠原諸島父島でイシガキダイの種苗生産を行った。受精卵は1m3ポリカーボネイト水槽3基に3万粒ずつ収容して飼育を開始した。仔魚には, S型ワムシ, アルテミア, 配合飼料, 冷凍コペポーダを成長に応じて給餌した。飼育水温は21.1~25.9℃であった。取り揚げは全長約20mmに達した日齢40に行い, 3水槽で合計37, 326尾を生産した。取り揚げた稚魚の活力は良好であった。単位水槽容積当たりの生産尾数は12, 442尾/m3で, 平均生残率は41.5%であった。稚魚の奇形率は4.3%であった。
    仔稚魚の全長は, ふ化直後の3.50mmから, 日齢10の5.28mm, 日齢20の8.17mm, 日齢30の14.07mm, 日齢40の20.83mmと成長した。開鰾は日齢4から始まり, ほとんどの仔魚は日齢5までに開鰾した。仔魚は全長3.80mmに達した日齢3からS型ワムシの摂餌が認められ, 4.6mmからはアルテミア, 11.23mmからは配合飼料, 15.00mmからは冷凍コペポーダの摂餌が確認された。また, 仔魚は全長8~9mm以降は活発な遊泳行動がみられ, 全長12mm以降では, 急な加速や方向転換などの複雑な遊泳行動がみられた。共食いは日齢28以降でわずかにみられた。
    今回の種苗生産方法を再現することによって, 当地では毎年安定的な種苗生産が可能となった。
  • 駒澤 一朗, 杉野 隆, 滝尾 健二, 安藤 和人, 横浜 康継
    2006 年 54 巻 4 号 p. 489-494
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 伊豆大島波浮港において, 2001年11月14日~2004年1月26日にかけてアントクメの生長および成熟に関する調査を行った。
    2) アントクメは, 2002年, 2003年とも1月下旬に幼芽が出現し, 6月中旬には葉長が最大 (約60cm) に達した後, 先枯れにより減少し, 11月には葉状部がすべて消失した。
    3) いずれの年でも子嚢斑は7月中旬から形成され, 2002年は9月上旬以降, 2003年は8月中旬以降採集したすべてのアントクメに子嚢斑が形成された。遊走子の放出は2002年は7月下旬から, 2003年は7月中旬からいずれも葉状部が消失するまで認められた。
    4) 2002年における幼芽出現期の水温と2002年および2003年の最大葉長が得られた水温は, 高知県および和歌山県に比べて2~3℃ほど低かった。また, 遊走子の放出もこれまでの報告より低水温で認められ, 葉状部の消失時期は2~3ヶ月遅く, 水温も6~10℃低かった。
  • 渡辺 憲一
    2006 年 54 巻 4 号 p. 495-503
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    新潟県上越地方の沿岸海域で漁獲されたオニオコゼの雌175個体と養成魚59個体について卵巣成熟の周年変化を調べた。産卵期には1つの卵巣内に周辺仁期の未熟な卵母細胞群と発達した卵母細胞群が認められることから, 卵母細胞の発達様式は卵群同期発達型に属し, 多回産卵すると考えられた。成熟度およびGSIの周年変化から産卵期は6月から8月で, 産卵盛期はGSIが最も高い値を示す7月であると推察された。しかし, 天然魚では4月から卵黄形成が始まるのに対し, 養成魚では3月および11月から卵黄形成が認められ天然魚とは異なる生殖周期を示した。また, 本研究における天然魚の成熟年齢は3歳で, 生物学的最小形は全長190mm (127.0g) であると推定された。
  • Uthairat Na-NAKORN, Sudawan SRIPAIROJ, Thawatchai NGAMSIRI, Supawadee ...
    2006 年 54 巻 4 号 p. 505-513
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Clarias macrocephalusの雌性発生二倍体を用いてアイソザイム遺伝子座およびマイクロサテライトマーカー座のそれぞれについて動原体との問の図距離を推定した。対象としたアイソザイム遺伝子はsMDH-1, PGM, GPI-1, ADHおよびESTの5座であり, マイクロサテライトマーカーはCma-2, Cma-3, Cma-4およびCga-3の4座である。PGM ESTおよびCma-2は組み替え率が高く, 動原体に対し遠位にあることが示唆された。また, 本種においては遺伝子座間に強い干渉が働いていることが示唆された。他方, Cma-4, Cga-3およびGPI-1は動原体に対し近位にあるこが示唆された。また, sMDH-1Cma-3は連鎖していることが示唆された。固定指数 (1-y) は0.570であった。
  • 中島 淳, 鬼倉 徳雄, 及川 信, 松井 誠一
    2006 年 54 巻 4 号 p. 515-519
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    カマツカの水槽飼育自然産出卵を用いて, 卵の孵化率, 孵化所要日数に及ぼす水温の影響を11~31℃で調べた。全孵化率は14~27℃で水温に拘らずほぼ一定で60%以上であり, この温度範囲で全孵化仔魚に占める正常孵化率はほぼ100%であった。したがってこの温度範囲が本種の最適孵化水温と考えられる。この最適孵化水温の範囲はこれまで知られている魚類の中では最も広い。本種は河川の上流から下流まで広く分布することが知られている。したがって本種の広い最適孵化水温の範囲が, 広い流程分布を可能にしている要因の一つと考えられる。
  • 高田 園子, 田岡 洋介, 山本 淳, 内記 公明
    2006 年 54 巻 4 号 p. 521-524
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    プロバイオテイックバクテリアのDNA配列に多く存在するCpG motifが魚類の生体防御能を高めることはすでに報告されている。そこで, 本研究ではプロバイオテイックバクテリアのtotal genomic DNAを抽出し, それらがヒラメの生体防御能に及ぼす影響をin vitroおよびin vivoで調べた。Lactobacillus spp. (Prop) , Bacillus sp., Edwardsiella tarda, Vibrio anguillayumおよびEscherichia coliの計6種類の細菌由来のDNAを供試した。in vitroでは, ヒラメ腎臓から分離した白血球を用いて, 培養上清の抗ウイルス活性および白血球の貪食能を測定した。in vivoにおいては, ヒラメにそれぞれDNAを腹腔内接種し, 貪食能を測定した。ProD区のDNA投与によりin vitroおよびin vivoでヒラメの抗ウイルス活性および貪食能活性を高める傾向が認められ, 生体防御能を高めることが示唆された。
  • 岡本 ちひろ, 古丸 明, 林 政博, 青木 秀夫, 磯和 潔
    2006 年 54 巻 4 号 p. 525-529
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    閉殻力への遺伝の関与を明らかにするため由来が異なるアコヤガイ集団 (家系) の閉殻力を調査した。その結果, 本実験期間を通して閉殻力に違いのある家系が存在することが明らかとなり, 閉殻力の弱い家系は閉殻力の強い家系に比べてへい死率が高い傾向が認められた。このことから閉殻力の決定には遺伝的要因が関与している可能性が高いと考えられ, 閉殻力を選抜指標とする育種によって高生残系統貝が作出できるのではないかと推察された。
  • 安信 秀樹
    2006 年 54 巻 4 号 p. 531-535
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    飼育水のpH9.25調整によるH.okinawaensisの感染防除機構を明らかにするため, 遊走子の遊出数などに及ぼすpHの影響を検討した。その結果, pH9.25調整は海水中での遊走子の生残数を減少させ, 遊走子の運動性を速やかに消失させたが, 遊走子の遊出数および甲殻への付着性には影響を与えなかった。既報の結果と考え会わせると, pH9.25調整の感染防除には, 休眠胞子の発芽抑制が重要な役割を担い (既報) , 遊走子の生残数を減少させることが関与していると考えられた。
  • 堅田 昌英, 木村 創, 竹内 照文, 良永 知義
    2006 年 54 巻 4 号 p. 537-541
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    マダイおよびイシダイを宿主として, 飼育水槽内あるいは網生簀養殖場で海産白点虫の宿主離脱時刻および感染時刻を検討した。離脱時刻は白点病発生水槽あるいは養殖生簀ヘトラップを垂下・回収して調査した。感染時刻は網かごに入れたイシダイ稚魚を垂下・回収し, その後のイシダイの死亡状況を追跡して検討した。宿主からの離脱および宿主への感染はともに夜間に多かった。今回得られた離脱・感染時刻はこれまでに実験的に得られた時刻と若干異なるが, 水槽や養殖場でも宿主への離脱・感染はある程度限られた時刻に生じることが示された。
  • 吉本 洋, 藤井 久之, 中西 一
    2006 年 54 巻 4 号 p. 543-551
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1992~1997年に日高川河口域でアユ仔魚の採集と体長の測定を行い, 河口の上流約4kmで流下仔魚の採集を行った。河口域では11・12月を中心にアユ仔魚が採集され, 年間総流下仔魚数は2億~24億尾で12倍の年変動があった。河口流心部では体長6~8mmのふ化後4日以内の卵黄を有する仔魚が過半数を占め, 10mm前後で岸沿いへの接岸行動を開始し, 岸沿いでは経時的な成長がみられたことから, 海域に分散することなく河口の岸沿いで生息・成長する仔魚のあることが示唆された。また, 河口域での仔魚の採集数と体長の変化は, ほぼ潮汐の干満に対応した。さらに, 河口の流心部での採集仔魚数のピークは, 流下のそれの1旬後で, 両者の経時的な推移は類似した傾向を示した。
  • 阿部 信一郎, 齋藤 肇, 坂野 博之, 玉置 泰司
    2006 年 54 巻 4 号 p. 553-560
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    内水面漁業は, 富栄養化の原因となる過剰な窒素・リンを漁獲物として河川湖沼より回収し, 人間社会の物質循環を補完する機能, 再資源化サイクル機能, を有している。本研究では, 再資源化サイクル機能を下水処理場の窒素・リン処理原単価を用いて代替評価し, その貨幣価値が, 1981年の233億円をピークに, 2003年には91億円に低下したことを示した。さらに, 窒素・リン年間負荷量に対する漁獲物中に含まれる窒素・リン量の割合を回収率とし, 内水面漁業による窒素・リンの回収効率を評価した。その結果, 評価対象にした23河川および9湖沼では, 窒素に比べ, リンの回収率が高かった。また, 窒素・リン回収率の最高値は小川原湖において推定された。
  • 任 同軍, 越塩 俊介, 手島 新一, 石川 学, 横山 佐一郎, Fady Raafat MICHAEL, Orhan UYAN
    2006 年 54 巻 4 号 p. 561-566
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    マダイ仔魚の生残率, 成長, 魚体中ビタミンC含量および高水温と低塩分ストレス耐性に対するビタミンC誘導体Lascorbyl-2-monophosphate-Na/Ca (AMP-Na/Ca) の添加効果について調べた。ふ化後10日齢の仔魚にビタミンC含量が0, 206, 768および1, 508mg/kgの微粒子飼料のみを与えて14日間を飼育した。AsA768および1, 508飼育区はAsA0区より有意に高い生残率を示した。AsA1, 508飼育区はAsA0および206飼育区より有意に長い体長を示した。飼料中AMP-Na/Ca含量の増加とともに全魚体のビタミンC含量およびストレス耐性も増加する傾向を示した。以上の結果から, マダイ仔魚はビタミンCを要求し, 高ビタミンC含有 (768mgAsA/kg) 微粒子飼料のみによるマダイ仔魚の飼育は可能であることが示された。
  • 朴 美蓮, 村山 文仁, 槌本 六良, 三島 敏雄, 濱田 友貴, 橘 勝康
    2006 年 54 巻 4 号 p. 567-573
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    養殖ウナギ (Anguilla japonica) における, 各血清リポタンパク質の体脂肪に関する栄養生理学的役割を明らかにするために血清リポタンパク質のLDLとHDL2, HDL3の構成成分の差違を検討した。各リポタンパク質は密度濃度勾配超遠心により分離した。リポタンパク質の脂質の構成成分でHDL2はHDL3と比較してCEが多く, タンパク質の少ないリポタンパク質であった。脂肪酸組成でHDL2はHDL3とは異なり, LDLに似た様相であった。アポタンパク質ではHDL2とHDL3は同じ構成成分であり, LDLとは異なっていた。しかし, HDL2とHDL3のアポタンパク質の構成割合は異なっていた。以上のことから養殖ウナギの血清HDL2とHDL3は脂質の構成が異なるばかりでなく, そのタンパク質の構成割合も異なっていた。
  • 新井 肇, 藤田 雅弘, 鈴木 究真, 片桐 孝之, 久下 敏宏
    2006 年 54 巻 4 号 p. 575-576
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Flavobacterium psychrophilum strains were isolated from ayu, pale chub and reddish bullhead caught in two rivers in Gunma Prefecture. The genotype of all the isolates was identified as A-S type being analyzed by PCR-RFLP and the banding pattern of genomic DNA after digestion with restriction enzyme BlnI on a pulse-field gel electrophoresis. Two isolates from pale chub and reddish bullhead were used for immersion infection to ayu to confirm pathogenecity, resulting 85% on higher mortalities in both strains. The results indicate that wild fishes infected with F. psychrophilum can be possible sources of the pathogen to infect to ayu.
  • Osamu KATANO, Kazuo UCHIDA
    2006 年 54 巻 4 号 p. 577-578
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    The effect of partial fin clipping on the growth of four freshwater fish, ayu Plecoglossus altivelis altivelis, Japanese dace Tribolodon hakonensis, pale chub Zacco platypus and bluegill Lepomis macrochirus, were investigated in artificial ponds. To individually identify fish, three sections of fins from the dorsal, caudal, pelvic and anal fins were clipped to 20-60% of the original length for each fin. The growth rate of individuals with clipped fins did not differ from fish with unclipped fins in all species. Fins regenerated and almost reached the original length and the paired fin length 84 days after fin clipping in all species.
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