水産増殖
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55 巻 , 2 号
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  • 反田 實, 中村 行延, 岡本 繁好
    2007 年 55 巻 2 号 p. 177-182
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1986年5月から2001年1月に大阪湾~播磨灘で漁獲された6093尾のマコガレイから求めた性比は0.54であった。漁法別では, 小型底びき網と延縄は雌が多く, 刺し網では雄が多い傾向が認められた。時期別では, 小型底びき網は産卵期に雌が多く, 逆に刺し網は雄が多かった。小型底曳き網と刺し網では漁場が異なることから, マコガレイは産卵期に雌雄が異なる行動をとると推察した。年令別性比は, 1才魚では雄が多く, 2才魚以上は雌が多い傾向が認められた。全長区分別の性比は, サイズが大きくなるに従い雌の割合が高くなった。この変化は, 雌雄に成長差を与えた漁獲のシミュレーションによって概ね再現できた。約3年単位で集計した各期間の性比は0.52~0.56の範囲にあり, 経年変化は認められなかった。
  • 田岡 洋介, 前田 広人, Jae-Yoon JO, 坂田 泰造
    2007 年 55 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    魚類の消化酵素合成に対する生菌体及び死菌体プロバイオティクスの添加効果を検討するため, 市販プロバイオティクス製剤を配合飼料若しくは飼育水に添加し, 閉鎖式循環水槽を用い, テラピアを飼育した。アミラーゼ活性は, プロバイオティクス処理区, 特に生菌飼料区, 生菌飼育水投与区において強い活性が認められた。トリプシン活性も全てのプロバイオティクス処理区において高い傾向を示したことから, 生菌体プロバイオティクスが特に消化酵素合成促進に寄与することが示唆された。
  • 杉田 毅, 山本 剛史, 古板 博文
    2007 年 55 巻 2 号 p. 191-198
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    高糖質低タンパク質飼料がマダイ稚魚の成長, 見かけの消化率および肝膵臓の酵素活性に及ぼす影響を検討するため, 粗糖質 (CS) 12%, 粗タンパク質 (CP) 52%の飼料を対照に, CSを20および28%に増大し, CPを44および38%に削減した3試験飼料を作製し, 平均体重11.49のマダイに12週間給与した (2水槽/飼料) 。20%糖質飼料区におけるタンパク質効率およびタンパク質蓄積率は対照区より高かったが, 増重率は低く, 28%糖質飼料区における増重率, 飼料効率, 日間成長率およびタンパク質蓄積率は他区に比べて最も低かった。また, 肝膵臓の糖新生酵素およびアミノ基転位酵素の活性に区間差はなく, 高糖質低タンパク質飼料給与時においてもアミノ酸が糖新生の基質として積極的に活用されていることが示唆された。以上の結果から, マダイ稚魚は高糖質低タンパク質飼料を効率的に利用できないことが示された。
  • 二村 和視, 岡本 一利, 高瀬 進
    2007 年 55 巻 2 号 p. 199-204
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    太平洋沿岸の中部に位置する駿河湾の水深397mおよび水深687mから取水した清浄, 低温および富栄養を特徴とする駿河湾深層水でサガラメ幼体を培養し, 種苗生産時の最適生長条件を調べた。試験終了時に, 397mおよび687mから取水し, 加温した駿河湾深層水中で培養した幼体の葉長は, 122±15mm, 128±15mm [相対生長率 (RGR) , 3.7%/dayおよび4.1%/day] であった。この値は表層海水中での幼体の葉長100±8mm (RGR, 3.2%/day) よりも高かった。全長が150mm以下の小型の幼体は, 12および17℃区でそれぞれ141±19, 138±17mmを示し (RGR, 4.1%/dayおよび3.6%/day) , 21℃区の葉長100±9mm (RGR, 3.3%/day) に比べて高かった。また150mm以上の大型の幼体では, 光量3.6mol/m2/day, 水温8℃~18℃で相対生長率約1.0%/dayを示した。
  • 吉本 洋
    2007 年 55 巻 2 号 p. 205-212
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1980~2004年の紀伊水道東部日高海域での漁獲資料をもとに, 海産稚アユの漁獲特性について検討した。豊漁年は不漁年に比較して, 長期間にわたり漁獲されるとともに, 採捕海域が広範囲に及び空間的な広がりもみられた。また1990~1997年の耳石を用いた日令査定により, 豊漁年は不漁年に比べて, 稚アユは若齢で早生まれから順に規則的に漁場に出現し, 滞在期間も短く, 日間成長も良好であることが明らかになった。以上のことから, アユ稚魚の成長と資源豊度との関連性が示唆された。
  • 駒澤 一朗, 杉野 隆, 滝尾 健二, 安藤 和人, 有馬 孝和
    2007 年 55 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 伊豆大島の浅海域3地点 (泉津漁港, 野増前浜, 碁石浜) において, スポアバック法によるアントクメの母藻投入実験を行った。
    2) 泉津漁港では2002年に母藻を投入し, その後, 2003年に最大400株程度のアントクメが認められ, 2004年は同1000株, 2005年は同2000株と年を追って株数は増加した。碁石浜では2004年に投入し, 2005年7月に葉の先端部の欠損が著しかったものの1800株程度が認められ, 8月には子嚢斑の形成を確認した。一方, 野増前浜では2003年に投入した結果, 2004年6月に70株程度が認められたが葉の欠損が著しく, 葉長は最大でも2~3cmにとどまった。
    3) 碁石浜でのスポアバック投入場所と, 翌年生育していたアントクメ株数の関係から, 1個のスポアバックによる播種効果範囲は, 母藻の設置場所から半径5m程度と考えられた。
    4) アントクメ群落の造成を目指したスポアバックの投入は一定の効果があったと考えられるが, 投入場所によりその効果に差異が認められ, 食害の可能性が疑われる葉先部分の著しい欠損も認められた。
  • 池田 至, 高桑 史明, 青木 邦匡
    2007 年 55 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ツノナシオキアミ合成エキスのマハゼに対する摂餌刺激活性は中性アミノ酸群と核酸関連化合物群との協同効果によることが明らかになった。また, マハゼに対してベタインはそれ自身が活性を示さないばかりでなく, 中性アミノ酸群の活性を著しく低下させ, 摂餌阻害物質としての作用が示唆された。
  • 岩下 恭朗, 山本 剛史, 後藤 孝信, 鈴木 伸洋
    2007 年 55 巻 2 号 p. 225-230
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    加熱処理済み大豆油粕 (SBM) を主体とする無魚粉飼料を摂取したニジマスにみられる肝臓および直腸の組織変性と同飼料に胆汁末を添加した時の組織変性の改善効果を検討した。SBM区の肝臓では肝細胞および肝胆管の円柱上皮細胞に萎縮がみられた。直腸では粘膜上皮細胞の微絨毛が消失し, 微絨毛の飲作用による取り込み小胞もみられず, 脂質の消化吸収の低下により生じたと思われる空胞変性と粘膜固有層基底部の増生が認められた。SBM飼料に胆汁末を添加すると肝臓および直腸でのこれらの組織変性は改善した。
    このことから, SBM主体飼料に添加した胆汁末中に含まれる胆汁塩が肝臓における胆汁分泌を向上させ, 直腸での脂質の消化吸収を促進することで組織変性を改善するものと推察した。
  • 村上 倫哉, 相田 聡, 吉岡 孝治, 弘奥 正憲, 橋本 博明, 海野 徹也, 長澤 和也
    2007 年 55 巻 2 号 p. 231-236
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    広島県生野島地先のアマモ場に耳石蛍光標識を施した全長約3cmのメバル人工種苗117, 000尾を2004年4月に試験放流した。その後, 3.5年間放流海域近辺の調査定点で再捕調査を行うことで, 成長, 累積再捕率および年齢別の混獲率を調査した。その結果, 放流魚の全長は放流時には天然魚に比べ小さく, その後もその差は維持されたものの, 成長率は同等であった。放流魚の推定累積再捕率は1.0%であった。年齢毎の混獲率の平均は68.4%で, 放流3年後である3歳においても50.6%と高い定着性および放流効果が認められた。
  • 高木 基裕, 石井 美光, 清水 孝昭
    2007 年 55 巻 2 号 p. 237-243
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    愛媛県におけるオオクチバス個体群の遺伝的多様性と分化の程度をマイクロサテライトDNA多型により評価した。オオクチバスの遺伝的多様度は個体群により異なり, 平均ヘテロ接合体率 (期待値) は, 0.231から0.487であった。各個体群のアリル型およびアリル頻度より個体群の遺伝的構造の解析を行ったところ, 愛媛県におけるオオクチバスは個体群ごとに異なった。野村ダム湖の2003年個体群と2004年以後の個体群において, 顕著な遺伝的差異が示された。また, 遺伝的類似性と地理的距離との間に関係が見られない個体群がいくつか見られた。このようなことから, 現在愛媛県に生息しているオオクチバスの分布には, 最近においても移植放流による人為的影響が関与している可能性が示唆された。本研究により, マイクロサテライトDNA多型はオオクチバスの遺伝的多様性とその変化を評価するための標識として有効であることが示された。
  • 荒山 和則, 河野 博, 茂木 正人
    2007 年 55 巻 2 号 p. 245-252
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    館山湾の砂浜海岸の汀線域と沖浜において, アユ仔稚魚の出現の季節性と日周性を調べた。採集は, 1999年4月から2001年3月にかけて, 目合い1mmの小型地曳網を用いて行った。館山湾においてアユ仔稚魚は, 日中に関しては, 主に11月上旬から1月上旬に採集された。沖浜と汀線域とを比較すると採集個体数は沖浜で多く (527個体vs.41個体) , 体長はどちらもほとんどが20mm未満であった。2月と3月は日中には出現しなかったものの, 夜間には汀線域に出現した。館山湾のアユの出現様式は, 1) 体長約20mm未満の個体は, 早朝には汀線域に多く出現するものの日中は主に沖浜に出現する, 2) 体長約20mm以上では, 日中は砂浜海岸に出現しないが, 夕方から夜間にかけて汀線域に出現する, と考えられた。
  • 中川 雅弘, 大河内 裕之, 服部 圭太
    2007 年 55 巻 2 号 p. 253-257
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ALC標識をクロソイ種苗 (全長45mm) へ安全に, かつ経済的に装着する技術を得ることを目的として, 3段階 (15, 30, 50mg/l) の浸漬濃度を設定し, 試験区ごとの生残率, 標識としての視認性および持続性を2年間調べた。15mg/l区の生残率は2水槽ともに99.9%と安定し, 30mg/l区の52.4%, 81.7%, 50mg/l区の13.7%, 3.9%に比べると有意に高い値を示した。視認性の評価についても15mg/l区が最も高い値を示し, かつ2年間にわたって耳石を研磨せずにALC標識の確認が可能であった。15mg/l区, 30mg/l区および50mg/l区の生残尾数の平均値を基に, 1尾あたりに要したALCの経費を算出した結果, それぞれ1.50円, 4.47円, 57.0円であった。これらの結果から, 本試験の設定範囲内では, 15mg/l区が最もクロソイ種苗に適したALC濃度であると判断された。
  • 中坪 俊之, 川地 将裕, 間野 伸宏, 廣瀬 一美
    2007 年 55 巻 2 号 p. 259-264
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    マンボウの成熟度の指標について調べるため, 合計328尾の飼育魚および天然魚を用い, 魚類の成熟度指数として利用されているGSIおよびKGについて比較検討した結果, GSIとKGの間には強い相関が認められた。屋外でのBW測定の難しさからみて, マンボウの成熟度の調査では, KGの方がGSIよりも有効であると考えられた。また, 飼育魚は天然魚に比べ, 成長に伴って成熟度が高くなる傾向が認められ, 飼育下では自然界よりも成熟が早い可能性が示唆された。
  • 伏屋 玲子, 横田 賢史, 渡邊 精一
    2007 年 55 巻 2 号 p. 265-269
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ノコギリガザミ属3種を判別するために, デジタルカメラで撮影した画像により鉗脚の色彩変異について調べた。42個体のカニの鉗脚上の4つのラインからサンプリングしたsRGBデジタル色彩情報をL*a*b*色空間に変換した結果, L*, a*, b*の各値に種間で差異がみられた。特に, アカテノコギリガザミのライン1と2上のa*値は他の2種よりも高い値となり, アミメノコギリガザミのライン1と2のb*値は他の2種より低い値となった。主成分分析により3種の鉗脚の色彩の違いが明らかになり, 高い判別成功率を得られたことから判別分析による種判別の可能性も示唆された。
  • 木原 稔, 桐生 耕造, 坂田 隆
    2007 年 55 巻 2 号 p. 271-278
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ある種の食餌性オリゴ糖は, ほ乳動物の腸内発酵を介して骨のカルシウム (Ca) 含有量を増加させる。難消化性で発酵性のオリゴ糖であるラクトシュークロース (LS) も, ほ乳動物において骨形成を刺激する。ほ乳動物同様にLSはマダイの腸内細菌によっても発酵を受けることから, マダイの脊椎骨とウロコのCa含有量にたいする食餌性LSの影響を確認した。試験飼料に添加した飼料用LS製品は共存物として乳糖を含んでいたことから乳糖群をもうけ, LS群, 対照群の3群で試験した。4ヵ月間の飼育の結果, LS群のウロコは対照群よりも有意に高いCa含有量をしめした。乳糖群は, 対照群よりも高い脊椎骨Ca含有量をしめし, ウロコのCa含有量では差がなかった。これらの結果から, 難消化性で発酵性のオリゴ糖LSは, ほ乳動物だけではなく魚類の硬組織においてもCa保持量を増加させる作用があると考えられた。
  • 木村 武志, 森田 淳, 野村 昌功, 榎本 純吾, 溝口 秀城, 石原 守
    2007 年 55 巻 2 号 p. 279-284
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    畜産動物の寄生虫駆虫剤として用いられるフェバンテル (FBT) を用いて, トラフグのヘテロボツリウム症対策のため, 経口投与したフェバンテルの血中濃度変化と駆虫の関係および残留期間について試験を行った。H. okamotoiに自然感染したトラフグに, 25mg/kg魚体重を5日間経口投与したところ, 活性型であるフェンベンダゾールの血漿中濃度は, 投薬2日目から4~5μg/gを示し, 寄生虫数は投薬4日目から有意に減少した。また, 有効投薬濃度の2倍量に当たる, 50mg/kg魚体重を5日間経口投与し, 筋肉及び皮膚中からフェバンテルおよびその活性型の総和であるフェンベンダゾールスルフォン濃度を検出した結果, フェバンテルは筋肉および皮膚から検出されず, フェンベンダゾールスルフォンが投薬終了1週間後に5尾中1尾の皮膚から検出された。このことから, 25mg/kgの5日間連続投与を行った場合の休薬期間は3週間に設定できると考えられた。
  • 小林 俊将, 武蔵 達也, 遠藤 敬, 原 素之
    2007 年 55 巻 2 号 p. 285-286
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    Artificial spawning was induced in 74 wild matured Pacific abalone Haliotis discus hannai collected at Taro, Iwate prefecture, in September 2005.The spawning was conducted just after the sample collecting. The relationship between the shell length (X mm) and number of spawned eggs (Y) is expressed by the equation: Y=0.000096 X5.073481 For abalones of shell length <70 mm, as the shell length decreased, the spawning rate decreased. The results also suggest that the rate of total number of spawned eggs for the population of shell length >90 mm was 59.5%, although the actual frequency found in that area was 23.1%.
  • 後藤 孝信, 桜井 亜紀子, 倉本 戴寿, 宇川 正治, 高木 修作
    2007 年 55 巻 2 号 p. 287-288
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    The physiological role of taurine on bile salt metabolism in yellowtail Seriola quinqueyadiata fed on soybean protein diets supplemented with graded levels of taurine were investgated by a 41-weeks rearing trial. Among the dietary treatments, fish given a non-taurine supplemented diet showed the lowest biliary bile salt, hepatic taurine and plasma cholesterol levels, but the highest plasma 7α-hydroxycholesterol concentration. In addition, the non-taurine supplemented diet induced the hightest proportion of cholyltaurine in gallbladder bile. However, dietary taurine improved these variables with increasing in supplement levels to soybean protein diet.
  • 瀬岡 学, 家戸 敬太郎, 久保 敏彦, 向井 良夫, 坂本 亘, 熊井 英水, 村田 修
    2007 年 55 巻 2 号 p. 289-292
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    近畿大学水産研究所奄美実験場で養成したクロマグロの生殖腺の発達状況を調べた。生殖腺の組織学的観察結果から, 雄個体は2~3歳で成熟し, 雌個体は4歳から産卵することが示された。また, 雌雄ともに生殖腺指数は6月に高く, 4歳魚では約3%に達する個体が出現した。養成クロマグロの成熟は, 飼育環境における水温上昇と長日化により促進されると思われる。
  • 鬼倉 徳雄, 中村 亜希子, 岸 克行, 谷口 和希, 八木 光晴, 及川 信
    2007 年 55 巻 2 号 p. 293-300
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    毒性試験手法が少ない海産魚類を用いた孵化阻害試験を, シロギス受精卵を用いて行ったところ, 一般的な溶解助剤であるジメチルスルポキシド, N, N-ジメチルホルムアミドおよびエタノールは極めて毒性が弱く, ペンタクロロフェノールとドデシル硫酸ナトリウムを用いた複数回の試験において, 毒性値のばらつきが小さかった。また, 他の魚類の試験に関する既存知見と比較すると, その毒性値は同じか小さい値を示した。溶解助剤に影響がないこと、再現性が高いこと, 感受性が高いことに加えて, 受精卵が透明で観察が容易であること, 孵化までの時間が短く, 短時間で阻害試験を完了できることが, 本試験系の最大の特徴である。
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