教育心理学年報
検索
OR
閲覧
検索
52 巻
選択された号の論文の35件中1~35を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
巻頭言
Ⅰ わが国の最近1年間における教育心理学の研究動向と展望
  • 田村 隆宏
    52 巻 (2013) p. 1-11
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では2011年6月から2012年7月までの乳幼児の発達に関わる心理学的研究の動向を展望した。本稿では特に個々の研究成果の教育実践への貢献について焦点を当てた。乳幼児の発達に関する心理学的研究の現在の関心は知覚,認知,思考,言語,社会性,行動に関するものであった。これらに加えて,母親の養育行動に関わるものがこの領域に関連している。これらの研究成果の教育実践に対する貢献を位置づけることの重要性を議論した。
    抄録全体を表示
  • 小松 孝至, 白井 利明, 高橋 登
    52 巻 (2013) p. 12-23
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では,2011年7月から2012年6月までにわが国で発表された諸研究を中心に,特に児童期・青年期の発達に焦点を当て概観した。はじめに,児童・青年の認知発達,言語発達に関する研究を概観し,読み・書き,コミュニケーション,批判的思考,具体的操作と形式的操作に焦点を当てて,それぞれ新たな知見を論じた。次に,児童期の社会的発達に関する研究を概観し,他者との関係における行動や感情等の研究トピックを概観するとともに,用いられている方法の偏りを指摘し,既存の方法論の前提を理解するとともに,それが実際の子どもの理解にあたって持つ限界を考察する必要性を論じた。さらに,青年期の社会的発達に関する諸研究について,その変化動態を捉える必要性を論じるとともに,発達を社会文化的文脈,さまざまな実践および理論的背景との関係の中で論じた諸研究を概観した。最後に,「発達心理学研究」誌の特集号において,発達段階に関する理論的な再考をめぐってなされた議論を,我が国の発達研究の一つの到達点として紹介した。
    抄録全体を表示
  • 若本 純子
    52 巻 (2013) p. 24-33
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では,2011年7月から2012年6月にわが国で発表された成人・老人を対象とする発達研究の動向を概観した。本年の研究数は少数であったが,生涯発達的観点を有する研究が増え,着眼点の多様化がうかがわれた。本稿が依拠するBaltesの生涯発達理論の概説に続き,本年のわが国における研究を概観した。対象年齢は20代(大学生を除く)から80代,論点は「経験による発達」「移行」「Eriksonの発達モデル」の3点とした。「経験による発達」では,成人の大半が経験する親や夫婦としての経験等から,病気の診断,障害のある子どもの親としての経験等,より個人的なものに至るさまざまな経験がもたらす発達が論じられていた。「移行」では,女性の職業適応の青年期から成人期への移行,夫婦関係と精神的健康の中年期から老年期にかけての移行に関する研究が見られた。「Eriksonの発達モデル」では,高齢者の世代性に関する研究,高齢者を対象に,基本的信頼感の形成に寄与する母親的人物の内的変容過程を検討した研究が見られた。最後に,成人・老人の発達研究における困難と課題,今後の展望について論じた。
    抄録全体を表示
  • 榎本 博明
    52 巻 (2013) p. 34-45
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿は,日本の人格心理学領域における研究のレビューを目的とする。過去一年間の研究動向をみると,検討すべき以下のような問題が浮上した。第一に,ほとんどの研究が尺度を用いるか尺度の開発をしており,パーソナリティに関する諸概念を検討する研究やパーソナリティ理解の枠組みを提供する理論的研究がわずかしかみられず,このバランスの悪さは解消すべきものと思われる。第二に,類似した尺度が乱立しているため,各尺度の特徴を明確にし,それらを体系化する必要がある。第三に,尺度の恣意的な使用を防ぐために,特定の尺度を用いる理由を明示することが必要と考えられる。第四に,因子分析に基づいて無数のパーソナリティ概念がつぎつぎに提起されるが,それぞれの違いが理論的に検討されていないという問題がある。最後に,統計的有意性が過大評価されがちであるため,得られたデータの意味づけに関するガイドラインを確立する必要がある。
    抄録全体を表示
  • 弓削 洋子
    52 巻 (2013) p. 46-56
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では,まず,日本教育心理学会第54回総会発表を概観し,「学級適応」「インターネット」「ジェンダー」が増加したことが示された。次に,最近1年間における学校教育の社会心理学研究の動向を(1) 社会性と対人関係,(2) 学校・学級適応,(3) 教師の教育機能,(4) 学級集団,(5) 学校組織の協働の5つに分けて概観した。その結果,個人のスキルやパーソナリティ・動機づけに拠るアプローチが多い動向にあった。教育社会心理学研究の今後の課題として,第一に,教育実践者との対等な関係の中で,教育社会心理学の理論・メカニズムを再構築する必要性,第二に,教育の社会的文脈としての課題状況分析を通して個人の教育と社会とを統合する取り組みの必要性が示唆された。
    抄録全体を表示
  • 清河 幸子
    52 巻 (2013) p. 57-63
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     平成25年度に全ての種別の学校において実施されることとなった新指導要領では,言語活動の充実が謳われている。この言語活動の充実に関する実践的に有用な知見を提供していくことは,教育心理学の重要な課題と考えられる。本稿では,言語活動を(1)言語活動の学びと(2)言語活動を通じた学びの2側面から捉え,2011年7月から2012年6月にわが国において発行された研究の概観を行う。概観の結果,まず,書き言葉と比較して話し言葉を扱った研究が少ないことが明らかとなった。また,電子図書のような新しいツールを用いた実践の有効性を示す研究が存在していた。さらに,いくつかの研究により,ただ言語活動を導入すれば指導実践が促進されるわけではなく,何らかの補助的な工夫が必要であることが示されていた。今後は,話し言葉を用いた言語活動,特にプレゼンテーションに関する研究や,新しいツールを用いた指導実践の有効性を検討していく研究,そして,言語活動を通じた学びを有効にするための要因を特定する研究が必要であることが指摘された。
    抄録全体を表示
  • 山田 剛史
    52 巻 (2013) p. 64-76
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では,2012年度の測定・評価領域の研究の動向を概観する。対象となる研究は,『教育心理学研究』に掲載された論文,日本教育心理学会第54回総会で発表された論文,さらに,国内外の関連する学会等で報告された論文や文献である。本年度に発表された研究を概観するにあたり,(1) 効果量(および, 検定力分析, メタ分析),(2) 項目反応理論,(3) MCMC法に注目した。 2012年度は,これまでその重要性を指摘されながらも十分に実践されているとは言えなかった,効果量やメタ分析に焦点が当たり,普及への一歩を踏み出した年と言えるかもしれない。また,項目反応理論に関する研究が多数報告されたことも本年度の特徴と言えるだろう。 本稿のもう1つの目的は,オープンソースの統計ソフトウェアであるRについて,教育心理学研究における利用の現状と展望について述べることである。Rが心理学研究でどのように利用されてきたか,Rの利用におけるメリットとデメリット,Rと他のソフトウェアの整合性,そしてRを用いた心理統計教育について述べる。
    抄録全体を表示
  • 伊藤 直樹
    52 巻 (2013) p. 77-89
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では,2011年7月から2012年6月までの1年間にわが国で発表された臨床心理学に関する研究を概観した。該当期間の研究論文は,「心理的要因と適応の関係(尺度の開発を含む)」,「心理療法等の技法の開発・改善」,「投影法に関する研究」,「青年期の課題」,「中学生・高校生の適応・問題行動」,「女性の生涯発達と家族関係」,「学校における支援・スクールカウンセリング」,「子どもの育ちの支援」,「障害・疾病を抱えた人への支援」,「対人サービスを提供する専門職の精神的健康」の10カテゴリーにまとめられた。教育相談の視点を踏まえながら,それぞれのカテゴリー別に本年度の研究を検討し,研究者が学校現場など臨床的な場に身を置いて,臨床実践に即した研究を行おうとする姿勢が重要であること,調査・実験研究,実践研究に加えて,事例研究による教育心理学的な知見の蓄積を図る必要があること,臨床部門の発展のためには,教育心理学と臨床心理学の積極的な交流が必要であること,欧米だけでなく近隣アジア諸国との交流に目を向けた研究が必要であることを指摘した。
    抄録全体を表示
  • 黒住 早紀子
    52 巻 (2013) p. 90-104
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
      This article reviews educational psychological studies on special needs education in Japan that were conducted between July 2010 and June 2011. It focuses on the classification of disorders, autism spectrum disorder, and pervasive developmental disorders, which appear to have been the trends of greatest interest to researchers. The second item on that list was difficult to categorize according to the classification of disorders. Then, by reclassifying the studies from an ecological perspective, it revealed that a number of studies are situated at the level of the microsystem, while a few studies are at the level of the mesosystem. Since the perception of the concept of disorders is changing in modern times, the results of this study may provide useful suggestions for the progress of special needs education.
    抄録全体を表示
  • 川島 範章
    52 巻 (2013) p. 105-114
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿は,我が国の2011年から2012年における学校心理学に関係する研究と研究ニーズについて概観したものである。 特に学校現場において学校心理学が求められる状況としては,2011年3月の東日本大震災で被災した子どもや学校への支援をめぐる動向と,生徒指導についての基本書である「生徒指導提要」に注目した。また,第6回を迎えた日本学校心理士全国大会における研修や研究発表からも研究のニーズを探った。 学校心理学の基礎研究,実践研究については,学会等で公表された学術論文から動向を探った。対象とした研究論文は『教育心理学研究』『発達心理学研究』『日本教育心理学会第54回総会発表論文集』であるが,これに,学校心理学にかかわりが深い研究論文を対象とした。 本年度も,心理学の応用の場でもある学校心理学らしい研究がたくさん発表されているなかで,特に,心理教育にかかわる尺度の開発などの基礎研究や,ソーシャルスキル教育などについての実践研究が推進された。今後は,研究者と教育者が協力し,より体系的な心理学からの支援プログラムの構築が必要であると考えられる。
    抄録全体を表示
Ⅱ Psychology and Law in Japan :Recent Developments
  • MAKIKO NAKA
    52 巻 (2013) p. 115-127
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
        This article provides an overview of research in Japan regarding how psychology has been used to support law, and gives insight into specific developments of psychology and law of the most recent decade.  We review research on investigative aspects since the emergence of this mixed discipline in the 1990s.  In particular, we examine eyewitness testimony, face identification, and false confessions as well as interviews with children.  This background review is a prelude to exploring research on a new legal procedure, Saiban-in Seido (lay judge system).  The supporting Act was passed in 2004, establishing an adjustment to the legal system such that decisions are made by a panel of three professional judges and six lay-persons; enactment began in 2009.  We review studies on factors that affect lay judges’ deliberation and decision making.  Finally, using real-world cases and laws, we analyze related research on values and attitudes.
    抄録全体を表示
Ⅲ 展望
  • 道田 泰司
    52 巻 (2013) p. 128-139
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     批判的思考教育は近年, さまざまな分野でその必要性について言及されており, また日本では研究が増加しつつある。本稿は, 批判的思考(クリティカルシンキング)の教育に関する, 最近の日本における理論的研究と実践的研究を中心に概観し, 課題を検討することを目的とした。本稿で主に扱った実践研究に関しては, 目的の違いから, 学問リテラシーとしての批判的思考力の育成と市民リテラシーとしての批判的思考力の育成とに分け, また教育方法の違いから, 批判的思考そのものを主題とした特設科目を通して教えるジェネラルアプローチと, 既存の科目に深く没入することを通して批判的思考を教えるイマージョンアプローチに分けて概観し, 批判的思考教育が多様な目的の下に多様な教育方法によって行われていることを確認した。それらを踏まえ, 教育目的を意識することの重要性や評価の適切さなど, 今後の実践や研究への示唆を行った。
    抄録全体を表示
  • 旦 直子
    52 巻 (2013) p. 140-152
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では, わが国における子どもとメディアについての近年の研究を, 1. 対象としてのメディア, 2. 環境としてのメディア, 3. 道具としてのメディア, という三つの観点から概観した。対象としてのメディア研究では, 子どものテレビ映像認識における大人と異なる様々な側面が報告されている。また, 環境としてのメディア研究については, 多くの研究者によってメディア接触が子どもにもたらすネガティブな影響が議論されているが, 最終的な結論を求めるためには実証的な研究結果の蓄積が必要である。さらに, 道具としてのメディアについては, 実践において様々なメディアを使った教育支援の試みが報告されているが, メディアの教育的利用を効果的に行うための実証的かつ体系的研究が望まれる。最後に, 現在の研究における問題点を指摘し, 今後求められる研究について論じた。
    抄録全体を表示
Ⅳ 教育心理学と実践活動
  • 元吉 忠寛
    52 巻 (2013) p. 153-161
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     最近のわが国におけるリスク教育と防災教育について概観した。リスク教育とは,リスクの性質,リスク評価の方法,リスク認知やリスク・コミュニケーションなどについて学び,適切にリスクを管理するために必要な知識や技能を獲得することに重点をおいた教育である。また,防災教育とは,災害など,社会に存在するさまざまなリスクから,自分の身を守るための方法を学ぶことに重点をおいた教育である。まずは,リスク教育における基本的な内容とその実践方法について紹介し,リスク教育によって育むべきリテラシーとは何か,また,その育成方法としては,ディスカッション型の教育方法が有効である可能性について述べた。さらに,わが国における防災教育の実践例を紹介し,防災教育で育むべき力の中心となるのは,困難を乗り越えることができるという自己効力感であることを指摘し,今後は,自己効力感の涵養を目的とした防災教育がより重要であることを述べた。
    抄録全体を表示
  • 犬塚 美輪
    52 巻 (2013) p. 162-172
    公開日: 2013/10/30
    ジャーナル フリー
     本稿では,まず,読解方略の定義とその効果に関する知見を整理した。その上で,読解方略の指導実践および読解方略指導の研究について,国内外の現状をまとめた。国内の研究においては,読解方略指導に関する研究自体が少ないこと,中でも客観的な効果の測定を行った実践研究があまりなされていないことが大きな課題であると言えた。また,学校現場での指導の実態について見てみると,有効性が指摘される方略の一部はよく指導されているものの,指導が不足している方略もあることや,明示的な方略指導が行われにくいことが示唆された。最後に,読解方略指導における新たな課題として,マルチメディア題材の読解や批判的読解における方略の検討とその指導を取り上げた。
    抄録全体を表示
Ⅴ 日本教育心理学会第54回総会 準備委員会報告
準備委員会企画特別講演
準備委員会企画招待講演
準備委員会企画シンポジウム
研究委員会企画シンポジウム
研究委員会企画チュートリアルセミナー
Ⅵ ハラスメント防止委員会企画講演
Ⅶ 日本教育心理学会公開シンポジウム
Ⅷ 第47回(2011年度)城戸奨励賞
Ⅸ 第10回(2011年度)優秀論文賞
Ⅹ 教育心理学関係博士論文要旨
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top