ヒトT, Bリンパ球の特性をin vitroにおいて比較検討する目的で, まず, PHA, Con A, PWMに反応するリンパ球がいずれのpopulationに属するかを, ロゼット形成法とradioautographyを用いて解析した.PHAおよびCon Aは, 反応細胞のほとんどがロゼットを形成したが, PWMでは培養期間により反応細胞のpopulationに差異がみられ, 刺激後3日以外に出現する幼若細胞は, 大部分がロゼット形成性であったのに対し, 4日後のそれはE, EACロゼットを同等に認め得た.これはマウス同様ヒトでも, おもにT細胞のみが, PHA, Con Aに反応し, PWMに対してはT, B細胞が反応することを示すとともに, 3日培養ではいずれのmitogenに対する反応もT細胞機能として把握され得ることを示唆している.次いで, T, B細胞におよぼす紫外線照射の影響を検討した.T細胞はB細胞に比して紫外線感受性が大で, 少線量の照射により, T細胞の生存率は著明に減少したが, B細胞のそれはよく保持されていた.以上の成績は, mitogenに対する反応態度およびUVに対する感受性の解析がT, B細胞の機能を解明する上に有用な手段であることを意味している.
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