IgE paper radioimmunosorbent test (PRIST) における精度 (intraassay variance, 希釈および添加回収率, 適正 incubation time) を検討し, PRIST および RIST による IgE 値の比較を行った.また本邦では PRIST による IgE 値が報告されていないため, 20例の健康例と45例の喘息例の血清 IgE 値を IgE PRIST キットで測定した.その結果 1) intraassay variance : 3濃度 (1234.4, 384.0, 8.6unit/ml) における coeffients of variation はそれぞれ10.1, 3.0, 17.4%であった (N=6).2) 希釈試験で本法によると約 0.5unit/ml の低濃度でも測定でき, 血清を64倍希釈し予測値が 0.6unit/ml の時の希釈回収率は68.8%であった.また種々の濃度の標準 IgE 液 (50, 10, 2, 1, 0.5 unit/0.95ml) に 484.8unit/ml の血清 0.05ml を添加した際の回収率は, おのおの83.8, 101.2, 113.2, 102.8, 85.0%であった.3) 抗体でコーティングした paper disc と IgE との結合に際し十分な first incubation time は150分以上であった.また<125>^I-anti IgE との結合のための十分な second incubation time は約24時間であった.4) PRIST による IgE 値は RIST による IgE 値の86%であった.5) 健康例における血清 IgE 値は平均で25.7unit/ml, 標準偏差 27.3unit/ml であった.6) 喘息例の血清 IgE 値の平均は 330.0unit/ml, 標準偏差は 308.8unit/ml であった.
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