Sjogren症候群(SjS)における細胞性免疫能についてin vivo, in vitroの両面より2, 3の検討を行った.観察対象は自験のSjS44例(女性42例, 男性2例)であり, 病型別ではsicca alone症例24例とoverlap症例20例(RA5例, SLE4例, PSS2例と慢性活動性肝炎, 間質性肺炎など9例)である.1) in vitroの検索では, SjS末梢血リンパ球のPHA, Con A, PWMに対する反応性は有意に低下していた.またヒトFIIおよびウシ唾液腺抽出物に対するSjSリンパ球の反応は全く認められなかった.2) 末梢血T細胞は比率, 絶対数ともSjSにおいて有意に減少しており, overlap症例にやや顕著であった.3) in vivoの検索では, 各種の遅延型アレルギー皮膚反応を行い, その陽性率はPHA>PPD>DNCB>KLHの順で約50%にすぎず, 特にoverlap症例で陽性率は低下していた.以上の観察成績より, SjSにおける細胞性免疫能はin vivo, in vitroともに低下していると考えられた.
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