コンニャク舞粉吸入感作モルモットのcGMP, cAMPの動態について検討し, 次の結果を得た.1.未処置群の鼻粘膜中には, cGMPは14.4±6.7pmol/g, cAMPは770±179pmol/g(N=10)存在した.2.感作群は未処置群に比較して, cGMPは鼻粘膜で増加, 気管, 肺では不変, 血漿では低下を示し, cAMPは鼻粘膜, 気管, 血漿で増加を示した.3.抗原再吸入による発作誘発群では感作群に比較して, cGMPは気管では29.0±8.6pmol/g(N=10)が40.9±13.7pmol/g(N=10)と有意な増加を示し(p<0.05), 肺, 血漿でも著明な増加を示した(p<0.01).cAMPは肺では2440±303pmol/g(N=10)が3913±885pmol/g(N=10)と著明な増加を示し(p<0.01), 血漿でも増加の傾向を示した(p<0.1).G/A比は肺(0.260±0.130→0.468±0.233)(p<0.05), 血漿(0.222±0.067→0.468±0.249)(p<0.01)にて有意の増加を示した.4.血漿-鼻粘膜(cGMP, cAMPにおいて), 血漿-肺(cGMP, G/A比において)の間にて有意の相関を示し, 血漿-気管(cGMP, cAMP, G/A比において)の間では有意の相関は認めなかつたが, 増減の変化の方向は一致を示した.したがつて血漿cyclic nucleotideの測定から気道組織中cyclic nucleotidesの動態をある程度推測しうることを明らかにした.
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