抗ヒト免疫グロブリン抗体を被覆したヒツジ赤血球とのロゼット形成と, イムノビーズによる細胞膜表面免疫グロブリンの証明を, 同一標本で同時に証明するmixed rosette assayによつて, ヒト末梢血リンパ球を構成するsubpopulationの同定を行つた.その結果, 正常者末梢血リンパ球は71.2±2.4%(平均±標準誤差)はT細胞により, 12.3±1.1%はB細胞により, 14.2±2.1%はnull cellにより, 2.3±0.4%はboth cellにより占められていることを見い出した.従来, 行われてきたT細胞, B細胞を別個に識別する方法に比べ, mixed rosette assayの優位の特徴はすべてのリンパ球をT細胞, B細胞, both cell, null cellのいずれかに分類するので, すべての細胞の所属を明らかにすることができることである.この方法で証明されたnull cellは, そのpopulationの大いさがB細胞のそれに匹敵し, かつ, 固有の表面免疫グロブリンとC3リセプターが欠如していたのに対し, その膜表面にはIgGのFc部分に対するリセプターが高濃度に集在し, いわゆる"Lリンパ球"の特性をよく具備していることが明らかとなつた.
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