同愛記念病院小児科を受診した気管支喘息児で, 発症後15-28年を経た359例にアンケート調査を行い, 187例につき検討し以下の結果を得た.1) 治癒39.0%, 略治癒28.9%, 軽症19.3%, 中等症8.6%, 重症2.7%, 死亡1.6%で, 転帰成績は治癒39.0%, 略治癒28.9%, 軽快24.1%, 不変4.3%, 悪化2.1%, 死亡1.6%であつた.2) 性別, 発症年令, 現在年令, 治療法と予後の間に有意差はなかつた.3) 初診時重症であると予後は悪く, 軽症, 中等症は発症後8-21年では軽症の方が予後はよいが, 15-28年では有意差がなかつた.4) アレルギー性鼻炎は, 現症として合併群より非合併群の予後がよいが, 既往歴と予後に有意差なく, アトピー性皮膚炎, 蕁麻疹の現症, 既往歴と予後に有意差はなかつた.5) 職業選択の際, 気管支喘息について強く配慮したと回答者の18.5%が答えた.6) 治癒, 略治癒年令は12-18才にピークがあり, 平均15.5才で, 発症から平均13.2年を要し, 再発は少なくとも16.0%にみられた.7) 死亡例3例は, いずれもステロイド依存性, 通年性重症例で, 発作死亡であつた.
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