小児気管支喘息児の気道過敏性を検討するために, 8才から18才までの気管支喘息児191名(重症41名, 中等症42名, 軽症108名)および正常児10名について, Ach吸入テスト, 運動負荷テスト, 血清IgE値, 末梢血中好酸球数の測定を行った。なお, 軽症群をさらに, 1年間に1回以上発作がみられた群, 1年間無発作群, 2年間無発作群, 3年間以上無発作群に分けて検討を行った。1) 喘息が軽症化し, さらに無発作期間が長くなるにつれて気道の過敏性は低下する。しかし, 数年間無発作であっても以前重症であった場合は気道の過敏性は残在する傾向がみられた。2) 喘息が重症化し, またAch閾値が低下する程EIAは起こりやすい傾向がみられた。3) 血清IgE値および末梢血中好酸球数は, 喘息児群は正常児群より高値であったが, 喘息重症度, Ach閾値とは一定の関係はみられなかった。
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