金製剤のNK活性におよぼす影響について検討した.対象は金療法施行中のRA患者20例(RA-gold(+)群)と性および年齢をマッチさせた金療法を受けたことのないRA患者(RA-gold(-)群)と正常人群(nl群)とした.RA-gold(-)群はnl群に比しNK活性上昇傾向にあるものの, 統計学的有意差は認められなかった.一方, RA-gold(+)群はRA-gold(-)群, nl群に比し有意に(それぞれp<0.05, p<0.01)活性の上昇を認めた.金療法の内容との検討ではmonthly dose 100mgの群はmonthly dose 40mg, 50mgの群に比し著明にNK活性の上昇が認められた(p<0.001).しかしながら金血中濃度, 総投与量, 1回投与量, 投与間隔とは相関しなかった.in vitroでの検討では金製剤は10μg/dlを中心にNK活性を増強し, 500μg/dl以上では抑制することが認められた.金製剤がinterferon(IFN)inducerとしてNK活性を上昇させるか否かを検討したところ, in vitro, in vivoともIFN産生は証明されず, 以上より, 金製剤によるNK活性増強はOK-432の場合と異なり, IFNを介していないことが推察された.
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