3歳以下の乳幼喘鳴児を対象にPhadezym P-RIST[○!R]及びPhadezym RAST[○!R] kit (ELISA法)を用いて, 血清IgE値, RASTの検討を行った.喘鳴とrespiratory distressの反復性により, 喘息群, 反復性喘鳴群, 初回喘鳴群の3群にわけた.D_1またはD_2のRASTは3群共IgEの高いほど, その陽性率が高く, またH_1-RASTより陽性化が強かった.IgE 100U/ml以上群においてD_1またはD_2 RAST陽性率は, 喘息群88%, 反復性喘鳴群54%, 初回喘鳴群27%であった.IgEが50U/mlをこえるとD_1 or D_2 RASTの陽性化がみられるようになった.吸入性抗原陽性者の多くは鼻粘膜の好酸球増多を認めた.卵白, ミルクRASTは3群共卵白RASTはミルクRASTより陽性率が高く, IgE 100U/ml以上群では卵白, ミルクRAST陽性率は喘息群49%, 20%, 反復性喘鳴群48%, 18%, 初回喘鳴群14%, 11%であった.食品RASTはIgEが低くても陽性症例がみられた.RASTの成績によれば, 喘息群は乳児期より吸入性抗原に感作されており, その他の喘鳴児は吸入, あるいは食品抗原に感作されている症例もあるが, RAST陽性率は喘息群より低率であった.さらにウイルスやマイコプラズマ感染時には, 受容体に対する影響について報告した.
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