B細胞を有する重症複合免疫不全症3例(SCID2, 3, 4)を対象として, B細胞分化障害について検討した.その結果, 1)B細胞表面マーカーから, 1/3例(=SCID4)で表面IgM^+, IgD^+細胞%が正常パターンをとり, 他の2例に比べ, より成熟したB細胞の存在を示唆した.2)T細胞非依存性B細胞mitogenに対して2/3例の(SCID2, 4)がDNA合成反応を示した.3)pokeweed mitogen添加, allogeneic T cells存在下で1/3例(SCID4)が極めて少数ではあるが, 細胞質内Ig合成細胞まで分化した.以上の結果から, これらのSCIDでは, SCID4, 2, 3の順で分化障害の部位がより成熟した段階にあるか, または障害の程度がより軽度であることが示唆された.
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